フロアダクト工事とは?特徴や使用部材、関連する配線工事についても解説!

電気工事における配線工事は、建物の電気の供給を支える重要な工事と言えます。
その中から、本記事では代表的な配線工事でもある、「フロアダクト工事」について解説します。
フロアダクト工事とはどのような工事なのか、フロアダクト工事の特徴や使用する部材などについて解説します。
フロアダクト工事以外の配線工事についても触れますので、参考にしてください。

フロアダクト工事とは

フロアダクト工事は電気工事における配線工事の施工方法のうちの一つで、別名「床下線ぴ工事」とも呼ばれます。
具体的には、間仕切りの変更や将来の電話やコンセントの増設を考慮し、コンクリートの床に金属製のダクトを埋込み、必要な場所から電話線や電線を引き出せるようにする工事です。
主にオフィスビルなどで行われ、使用電圧は300V以下乾燥したコンクリートの床内限定の工事とされています。
配線を隠すことで、オフィス内の景観が良くなるとともに、安全な作業環境を創り出すことができます。

フロアダクト工事の特徴

フロアダクト工事は、床内にフロアダクトを使用して配線するので、いくつかの制約があります。
「接地工事の種類」「電線の種類」「接続方法」「施工方法」のそれぞれに決まりがあります。
上記の4点について、簡単に解説いたします。

接地工事の種類

接地工事にはA種・B種・C種・D種の4種類があり、フロアダクト工事はD種接地工事に該当します。
電気工事は接地工事の省略が可能な場合もあります。
しかし、フロアダクト工事は省略できる条件がないため、ダクトの長さに関係なく、D種接地工事で対応する必要があります。
接地工事の4種類に関しては以下の表を参考にしてください。

接地工事種類 工事概要
A種接地工事 高圧・特別高圧機器の金属製外箱等
B種接地工事 高圧・特別高圧電路と低圧電路を結ぶ変圧器の低圧側端子
C種接地工事 300Vを超える低圧機器の金属製外箱等
D種接地工事 300V以下の低圧機器の金属製外箱等、計器用変成器の二次側電路

使用する電線の種類

フロアダクト工事では、屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く絶縁電線を使用します。
直径3.2mm以下の単線または「より線」を使用します。
低圧屋内配線工事において電線管に収める電線の太さが異なるときの規定として「絶縁被覆を含む断面積の総和は、ダクトの内断面積の32%以下」でなければならないという決まりもあります。
このように電線に関しても留意点があり、フロアダクト工事は注意が必要な工事です。

電線の接続方法

フロアダクト工事における電線の接続方法は、原則としてジャンクションボックス内で行います。
ジャンクションボックスとは、電線同士の結合や分岐、中継に使用する端子の保護管です。

施工方法

フロアダクト工事では、フロアダクト同士やフロアダクトとジャンクションボックスを堅ろうで電気的に安全に接続します。
ダクト同士の接続はダクトカップリングを使用し、ダクトの結合や中継はジャンクションボックスで行います。
フロアダクトの終端部は閉そくします。
ダクトには電線引出口のインサートがあり、電源を取り出す時はアウトレットボックスを接続し、使用しない場合はインサートマーカーで蓋をします。

フロアダクト工事で使用する部材

フロアダクト工事で使用する部材は以下の通りです。
様々な部材を活用してフロアダクト工事を行います。

フロアダクト 床内に埋め込み施工する配線用ダクト
ジャンクションボックス フロアダクト用の結合・中継ボックス、だいたい4箇所からなるものが多い
ダクトカップリング ダクト相互接続
インサートキャップ インサートを閉じるための蓋でビス状のマーカーとなっているのをインサートマーカとも呼ぶ。
埋め込みインサートキャップと露出インサートキャップがある。

その他の配線工事

フロアダクト工事以外の代表的な4つの配線工事について簡単に解説します。

バスダクト工事

バスダクト工事は、配線に金属製のバスダクトを使用する工事です。
バスダクトは導体に銅やアルミを使用しているため、電気や機械的な特性が優れています。
工事費用は割高になりますが、美観や安全面、施工性の向上が望めます。

アンダーカーペット工事

アンダーカーペット工事はその名の通り、タイルカーペットや置敷タイルのに配線する方式の工事です。
主にオフィスやショールームなどで利用され、床面の凹凸を抑えるためにテープ状の薄型電線を使用します。

フリーアクセスフロア工事

フリーアクセスフロア工事は、床を二重構造にすることによりできた空間内に配線を通し、引出口を固定しない方式の工事です。
オフィス等で多用される工事で、レイアウト変更や機器の増設にも配線が露出せず、配線へのアクセスが比較的容易なことが特徴です。

セルラダクト工事

セルラダクト工事は、床の材料でもあるデッキプレートの溝の部分に配線を通す方式の工事です。
使用電圧が300V以下の屋内の乾燥した場所で、点検出来る場所に施工することができます。
ビルなどで行われ、電気設備の負荷位置の変更や増設が簡単にできます。

まとめ

フロアダクト工事について解説してきました。
フロアダクト工事には様々な制約や決まり事があり、注意が必要な工事と言えます。
フロアダクト工事のような配線工事は、建物の電気の供給を支える重要な工事であるといえます。
本記事がフロアダクト工事を理解する記事となれば幸いです。

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