下水道工事とは
下水道工事とは、生活排水を下水の本管に繋げ排水を可能にする工事です。
下水道は工場から出る産業排水、台所やトイレから出る生活排水を排水管を通して公共下水道管へ流します。その後排水処理場まで運ばれ、綺麗な水に処理し河川に放流されます。
下水道工事により、トイレの水洗化など衛生的になります。
公共下水道のしくみは、大きく分けると次の3つから成り立っています。
- 排水設備:家庭や事業所からの汚水を下水道管に流すための設備
- 下水道管:汚水を集めて浄化センターに運ぶ管
- 浄化センター:汚水を処理してきれいな水にする施設
下水道の役割と仕組み-朝霞市
上記図のように、汚水ますを始めとした敷地内にある排水設備は住人により工事され、下水道管などの敷地外の工事は自治体が進めます。
排水設備
家庭の台所や水洗トイレなどから出る汚水を、下水道管に流すために設置する「排水管」や「ます」などを排水設備と呼びます。
排水口から出た汚水は排水管・ますから公共汚水ますを通り、下水道管へ流れます。
下水道本管の埋設工法
下水道の工事は次のような工法で埋設しています。
- 開削工法
- 推進工法
- シールド工法
開削工法
下水道工事で最も使われる工法で、ショベルカーなどで土を掘り、下水道管を並べた後に土で埋め戻します。
工事は次の手順で行われます。
①.道路を切断し、取り壊します。
②.重機や人力によって、管を埋設する深さまで掘削します。
③.道路を掘り下げます。この時、土が崩れないように山留を設置します。
④.下水道管を敷設するための基礎(管基礎)をつくります。
⑤.下水道本管を敷設していきます。
⑥.埋め戻し作業を行います。
⑦.壊した舗装を仮に復旧し、車や歩行者が通行できるようにします。
⑧.全ての下水道管の敷設後、舗装工事を行い完了となります。
推進工法
管を埋設する位置がかない深い場所や、川、水道 管、ガス管などの障害物の下に下水道管をくぐらせる場合など、 開削工法では工事が難しい際に使う工法です。
工事は次の手順で行われます。
①.推進工法を行う為の、立坑と呼ばれる立穴を設置します。
②.推進機を設置し、下水道管を推し進めます。
③.推進が完了したら、推進機を取り出して立坑の位置にマンホールをつくります。
④.立坑内を埋め戻して仮復旧を行ないます。
⑤.立坑部分の舗装工事を行い完了です。
シールド工法
長い距離や、大きな管(トンネル)をつくるときに使う工法です。
地下鉄やアクアラインなども、このシールド工法によって作られました。
下水道管埋設工事の流れ
埋設方法について説明してきましたが、自身の敷地外に位置する下水道管工事はどのような順番で行われるのでしょうか。
下記に記した手順は、皆様の家庭から出た汚水を直接受ける管である「枝線」の工事実施の流れです。
STEP1 | 地元工事説明会 |
STEP2 | 家屋等事前調査 |
STEP3 | 試験堀工事 |
STEP4 | 公共汚水ます設置申請 |
STEP5 | 埋設管移設工事 |
STEP6 | 下水道本工事 |
STEP7 | 下水道本工事完了後 |
STEP8 | 供用開始区域の告示 |
STEP1:工事説明会
工事を円滑に進められるよう、事前に工事対象エリアの住民のに工事の内容や注意点などを説明します。
STEP2:家屋等事前調査
工事着手前に、工事エリアの住民の塀や外壁などの状況を調査します。
これにより万が一家屋等に損傷が起こった場合には、その損傷が下水道工事によるものであるかの判断が可能となります。
STEP3:試験堀工事
下水道工事に先立ち、既に道路に埋設されている水道管やガス管等の位置や構造を確認し、下水道管が埋設可能か調査します。
STEP4:公共汚水ます設置申請
公共汚水ますを設置することの申請及び位置確認のため、下記申請書を提出していただきます。
希望する設置可能な場所を記載しますが、埋設物等の条件により希望する箇所に設置出来ない場合もあります。
STEP5:埋設管移設工事
試験掘の結果により、下水道管やマンホールを埋設にあたり障害となる埋設水道管やガス管が有る場合、移設工事を行います。
STEP6:下水道本工事
STEP5までの作業が完了しだい、下水道本工事に移ります。
STEP7:下水道本工事完了後
工事完了後、完成検査を実施します。
枝線工事完了後の舗装は仮復旧により一時工事は完了となります。
その後、仮復旧で自然転圧させた後に、別発注により舗装復旧工事を実施します。
STEP8:供用開始区域の告示
完成検査合格後、対象エリアが公共下水道使用可能区域になった事を住民に告示し、枝線工事は完了となります。
家の前の道路に本管という大きな下水道管が入ったら、「公共汚水桝」という汚水を集める容器を設置します。
地域の本管工事が終わり、下水を流せる状態になると「供用開始の告示」がされ、宅地内の工事が始まります。
排水設備工事
続いては、各家庭が行う宅地内の排水設備工事 (切替工事)について説明します。
下水道法により下水道が整備され供用開始になってから3年以内の下水管接続をし、汲取り便所を水洗式に改造しなければなりません。
浄化槽を利用している家庭でも直接下水道への切替が必要になります。
切替工事の流れ
STEP1 | 業者と契約 |
STEP2 | 宅内工事申請 |
STEP3 | 宅内工事 |
STEP4 | 完了報告 |
STEP5 | 市役所検査 |
下水道工事業者の選び方
下水道工事は「排水設備工事指定店」という指定がある業者以外は工事ができません。
指定工事店となるためには、1名以上の排水設備工事責任技術者の専任と、工事をする自治体からの指定が必要です。
それぞれの自治体で指定された業者の中から選ぶわけですが、以下のポイントを確認しましょう。
対応地域
下水道工事業者の対応エリアに自身の自宅が入っているかどうかを確認しましょう。
エリアを限定して行っている業者が多いため、出張費用などが取られないよう出来るだけ自宅から近い業者を選ぶと良いでしょう。
アフターサービス
工事前の事前説明はもちろん、工事後のフォローや起こりうるリスクを説明してくれる業者を選びましょう。
工事完了後水漏れがあった場合には、すぐにアフターフォローをしてもらう必要がある為、事前に親身に相談に乗ってくれる業者かも確認する必要があります。
相見積もり
下水道工事業者は複数の見積りを取りましょう。
余裕があれば5社ほど、最低でも3社は取得する必要があります。出来るだけ多くの業者と話し、価格やサポート内容の妥当性について確認しましょう。
特に注意すした確認したいポイントは、見積もりの内容がどのくらい詳細に書かれているか、または説明してもらえるかです。
費用
近くに公共下水道管の公設マスがあれば、下水道の引込工事は30万円~50万円前後で済みます。
しかし公共下水道管の公設マスが道路の反対側にあったり、土地の前まで来ていない時は、別途で費用が必要になり50万円~80万円近くになることもあります。
まとめ
これまで下水工事の埋設工法や工事の流れについて解説してきました。
家庭内使った水が流される下水道管がどのように設置されるかお分かりいただけたのではないでしょうか。
自宅の排水設備工事を行う際には適切な費用を知り、業者選びに失敗しないよう慎重に検討しましょう。
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