配電盤とは?分電盤との違いや交換方法を解説!

「配電盤」というものを見られたことがあるでしょうか?
恐らく、ご自宅にあるのは「分電盤」という機器になるかもしれません。その配電盤や分電盤には寿命があり、定期的な交換が必要です。

今回の記事では、分電盤との違いや交換の際に気を付けるポイント、費用感などについて解説します。

配電盤と分電盤の違いとは?


ご自宅にある「分電盤」とよく似たもので、「配電盤」という物があります。
一般家庭にあるのは「分電盤」で、大きなオフィスやビル、学校などの施設にあるのが「配電盤」という物になります。

配電盤は電力会社から送られてくる電気を、そのまま受け止める設備です。
配電盤には電圧をコントロールする機能が備わっており、配電盤で調整された電気を分電盤に流し、一般家庭で使われている電気になります。

配電盤にはどんな種類があるのか?

電力会社からの電気を受ける配電盤には2つの種類があります。

  • キュービクル
  • 開放型

キュービクル

1つ目は「キュービクル」と呼ばれる中が開かないタイプで、「閉鎖型」とも呼ばれている配電盤です。

コンパクトなサイズで、耐久性も高いため近年多くの建物で利用されています。施設の屋上などに設置するのが一般的です。

開放型

2つ目は「開放型」と呼ばれるタイプです。
開放型は金属のフレームに扉が付いていて、開閉可能な配電盤です。

開放型は扉を開けるとすぐに中身を確認することが出来、点検や管理をするのがとても簡単です。
ただし、キュービクルと比較すると耐久性がなく、安全性も低いため管理維持の際に注意しなければいけません。

配電盤からの電気を受ける分電盤の仕組みとは?


そんな配電盤から、電気を受け取るのが「分電盤」です。
ここでは、ご家庭にある分電盤の仕組みを簡単にご紹介いたします。

主に「アンペアブレーカー」「漏電ブレーカー」「安全ブレーカー」の3つのブレーカーから構成されています。

  • アンペアブレーカー
  • 漏電ブレーカー
  • 安全ブレーカー

アンペアブレーカー

アンペアブレーカーは電力会社所有のブレーカーです。
電力会社は配電盤を通じて各家庭に電気を届けますが、送っている電力が契約している電力のアンペア数を超えた時に、自動で供給を止める役割をするブレーカーです。
関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力ではアンペアブレーカーが設置されていない事も一つの特徴です。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーは、電気機器や配線の漏電を察知して電力供給を止める仕組みがあるブレーカーです。
主幹ブレーカーとも呼ばれ、アンペアブレーカーのすぐ下に設置されるブレーカーです。
アンペアブレーカーのない地域の分電盤では、「漏電ブレーカー」がアンペアブレーカーの役割も兼ねています。

安全ブレーカー

安全ブレーカーは配線用遮断器とも呼ばれています。
1つのブレーカーに過電流が流れたり、使用している電気機器に異常が起こった場合に電流の流れを停止する機能があります。
電力使用量の大きな機器を同時に使うとよく安全ブレーカーが落ちます。

家庭の分電盤を交換する目安とは?


家庭の分電盤には、交換する目安があります。
一定の目安と言われているのが耐用年数である13年です。
13年経っても何の問題もなく使えているケースもありますが、分電盤本来の寿命は過ぎてしまっているため、交換されることをおすすめします。

例えば以下のような場合であれば、早急に交換される方がいいでしょう。

  • 漏電ブレーカーが無いタイプの分電盤
  • 取り付けから13年経過した分電盤
  • 分電盤自体が熱くなっている
  • 分電盤から異音がする
  • 分電盤の破損や焦げた跡などがある
  • 自宅の家電製品に触ると電気が走ったように痺れる
  • テレビの画面がよく乱れる
  • 照明が点滅する
  • 今までよりも電気代が高くなった

上記の症状がある場合には完全に寿命が来ているわけではありませんが、故障する前段階だと思っておきましょう。

分電盤を交換する際の費用とはどれくらい?

分電盤の交換をすると10万円程度の費用がかかります。
内訳は以下のようになります。

  • 分電盤の本体        35,000円
  • 漏電ブレーカー       5,000円
  • 安全ブレーカー       1,000円
  • 分電盤取り付け工賃     20,000円
  • ブレーカー単体取り替え工賃 8,000円
  • 処分代           2,000円
  • 業者出張費用        20,000円

概算として上記の費用が掛かりますので、10万円を目安に分電盤の交換業者を探してみましょう。
予算に余裕がない時は、ブレーカーのみ交換してもらえる場合もあります。

分電盤を交換する時の注意点とは?

分電盤を交換する際は、以下の2点に気を付けましょう。

  • 設置場所
  • 今設置している場所と同じ場所が好ましい

  • サイズ
  • 今までと同じサイズの物か、多少大きめのサイズの物を選ぶことが大切

今設置している場所が、「周りに障害物があって熱がこもりやすい」「埃が溜まりやすい」「粉じんなどが溜まりやすい」といった場所の場合は再検討の必要があります。
今の生活環境を変えて分電盤に熱がこもらないように工夫するか、分電盤の設置場所を業者と相談して変更しましょう。

分電盤を選ぶときのポイントとは?

分電盤を選ぶ際には「必要な専用回路数」に注意しなければいけません。家電製品の中には消費電力が1000Wを超える物もあります。
この消費電力が大きい家電製品には専用回路がそれぞれ必要となります。

一例を挙げると以下の家電が該当します。

  • エアコン
  • IHクッキングヒーター
  • 食洗器
  • 電子レンジ
  • 電気暖房機器
  • 温水洗浄便座
  • 洗濯乾燥機

これらの家電を使われている場合は、その家電の分だけ専用回路が必要になります。
将来購入予定がある場合であれば、その数の分だけ専用回路を増やしておかなければいけません。

専用回路とは別に「分岐回路」も設置します。
分岐回路は住宅の敷地面積に合わせ設置数が決められていて、敷地面積が広くなる分だけ準備する必要があります。必要数の専用回路と、分岐回路を合わせた数が確保できる分電盤を購入していかなければいけないのです。

分電盤の交換を依頼するのに適した業者とは?


分電盤の交換をするには必ず「登録電気工事業者」を選びましょう。
なお、素人自らがDIYで施工を行う事は大変危険です。
インターネットなどで専用の工具なども販売されていますが、登録電気工事業者でなければ、施行は禁止されていますのでご注意ください。

また、見積書を出してもらった際に「工事内容の明細がきちんと記されている」「損害保険に加入している」「アフターフォローがしっかりしている」などのポイントも押さえている業者がおすすめです。
電気に関わることで火災などの危険に繋がる事もあるため、信頼できる工事業者に依頼することをおすすめします。

まとめ


今回は分電盤との違いや交換方法、費用などについて詳しく解説してきました。
配電盤の交換の際にはきちんとした業者を選び、適切な工事を行ってもらう事が重要です。

今回ご紹介したようなポイントを押さえ、適切な交換時期に適切な方法で配電盤の交換を行っていきましょう。

設備管理の求人を探すには


資格や経験を活かして、設備管理で転職をお考えの方は、キャリケンの完全無料転職支援サービスをご利用ください。
転職活動における当サービス独自のノウハウを特別にお伝えします。

業界唯一の伴走型エージェントが、全国各地の10,000件以上ある求人から最適な求人をご紹介します。
是非一度、ご相談ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。