エネルギー管理士の難易度とは?合格率や試験内容、将来性まで解説!

電気やガスなどのエネルギーは有限資源です。
日本ではエネルギーを生産するための資源は、他国からの輸入に多くを頼っています。

そのためエネルギーマネジメントが、非常に大きな役割を果たしています。

本記事ではエネルギー管理士の資格について、資格の内容とその難易度について解説しています。
エネルギー管理士の資格を取得しようとしている方も、これからエネルギー事業に転職を検討している方にもご参考頂ければと思います。

エネルギー管理士とは


エネルギー管理士とは、消費されるエネルギーを適切に管理する資格です。

エネルギー資源の少ない我が国では、限られたエネルギーを無駄なく効率よく使用しなければなりません。
過去には災害や国際情勢などのさまざまな影響から、ライフラインが切迫する状況に追い込まれる事もありました。

そうした背景から、エネルギー使用に関するマネジメントが必要になり、管理調整を行うのがエネルギー管理士の資格です。

エネルギー管理士の活躍する場所

燃料や電気消費量が特に多い工場における、エネルギーの使用量を管理し改善するのがエネルギー管理士です。
そのため省エネ法の定める指定工場のうち、特にエネルギー消費の多い「製造業」「鉱業」「電気供給業」「ガス供給業」「熱供給業」の5業種ではエネルギー管理士を置くことが義務付けられています。

上記のようなエネルギー消費の多い工場やプラントでは、管理士の選任が必要である事からエネルギー管理士という資格は非常に活躍します。

エネルギー管理士の将来性

電気事業分野では太陽光発電や、再生可能エネルギーなどの新分野についてもエネルギー管理士への期待が高いです。
またエネルギー需要に対し供給出来るエネルギーの確保が、今後急激に変わることは考えにくい事からエネルギー管理士の需要は高いまま推移すると考えられます。

エネルギー管理士の年収

平均年収は約700万円前後です。これは非常に高い年収といえます。
しかし勤めている会社やプラントによって、差がありますので注意は必要です。

とはいえエネルギー管理士は業界内でも非常に評価の高い資格であるため、年収についても高水準で推移するでしょう。

エネルギー管理士に向いている人

まずエネルギー管理士は熱分野と電気分野という2分野から構成されています。
そのため理工系の知識を有している必要があります。

また免状は国家試験に合格してから、1年間の実務経験を証明することで発行されます。
実務経験が必須の資格であるため、実際に業務に就いていなければ免状は交付されません。

ですから電気事業などのエネルギー事業に勤めているか、もしくは転職を検討しているような方には適した資格といえるでしょう。

エネルギー管理士の試験内容とは


エネルギー管理士の資格は、国家資格です。
省エネ法の改正前は、熱管理士と電気管理士の2つの資格に分けられていました。

しかし法改正後エネルギー資源の管理として、エネルギー管理士として集約されました。

資格を取得するには、試験に合格し1年の実務経験を積んで免状の交付を受けるというのが一般的ですが、エネルギー管理士の研修を受講してから3年以上の実務経験を積むことで、認定を受けることで免状を取得することもできます。

エネルギー管理士は取得するべき?

この資格はまだ新しい資格ですが、日本のエネルギー事情を考えるとこの資格取得者の優位性はかなり高いです。
しかも業界内でも期待度も高く、さらには経費削減などの観点からのエネルギーマネジメントとしてコンサルティングを行うなど、資格を活用した発展性も高い資格です。

取得を検討している方は挑戦して欲しい資格です。

試験内容

共通科目の他に、「熱分野」「電気分野」のいずれかの分野を選択します。

    共通科目
    ・エネルギー総合管理及び法規

    熱分野
    ・熱と流体の流れの基礎
    ・熱利用設備及びその管理
    ・燃料と燃焼

    電気分野
    ・電気設備及び機器
    ・電力応用
    ・電気の基礎

熱分野・電気分野の選択はどちらを選んでも、合格後の資格に差はありません。
また実務経験が3年以上あれば、7日間の認定研修として「エネルギー管理研修」を受講し修める事により資格を取得することも可能です。

難易度と合格率

試験での資格取得の場合、合格率は20%代で推移している為、難易度は高めです。
しかし認定研修での終了試験においては、研修中にポイント解説があるため50%程度まで合格率が上がります。

試験合格の目安となる点数は、6割以上の正解が合格ラインとなります。

試験対策

試験対策としては、やはり過去問題をしっかり解けるようになる事が重要です。
やはり国家試験ですので過去の問題とよく似た出題がされる傾向があります。

しかし過去問題だけをやり込んでしまうと、答えを丸暗記してしまうことがありますが、応用できなければ解答に辿り着けないので注意が必要です。
また、熱分野・電気分野とどちらの分野で挑戦するかも重要になります。

自分に合った分野の選択の見極めが重要になるでしょう。なお、講座を受講し勉強するという手段もあります。

試験の特徴

熱分野では、熱力学や流体工学についての知識が問われます。
また燃料と燃焼の管理や、熱計測コントロールや関連設備について出題されます。

電気分野では工場配電や照明、空調や電動力応用などの計算問題も出題されます。
また電気理論や電子理論などの計算問題も出題されます。

このことから、どちらの分野で挑戦するかの選択が重要になります。

実務経験を3年積んで、研修を受けて資格を取得するという手段もありますのでどちらの方法で取得するか検討しましょう。

まとめ


日本のエネルギー資源に対する危機感は増大しています。
そのためエネルギー管理士の果たすべき役割は、今後も大きくなることでしょう。
太陽光発電やZEB・ZEHなど、ゼロエネルギーや再生可能エネルギーの実用化など将来的にもエネルギー管理士の活躍に期待は高まります。

難易度としては低くない資格ですが、将来性を考えるならばぜひ取得したい資格です。
エネルギー産業に転職を考えている方や、現在就いている方には取得をおすすめしたい資格になります。

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