電気主任技術者とは?電気工事士との違いや仕事内容、資格取得メリットも解説!

事業用の電気設備の管理・保安や電気工事の現場監督をするには「電気主任技術者を選任しなければならいない」と電気事業法の第43条により定められています。
国家資格である電気主任技術者は電気のプロとして、施設やエネルギー開発企業に欠かせない存在です。

そんな電気主任技術者には3つの種類があり、本記事では種類別の解説や仕事内容、電気工事士との違い、転職事例についても紹介します。

電気主任技術者の種類

電気主任技術者の種類は3つあり、それぞれ取り扱いができる事業用電気工作物の条件が変わります。
一般財団法人電気技術者試験センターの発表を元に毎年の受験者数や合格率を紹介し、それぞれの違いについて説明します。

第三種電気主任技術者(電験三種)

事業用電気工作物の中で電圧が5万ボルト未満までのものを取り扱うことができる資格です。
ただし、出力5千キロワット以上の発電所は除きます。

電験一種・二種と比べて取り扱いができる範囲が狭いように思えますが、国内の電気設備の多くをカバーできる資格です。
電験三種の資格試験の受験者数は毎年4万人近くに上り、合格率は12%ほどです。

第二種電気主任技術者(電験二種)

事業用電気工作物の中で電圧が17万ボルト未満までのものを取り扱うことができる資格です。
電験二種の資格試験の受験者数は1次試験が7千人ほどで合格率は36%、二次試験は合格率26%ほどです。

第一種電気主任技術者(電験一種)

事業用電気工作物の全てを取り扱うことができる資格で、電気主任技術者の中でも最も専門性が高く高度な資格です。
電験一種の資格試験の受験者数は1次試験が2千人ほどで合格率は25%、二次試験は合格率17%ほどです。

電気主任技術者の仕事内容について

電気主任技術者が対象とする機器といえば、発電設備、変電設備、送電設備、配電設備、給電設備と幅広いです。
主な仕事は以下の通りです。

  • 電気機械器具・付帯設備などの設計
  • 設計図面を元にした機器の据え付け・組立工事や配線工事
  • 工事後の電気設備機器の性能検査

以下ではより具体的な仕事内容を説明します。

施設の電気工事業務

大きな商業施設や区役所などの公共施設の電気工事会社において、電気設備工事一式を請け負う場合があります。
施設内全般の電気設備工事を請け負うことで、設計から機器の据え付けを担うことで上流から下流までのワンストップサービスを提供するという特徴が挙げられます。

エネルギー関連の工事業務

電気主任技術者は太陽光発電や変電所といった再生エネルギー関係に関わる仕事があります。
再生エネルギーは日本でも注目が集められていることから、新規設置工事や既存の発電設備の保守点検が求められています。
工事場所は地方も多いことから各地で出張を前提とした働き方が求められ、特別高圧発電などの高度な施設で業務を行える可能性もあります。

電気主任技術者と電気工事士の違い

電気に関する国家資格は電気主任技術者と電気工事士がありますが、両者の違いを具体的に説明します。

扱える電気工作物の違い

電気事業法において事業用電気工作物を設置する場合は、電気主任技術者を選任する必要があります。
一方、電気工事士法において専任されるのが電気工事士の資格がある者です。

電気工事士の資格があると、最大電力500キロワット未満の需要設備、一般用電気工作物に関する電気工事の作業ができます。
つまり、一般的な電気工作物に関する工事は電気工事士が担うことができ、大きな電気工作物の工事は電気主任技術者でないと担うことができません。

より専門的なのが電気主任技術者だと言えるでしょう。

資格の難易度

電気工事士の資格試験の方が簡単で、受験者の半数近くが合格する年もあります。
電気主任技術者の試験は二種以上は二次試験があり、科目数も4つと範囲が広いです。
電気工事士の試験は四肢択一のマークシート方式で、技能試験もありますが出題候補となる問題が事前に明かされるため勉強がしやすい傾向があります。

電気主任技術者の方が資格取得難易度は高いです。

電気主任技術者のメリット

電気主任技術者の資格取得によるメリットを説明します。

信頼につながる

電気設備工事は新しい施設や発電所のメンテナンスなど需要が欠かせない仕事であり、日本は2030年度までに「エネルギーミックス」の達成を掲げています。
そのため、今後も需要が高く、将来性があるのがメリットと言え、手に職を付けて長く働きたい人におすすめできる仕事です。

電気主任技術者の資格があることで、こうした仕事における行政への各種届出や取引先との折衝業務にも活用できます。
知識を活かして業務を担うことができ、取引先からの信頼にもつながります。

業務の幅が広がる

発電設備施設は山の中や地方にダム・水力発電所、太陽光発電システムがある場合が多く、一か所にとどまらず各地で仕事をしたい人は電気主任技術者に向いています。
その際の出張費用は会社が負担するだけでなく、短期・長期の出張でそれぞれ手当がつく場合があります。

担当する工事の幅を広げるためにも資格があると良いでしょう。

資格手当がある

電気主任技術者の資格があると手当が支給される企業がほとんどです。
第一種は月額20,000〜80,000円、第二種は15,000〜20,000円、第三種は月額5,000〜10,000円ほどの手当があります。

また、それぞれの資格取得にあたって報奨金として20万円以上が支給される企業もあるため、三種取得後も勉学に励むのがおすすめです。

電気主任技術者の資格を活かした転職事例

国土交通省が実施した「電気通信関係技術者賃金実態調査」の結果により、賃金に関する内容が検討されました。
それにより、電気通信関係技術者の全職種において平均0.7%の賃金が引き上げられるという背景があり、電気主任技術者が転職先として選ばれることも増えました。

具体的な転職事例について見ていきましょう。

経験できる仕事の幅が広がった

第1種電気主任技術者の資格を取得することで、大規模な施設やエネルギー施設で働ける企業に転職できたという事例があります。
大きな現場で働けることでやりがいにもつながり、給与もアップするようです。

また、高度な資格を持っているとより専門的な業務を任されることも多いため、幅広い経験を積めるようになります。

働き方が選べるようになった

派遣の形態をとる電気主任技術者は各地に配属されることが多く、一つの土地で安定して働くことができません。
そうした働き方を改善するため、一つの会社のみで常勤して働くようになったという転職事例があります。

電気主任技術者の資格があることで設計などの内勤や電車圏内の場所への保守点検を任されるようになり、出張が無くなったことで家族との時間や自身の時間を多く持てるようになるでしょう。

電気主任技術者になるためには

電気主任技術者は未経験の採用もありますが、第三種以上の電気主任技術者が求められる場合が多いです。
これは企業としてもある程度専門的な知識がある人の方が業務がスムーズに行えるためです。
電気主任技術者になるためには、まず第三種電気主任技術者の資格取得を目指す方が良いでしょう。

まとめ

電気主任技術者の年収は400〜600万円ほどですが、高度な資格を徐々に取得していくことで年収が上がっていきます。
また、今後も需要が高い仕事ですので積極的に業務にあたることができる人も多いでしょう。
まずは電気主任技術者の三種はどういった資格なのかを確認してみたり、具体的な仕事について調べてみるのもおすすめです。

▼そのほか電気主任技術者に関する記事はこちら▼
電気主任技術者の年収はどのくらい?種別毎の年収や仕事内容ついて解説!

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