施工管理は未経験でもなれる?施工管理未経験人材の転職事情について解説!

建設現場を管理する施工管理者は未経験から転職する人も少なくありません。
建設物のニーズの変化や企業側からの需要といった理由もあって、施工管理を担う人材はまだまだ足りていないためです。
今回は未経験者の施工管理への転職について企業側のメリットや転職者が気を付けるべきポイントなどを紹介します。

施工管理を未経験・資格なしでも採用ニーズはあるのか?

施工現場における人手不足は深刻で、技術者の高齢化や入職者が少ないことが問題視されています。
今後も老朽化した建物やインフラの改修・修繕工事、地震対策の必要な建築物などの耐震工事、道路や公共工事の改善や充実といった背景を踏まえると採用のニーズは高いです。

一方で企業としては経験者や熟練者を雇いたいと考えてもそうした人材は不足しています。
そのため、施工管理が未経験だったり、建設関係の資格が無い人を採用するという企業も多いです。
長く努めてもらえれば企業としての戦力となるという目的もある中、そうしたニーズについて具体的に紹介します。

未経験者への教育の充実

施工管理の未経験者への教育体制に力を入れている企業は多くあります。
例えば、富士教育訓練センターなどで1ヶ月みっちり施工管理に関する知識を学ぶ機会や、オンライン講座による現場や安全研修などがあります。
そうした教育体制は自社で研修用の教材を用意する必要が無いため、人材を割くという負担がありません。
施工管理の未経験者を雇用する派遣会社にとってもそうした教育機関は欠かせません。
ゼネコンや中小企業に施工管理の技術者を派遣する派遣会社は、未経験者に教育を受けてもらうことで多くの現場へ派遣が可能になります。
未経験であっても教育を受けることで大規模な施工現場に配属されるチャンスが増えるというメリットがあります。

一方、大きなゼネコンにおいてはOJTを充実させて企業が長年築き上げてきた知識やノウハウを伝えることに注力しています。
マンツーマンで相手に合わせた教育を行い、実務に直結した教育を反復して行うことができ、コミュニケーションの場としても注目されているためです。
OJTを活用しつつ、上司と部下や先輩と後輩の信頼関係が深まるというメリットからも最初の数年は教育を徹底する場合もあります。
こうした教育体制の充実は未経験者にとっても利点となります。

資格がなくてもできる業務内容

施工管理と言えば施工現場で職人や技術者を相手に指示をするというイメージがあるかもしれません。
実際には細かな雑務が多く、職人や企業を手配するために電話をかけて回ったり、工程を調整したりするため特に夕方以降はデスクに向かっての作業が多いです。
施工現場の規模が大きいと手間も増え、未経験者はベテランの補助から始めることが多いことから資格が無くても業務は可能です。

例えば設計図面通りに建築物が構成されているか写真を残すための撮影は、スマートフォンやタブレットで簡単にできる作業です。
各所を回ると人手が必要になるため、資格よりもフットワークの軽さが大切になります。

施工管理未経験者を採用する企業側のメリットとは?

人手不足に悩む企業にとって、未経験者の施工管理者を採用するメリットはどういったものがあるか具体的に紹介します。

人材の確保

未経験者や資格を持っていなくても人手があれば現場業務を円滑化できます。
そのため人材確保ができればメリットが大きく、企業にとっては未経験者でも施工管理者として長く勤めてもらい、入社年数に応じた評価や昇給を与えることができます。
そうした適切な評価は雇用される側にとっても意欲を失わずに働き続けることができる理由となるため、意欲のある若者の入職促進に繋がります。

素直な姿勢がある

未経験者を雇うことで、自社の教育や作業の方針を素直に受け取って業務を進めてもらえる可能性が高いです。
それは、余計な知識が無いまっさらな状態の方が施工や工程に関する技術や知識を素直に受け取ってくれるためです。
経験者を採用した場合だと効率の良さを重視したり、自分が慣れている手法で業務に当たる可能性があります。

そうした業務態度は施工現場においてコミュニケーションの阻害に繋がることがあり、自社の方針を素直に進めてくれる未経験者を雇う方がメリットとなると言えます。

作業しやすい環境

昨今では建築分野DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、施工現場における情報共有や写真管理などの簡易化が図られています
そうした施工管理に関するソフトの開発が進んだことで、工事の進捗(しんちょく)や図面の管理が経験者や未経験者を問わずに作業が可能になりました。
企業としても新しい機器や手法に抵抗のない施工管理の未経験者がいることで、経験者へ新たな技術の提供の機会につながるというメリットがあります。

施工管理未経験者を採用する企業側のデメリットとは?

施工管理の経験者を雇いたい企業にとって未経験者の採用はデメリットもあります。
どういった内容があるのか具体的に紹介します。

実力不足

未経験者は一から知識を覚える必要があり、現場ごとのルールを何も知らない人にとって働く環境が厳しいと感じる場合があります。
例えば大規模な現場における複雑な工程の施工現場では意匠・構造・電気設備などを並行して考えるスキルが必要とされます。
そのため未経験者だと経験者を必要とする現場にとって実力不足となります。
企業にとって育成の手間がかかりすぎるデメリットの他、未経験者も実力が足らないことに不安を覚えてしまって退職につながる可能性もあります。

長く続けてもらえない

未経験者を雇う場合、年収が高いから転職したと考える人も少なくありません。
そうした人が施工管理を始めると、仕事内容や長時間労働といった労働環境に対して「思っていたのと違った」と思う人も出てきます。
そのため、入職前と後のギャップにより仕事が長く続かない人も多く、辞めてしまうというデメリットがあります。
ミスマッチを防いで長く働く人材を確保するためには、転職希望者にあらかじめ仕事環境などを詳細に説明する必要が出てきます。

