施工管理や現場監督の仕事は休みが少ないというイメージがあると思います。
施工管理の休日が少なくなる理由や、実態についてお伝えします。
これから施工管理を目指そうとお考えの方や、転職をお考えの方にご参考いただける記事となっていますので是非最後までご覧ください。
施工管理の労働時間と休日の実態とは
まず施工管理の休日の実態についてお伝えします。
施工管理の休日や労働時間は、担当している現場の状況によって変動します。
なぜなら現場によって工事の進捗に合わせて資材を納入したり工程を調整したりしますが、資材の搬入が遅れたり工事の人手の確保が間に合わなかったりと様々なイレギュラーが発生するためです。
そうした状況によって労働時間は変わるというのが実態です。
休日が少ない理由
施工管理における休日が少なくなる理由についてお伝えします。
人手不足
建設業での就業者数は1997年がピークで685万人でした。
しかし以降徐々に減少し2018年には503万人まで減少しています。
現在では高齢者も多く、今後も減少傾向は継続する見込みとなっており深刻な人手不足である状況です。
人手不足によって一人あたりの仕事量は増えるため、労働時間が増えたり休日出勤などで対応しているといった状況です。
工事スケジュールの遅れ
工事のスケジュールに遅れが発生すると、納期に間に合わせるため遅れを取り戻す対応をしなければなりません。
設計上のミスや工事人員の不足など様々な理由によって、工事に遅れが生じることはどうしてもあります。
その遅れを取り戻すために、施工管理は人員の確保や図面の修正をしたりと普段よりも業務が増加します。
そのため工期に遅れが発生すると業務時間は長くなり休みが取れない状況になります。
仕事の絶対量が多い
施工管理の仕事はそもそも絶対量が非常に多いです。
正直なところ無限と言って良いほどに、膨大な量の仕事があります。
施工管理は現場の管理だけでなく工程・品質・安全・コストまで全ての管理が必要です。
そのため安全管理のため施工現場の管理を行い、工程を管理するための調整を行い、品質を管理するための検査を行い、コストを管理するための計算を行う事になります。
現場が終わった後も、事務処理のデスクワークも膨大な量になるのです。
年間休日の目安3つ
施工管理の年間休日の目安としては、厚生労働省の就労条件総合調査による平均休日数から参照し、さらに実際に取得可能な休日の目安をお伝えします。
平均日数の場合
2020年に発表された就労条件総合調査では、建設業の平均休日数は109. 9日です。
働き方改革が本格的に導入されるより以前の集計ではありますが、休日を増加させようとしている動きが見られます。
出典:厚生労働省 2020年就労条件総合調査
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaiyou01.pdf
最低日数の場合
年間休日の最低日数での目安は「105日」になります。
労働基準法での1日あたりの労働時間は8時間、1週間では40時間までとなりますのでそこから単純計算で算出します。
1年52週に40時間を乗じて2,080時間の労働時間となりますので、1日あたりの8時間で除すると260日となります。
365日から260日を減じた105日が最低限の目安となる日数となります。
ちなみに105日は、1年間の土日を引いた日数と同じになります。
125日の場合
1年間に土日と重複しない祝日が約15日あります。
最低日数の105日にこれを加え、さらに年末年始やお盆などの夏季・冬季の休暇を設けて125日としている企業が一般的です。
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施工管理の休日を改善するために
〜今後の改善について〜
日本建設業連合会では、建設現場における週休2日制の導入を2021年末までに定着させる取り組みを実施しています。
基本フレームとして土曜日曜の週休2日とし、本社・支店含む全ての現場を対象にして2021年度末までに4週8閉所の実現を目指すものです。
特に日給月給の技能者の所得を確保したり、適正工期の設定を行うという基本的な事ではありますが、休日を取得するために非常に適切な対策が盛り込まれています。
行動基本方針
- 週休2日を2021年度までに定着させる
- 建設サービスは週休2日で提供する
- 週休2日は、土日閉所を原則とする
- 日給月給の技能者の総収入を減らさない
- 適正工期の設定を徹底する
- 必要な経費は請負代金に反映させる
- 生産性をより一層向上させる
- 建設企業が覚悟を決めて一斉に取り組む
- 企業ごとの行動計画を作り、フォローアップを行う
このように今後の建設業界を明るいものにしようという取り組みも様々行われております。
特に建設業界で一部だけが変わろうとしてもあまり意味がないという事から、覚悟を決めて一斉に取り組むという内容からは本気度が伺えるのではないでしょうか。
生産性を向上させるにあたり、IoTやICT技術を導入する企業も増加しました。
今後そのような取り組みは一層増加する傾向にあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。施工管理という仕事はかつて非常に辛い苦しい仕事だと言われていました。しかし未だそのイメージが定着しているのではないかと感じます。
実際筆者は電気サブコンの施工管理をしていますが、以前のような働き方ではありません。
もちろん工期が遅れることがあれば、残業や休日出勤もありますが常態化していません。
業界全体でしっかり休みを取れるよう、大手の現場でも完全週休2日の導入も当たり前になりつつあります。
作業員や施工管理の仕事量が少しでも減るよう、タブレットやシステムを導入しIT化も促進しています。今後益々IoTやICTの技術を取り入れていく事になるでしょう。
これからの建設業界は以前と大きく変わり、もっと働きやすい環境になることと思います。
これから施工管理を目指す方は、安心して働ける環境になることでしょう。
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