「なぜ決算書が重要なのか」
「決算書が与える影響」
「決算書の中で貸借対照表が極めて重要」
などを解説させて頂きました。
本記事では、極めて重要な貸借対照表に着目し、その良し悪しはどのようなものかを解説します。
貸借対照表(BS)をマッチョにしよう
「どういう意味?」と感じた方は多いと思います。
会社も人同様、メタボのブヨブヨ体型ではなく、マッチョなスリムな姿であるべきということです。
貸借対照表の右半分の総資本の欄には、負債と資本とが記されています。
負債はできれば削ぎ落としたい脂肪のようなもので、資本はできるだけ鍛えたい筋肉なようなものと考えてください。
負債が多いBSはブヨブヨの重たい体=人でいうとメタボ状態で、一方、資本が多いBSは、質が良く無駄のない筋肉のおかげでマッチョでスリムな状態です。
【必見】公共工事における決算書の重要性で解説した良い決算書の条件で「自己資本比率が高い」「借入金が少ない」「固定資産が少ない」「現金が多い」「資本金が多い」は、どれもBSのなかの筋肉にあたります。
これらの条件と自社の状況を照らし合わせ、BSをマッチョにすることで、良い決算書となります。
決算書を「結果」として捉えない
建設業は気をつけないと、前述したような筋肉がつくのではなく、ブヨブヨのメタボ状態になりやすいです。
好調な時期があっても、不況の風が吹けば負債が膨らみ、潰れる会社がどんどん出てくるのが建設業です。
負債が膨らみやすい特徴として以下のことが考えられます。
- 人がいないと成立しない業態で、人件費が多くかかる
- 車や建機、重機などのモノにかかる費用が大きく、原価が高く
- 工期が長くなれば現金の回転も悪く、銀行借入が大きくなる
以上の特徴は、資金繰りの苦労につながります。
建設業は利益率が高く無いので、繰越利益の積み増しを急にしようと思っても難しいです。
また、事故と隣り合わせの仕事のため、想定外の大きな出費も発生し、それを補うために、保険料も他の業種に比べ高くなってしまいます。
このように不安要素が多く、日頃からよほど気をつけていないと、理想のムキムキな体=マッチョな決算書にするのは大変です。
そのため、決算書を「結果」として捉えるうちは、なかなか理想通りにはなりません。
「仕事を頑張ったら、良い決算書になった」というのではなく、もっとアグレッシブに「良い決算書を作るために頑張る」という方向へ意識を向けましょう。
「決算書は作っていくもの」と捉え、理想に向けて出来る限りの対策を取りましょう。
決算書をスリム化させる4つの計画
では、具体的にどのような対策を取ればいいのでしょうか。
まずは、貸借対照表の負債部分を縮めるために、次の4つの計画が考えられます。
工事完成未収金、工事未払い金をなるべく減らす
未収金については「あとでもいいですよ」などと格好つけず、回収するのは当然のことです。
買掛金も減らしましょう。
固定資産を減らす、売却する
車や建機、重機などはリースに変更することで、固定資産の圧縮につながります。
銀行借入を返す
「急には返せない」と思うかもしれませんが、とにかく決算のときに借入が減っていれば良いです。
必要ならば決算が終わってから、すぐに借り直してください。
保険金積立金を減らす
資産計上・半分損金の保険を解約します。または、全額損金の保険に変更しましょう。
このような対策を、毎年決算の前にできる範囲で実行してください。
これらのことをする、しないで、必ず大きな違いが生まれます。
対策ができた会社は、以下の3つのご褒美を手にすることができます。
- 経審の評点が上がる
- 保証会社の与信枠が広がる
- 民間信用調査会社の点数が上がる
BSのプロテインこと「増資」でさらに健康体のBSへ
体を鍛えている人は、牛乳やプロテインで更なる強化を図ることが多いですよね。
では、BSの筋肉にとって、牛乳やプロテインとなるものは何でしょうか。
それは増資です。
ここで提案させて頂きたいのは、「目標数値を設定して増資をする」ことです。
会社の状況によって、どのくらい増資をすればいいのかが違ってきます。
それは、事業計画での目標設定によります。
「どのくらい増資すれば、目標を実現できるのか。」
それを把握すれば増資の目標数値が分かります。
その辺りの計画性がなく、結局は目標を実現できずに「あと100万円上乗せしておけばよかった」と後から思っても意味がありません。
目標設定をあらかじめすることが非常に重要であり、そうした目標を包括的に実現へと導くのが決算書です。
期初に「どのような決算書に仕上げるのか」を設定して、それに向かって行動していけば諸々の目標をクリアしていけるのです。
まとめ
決算書の中でも、貸借対照表に着目し、その良し悪しはどのようなものかを解説しました。
総資本における負債を脂肪、資本を筋肉に例えて説明させて頂きました。
会社も人もマッチョなスリム体型が好まれます。
本記事で提案させていただいたことを参考にし、会社をスリム化しましょう。
その結果、公共工事により強い会社になり、安定した経営を行うことが可能になります。
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