電気関連の仕事をしている人ならば、誰もが欲しい資格があります。
それは「電気主任技術者」の資格です。
電気主任技術者試験の略称で「電験」とも呼ばれます。
本記事では電気主任技術者の資格解説とともに、資格を取得する為の試験難易度などについてお伝えします。
また電気主任技術者の種類別年収や仕事内容なども解説しておりますので、ぜひご参考ください。
電気主任技術者とは
電気主任技術者とは、電気のプロフェッショナルであることを示す資格です。
電気工作物の工事や、保安・維持管理・運用をすることができ、主に電気設備の保安業務をする資格です。
例えば発電所や変電所、またはビルなどの電気設備の保安管理や維持運用に係る点検業務などを行います。
電気事業法第45条により、電気工作物を設置している事業所は、電気主任技術者を選任しなくてはならないと定められています。
電気主任技術者には第一種から第三種まで種別があり、それぞれ扱う電圧が異なります。
一般的なビルや工場などは電圧5万ボルト未満です。
私たちの生活圏内の建物では、第三種電気主任技術者の需要が最も多くなります。
17万ボルト未満の電気設備がある建物は、中規模なプラントや大型のビルです。
大規模製鉄所や変電所などでの作業では、第二種電気主任技術者が必要になります。
超高圧の大規模発電所や変電所、大規模プラントや鉄道など全ての電気工作物での保安作業が可能になります。
仕事内容について
主な業務内容は「点検」「清掃」「故障対応」です。
それぞれについて簡単に解説します。
電気設備の点検作業
電気設備の点検作業は、電気主任技術者の最も重要な仕事のひとつです。
設備の月次点検や年次点検など、維持管理や運用に関わる大事な業務です。
電圧や電流の計測と記録を行い、絶縁抵抗試験をします。
漏電や感電事故を未然に防止する為の、非常に重要な試験です。
そして配線の接続部の確認を行い、ネジなどに緩みがないかチェックします。
接続部においてはネジの緩みがあった場合、停電やアークの発生による火災など重大な事故につながる可能性があるため、欠かせない点検となります。
また緊急時に使用される非常用電源である、発電機設備の点検も重要です。
非常電源の点検は主に始動点検を行います。
電気設備の清掃作業
清掃は点検と併せて行うことが多い作業です。
電気設備とその周辺の清掃を行います。
電気回路に埃などの異物が接触することによる、短絡などの異常や故障を防止します。
この作業を丁寧に行うことにより、電気設備の劣化を防止し安全な運用に貢献するとても重要な作業となります。
電気設備の故障対応
電気主任技術者は管理している電気設備のトラブル対応も行います。
電気設備にトラブルが発生した場合、速やかにトラブルの原因を究明し専門の電気工事施工店を手配し修理対応します。
さらに施工時は修理作業の管理監督者として、現場に立会い監督として工事監理をします。
年収について
電気主任技術者の平均年収についてお伝えします。
第三種電気主任技術者
電験三種の平均年収は400万円〜500万円です。
しかし注意して頂きたい事として、経験年数がある程度あり熟練に近い場合であるという事です。
経験が浅い場合は、350万円〜400万円となる場合もあります。
第二種電気主任技術者
電験二種の平均年収は500万円〜600万円です。
実務経験を積んでいるため、年収も上がってきます。
勤める企業によっては平均以上の年収を獲得できることも多いようです。
第一種電気主任技術者
電験一種の平均年収は600万円〜700万円と非常に高くなります。
日本人の平均年収に比べ、かなり高額な年収となることがわかります。
さらに1000万円を超える非公開求人もありますので、高額な年収を獲得することも可能になります。
受験資格について
電気主任技術者の受験資格とそれぞれの難易度について解説します。
ちなみに電気主任技術者の免状交付については、試験合格とは別に認定制度による免状取得が可能です。
この場合それぞれ必要となる実務経験を証明する必要があります。
また認定校卒業者であっても、所定の単位を習得していない場合、不足単位に該当する試験の科目合格が必要になります。
認定制度で資格を取得する際に必要な実務経験年数については以下のようになります。
第三種 | 第二種 | 第一種 | |
大学 | 1年以上 | 3年以上 | 5年以上 |
短大または高専 | 2年以上 | 5年以上 | 認定不可 |
高校 | 3年以上 | 認定不可 | 認定不可 |
免状認定 | ー | 第三種取得後5年以上 | 第二種取得後5年以上 |
(※通商産業大臣の認定を受けたもので電気工学に関する学科を修めている場合に限る。)
第三種電気主任技術者
新規受験の場合、制限はなく誰でも受験することができます。
前年度及び前々年度の一部科目の合格者は科目受験をすることができます。
電気主任技術者試験では、科目合格を2年持ち越すことが可能です。
認定による免状交付を申請する場合、認定校卒業時に不足している単位にあたる科目試験の合格が必要になります。
合格率と難易度
全科目合格率は8%〜9%程度とかなり難易度が高いです。
しかし科目合格率では30%前後となります。
電気主任技術者試験では科目合格を2年持ち越すことが可能なため、3年で4科目合格すれば資格取得可能になります。
第二種電気主任技術者
新規受験の場合、制限はなく誰でも受験することができます。
前年度及び前々年度の一部科目の合格者は科目受験をすることができます。
電気主任技術者試験では、科目合格を2年持ち越すことが可能です。
第二種電気主任技術者と第一種電気主任技術者試験では一次試験と二次試験が実施されます。前年度の一次試験合格者については、次年度試験に限り免除されます。
認定による免状交付を申請する場合、認定校卒業時に不足している単位にあたる科目試験の合格が必要になります。
所定の実務経験証明書で経験履歴を申請します。
認定されれば免状が交付されます。
合格率と難易度
一次試験の合格率は20%〜30%弱です。
しかし科目合格率が50%程度である事を考えると、やはり科目合格制度で3年かけて合格していると考えられます。
二次試験の合格率は10%〜20%です。
さらに一次試験免除者の割合が約半数である事から、一度で合格することは難しいと言えます。
難易度はかなり高いです。
第一種電気主任技術者
新規受験の場合、制限はなく誰でも受験することができます。
前年度及び前々年度の一部科目の合格者は科目受験をすることができます。
電気主任技術者試験では、科目合格を2年持ち越すことが可能です。
第二種電気主任技術者と第一種電気主任技術者試験では一次試験と二次試験が実施されます。前年度の一次試験合格者については、次年度試験に限り免除されます。
認定による免状交付を申請する場合、認定校卒業時に不足している単位にあたる科目試験の合格が必要になります。
所定の実務経験証明書で経験履歴を申請します。
認定されれば免状が交付されます。
合格率と難易度
一次試験での合格率は平均20%です。
二次試験を含む最終合格率は平均5%以下となります。
非常に難易度の高い資格試験となっております。
毎年合格者が数十人程度しかない高難度の試験であり、合格者は「神」と呼ばれることもあるようです。
まとめ
電気に関わる仕事をしている方ならば、おそらく電気主任技術者の資格取得を考えている方もおられるでしょう。
電気のプロフェッショナルであるという主任技術者の資格は、業界関係者では周知の事実です。
電験一種のような高難度の資格にいきなり挑戦するのではなく、段階的にステップアップする事で着実に進むことが出来る資格でもあります。
まずは第三種電気主任技術者の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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