人材育成が困難

未経験者に仕事を覚えてもらうにあたり、OJTや社内研修を実施する企業も多いですが、これは教える側の負担が大きくなります。
細かな目標の制定やOJTの実施要綱の作成においては、作業する人が誰でもわかりやすい内容にしなければなりません。
そのため、準備時間が必要なだけでなく、仕事に余裕が無いと取り組むことができないことから企業にとっては困難な場合があります。

未経験から施工管理へ転職するためのステップ

施工管理は建設物が製作されていく様子を見守り、カタチとしてその土地や地図に残ることへの憧れから転職を目指す人も多いです。
施工管理の募集は大手ゼネコンから中小企業などが行っていますが、未経験から転職するためのステップを転職支援サービスの利用も踏まえて紹介します。

施工管理の資質があるかの確認

まず第一に、施工管理が自身に向いているかどうか考えましょう。
施工現場において職人たちと良好なコミュニケーションがとれるか」「雑務であっても真面目に取り組むことができるか」「安全管理をする際に責任能力に自信があるかなど仕事内容を踏まえて考えてみてください。
やりがいだけでは長く続けることはできません。
また、朝は早く、夜も工程管理をまとめるために遅くなる現場も少なくないため、体力に自信があるかどうかも確認しておきましょう。

転職支援サービスを利用する

資質に問題が無ければ次に転職エージェントなどの転職支援サービスに申し込みましょう。
自身で転職サイトなどを探すよりも効率が良く、手厚いサポートがあります。
より良い企業への転職や条件の良い職場への転職が叶う可能性が上がるのがメリットです。

例えば転職サイトから複数の企業へ応募すると手間が多く、厳選する際にも時間を要します。
転職支援サービスの場合は、担当者に自身の職歴などを伝えることで厳選された転職先の紹介を受けることができます。
他にも、勤務地や給与面などの交渉から休日の有無・深夜残業についてといった面と向かっては聞きづらい内容の確認がしやすいというメリットがあります。
そうした利点から転職支援サービスを利用して未経験から施工管理への転職を目指すのもおすすめです。

施工管理に資格は必要?

施工管理未経験者はまだ資格が必要ありません。
1級・2級建築施工管理技士、1級・2級土木施工管理技士などの資格は実務経験が必要であり、経験者として実力を積みつつ資格取得を目指すことが多いためです。

また、2021年4月1日に「技術検定制度の見直し」が始まり、新しい技術検定制度では元請の監理技術者を補佐する技士補の資格が付与されるようになりました。
第1次検定の合格者に「技士補」、第2次検定の合格者に「技士の称号を付与することで受験者の増加や資格に対する意欲を高めることを目的としています。
それに合わせて下請の主任技術者の配置義務の合理化策により、2次下請の主任技術者の配置が不要になる要件もできました。
未経験者はまず「技士補」の称号を目指すという目標ができ、活躍できる場が増えるというメリットがあります。
施工管理者になってからこうした資格の取得を目指す方が良いでしょう。

施工管理の仕事内容

土木・建築工事における準備から完成まで工事全体で、施工管理は「工程・安全・品質・原価」の4つの管理を担います。

  • 工程管理・・・施工時の流れがスムーズに進んでいるか確認し朝礼や巡回をします。
  • 安全管理・・・現場の作業者や職人の安全が徹底されているかを巡視します。
  • 品質管理・・・図面や仕様書通りに建設物が製作されているかのチェックや施工時の立会いをします。
  • 原価管理・・・重機や機材のレンタル、人件費に関わる単価や歩掛の管理などをします。

そのため、施工管理者は見積り、契約、施工、引渡し、支払、維持管理等などの情報を施工時の関係者(発注者、総合工事業者、専門工事業者、資機材販売業者等)に共有したりと業務の幅が広いです。
仕事内容と必要とされる人数の兼ね合いが大切な中、人手不足に悩む会社が多いと言われています。

建設業界の人手不足について

2021年の労働経済動向調査における産業別の労働者の過不足状況判断DIによると、建設業は医療・福祉や製造業以上に人手不足だとわかりました。
建設業においてオリンピック需要や民間工事の減少はあるものの、台風や地震、洪水などによる公共工事の修復などの需要は増加しています。
一方で、建設業の技能者の約3割は55歳以上と高齢化しており、「きつい、汚い、危険」の「3K」という悪いイメージがあることから若者や女性の入職者不足が課題になっています。
技能者の処遇改善から人材確保と人材育成に国土交通省や厚生労働省は力を入れており、建設産業のデジタル化やスマート化も推進しています。
建設キャリアアップシステムの普及から、やりがいのある職場環境作りにも注力しています。

建設キャリアアップシステムとは?技能者・事業者におけるメリットや料金についても解説!

まとめ

建設業全体における人材不足の観点から施工管理者は未経験者でも採用のニーズがあるという紹介をしました。
企業にとってもメリットとデメリットがある中、転職を考える人にとっては不安や注意点についても認識できたと思います。
未経験から入社し、多くのことを学ぶという習慣をつけることで、その後も施工管理技士や技術士といった資格取得を目指しやすくなるでしょう。
他にもVRやARといった機器やタブレットを使用した施工現場での活躍など、新しいIT機器を使用していける環境に対して興味を持つ人もいるかもしれません。
多くの企業が施工管理者を募集していますので、自身にあった現場へ転職できるようにまずは情報を集めてみるのがおすすめです。

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