さく井工事とは?種類や工法、費用についても解説!

近年、需要が高まっている「さく井工事」とは、どのような工事なのでしょうか。
そもそも、「さく井」はどのように読むのでしょうか。
本記事では、さく井工事の概要や種類、工法、費用などについて解説します。

さく井工事とは

「さく井工事」の解説をする前に、「さく井」について解説します。
まず、読み方はさくせいであり、漢字では「鑿井」と書きます。
難しい漢字のため、一般的には「さく井」と表記されます。
「鑿」という字は「のみ」とも読み、大工さんが使用する「ノミ」を意味します。

「さく井」とは、さく井機械を使い地面に穴を掘っていき地下水を組み上げることです。
具体的には、深い掘抜き井戸を掘ることやボーリングすることを指します。
さく井工事とは、前述のような「さく井」を行う工事やそれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事を指し、「ボーリング工事」と言われることもあります。

さく井工事の種類

さく井工事は、以下のように分類されます。

  • さく井工事
  • 観測井工事
  • 還元井工事
  • 温泉掘削工事
  • 井戸築造工事
  • さく孔工事
  • 石油掘削工事
  • 天然ガス掘削工事
  • 揚水設備工事

上記の通り、さく井工事には様々な種類があり、それぞれで求められる知識や技術が異なります。
それらを確実に施工することが重要であり、さく井工事は高い専門性と知識が必要になる工事と言えます。

さく井工事の工法

さく井工事は、口径の大きさや掘る深さによって、以下の3つの工法が使い分けられます。

  • パーカッション工法
  • ロータリー工法
  • エアハンマー工法

それぞれの工法について簡単に解説します。

パーカッション工法

パーカッション工法は、ワイヤーロープで錘(おもり)を吊り上げ、高い位置から錘を落とすことで地面を削り掘っていく工法です。
掘る深さが200m以下の浅い掘削で、仕上がりの口径の大きさが200〜1000mm程度の場合に適しています。
ゴルフ場や水道施設などの工事で用いられることが多いです。

ロータリー工法

ロータリー工法は、掘削時に使用する器具にトリコンビットと呼ばれるドリルを取り付け、それを回転させながら掘削する工法です。
掘る深さが1500m程度で、仕上がりの口径の大きさが300mm以下の場合に適しています。
騒音や振動が少ないため、市街地で多く用いられます。

エアハンマー法

エアハンマー法は、エアハンマーを取り付けた掘り管を振り下ろし、その空気圧と打撃力で岩石や硬石を粉砕して掘削する工法です。
小規模な井戸狭いスペースで、仕上がりの口径の大きさが350mm以下の場合に適しています。
ロータリー工法とは異なり、騒音や振動が大きいため、山林にある硬い岩盤地層の掘削の際に用いられることが多いです。

さく井工事の流れ

さく井工事の一般的な流れは以下の通りです。

  • 現場調査
  • 施工計画
  • 掘削
  • ケーシング
  • スクリーン
  • 充填砂利
  • 遮水
  • 仕上げ施工
  • 揚水・水質試験
  • 水質検査

現場調査を行い、施工計画を練ります。
その後の掘削から水質検査までの各工程では、必要となる作業の内容が異なるため、それぞれを不備なく行っていくことが極めて重要です。

さく井工事の費用

さく井工事の費用は、以下に示す主な要素がどのようになるかで変わります。

  • 井戸水の用途(飲料水か雑用水か)
  • 井戸の口径や深さ
  • 工法
  • 必要とする水の量
  • 工事に関わる人員数
  • 使用する重機や材料
  • 工事を行う場所や周辺の環境

さく井工事の費用は上記の要素をを踏まえた上で決定するため、非常に不確定要素が多く、曖昧です。
一般的なさく井工事の見積り費用は20万円〜100万円前後であり、掘る深さや工法によって追加料金が発生します。

さく井技能士とは

さく井工事に関連する資格でさく井技能士という国家資格があります。
1級と2級があり、パーカッション式ロータリー式の2つの工法に分かれています。
この資格を取得していなくてもさく井工事を行うことは可能です。
しかし、さく井技能士の資格を取得しておくことで、さく井工事のスペシャリストとしての知識と技能をアピールすることができ、自身のキャリアアップにも繋がるため、資格取得に挑戦すると良いでしょう。

さく井工事の需要の高まりについて

地震や台風などの災害時における水源開発大規模な地下工事に、さく井工事は欠かせません。
また、大量の水を必要とする工場などで非常に需要があります。

一般住宅においては、水道水の品質や含有成分が心配され、安全な水とされる地下水の利用を目的として、井戸の評価が高まっています。
自然災害時にライフラインが止まってしまっても、井戸があれば安心できるため、今後もさく井工事の需要は高まると考えることができます。

まとめ

さく井工事の種類や工法などについて解説しました。
近年、国内においては自然災害が多く発生しており、ライフラインの復旧工事などの必要性が高まっています。
その中でも、さく井工事は欠かせない工事の一つであり、極めて重要です。
さく井工事に関心を持っていただける記事になっていれば幸いです。

施工管理の求人を探すには


資格や経験を活かして、施工管理で転職をお考えの方は、キャリケンの完全無料転職支援サービスをご利用ください。
転職活動における当サービス独自のノウハウを特別にお伝えします。

業界唯一の伴走型エージェントが、全国各地の10,000件以上ある求人から最適な求人をご紹介します。
是非一度、ご相談ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。