施工管理の仕事内容とは？必要なスキル、やりがいも分かりやすく解説！

建設工事に欠かせない存在である施工管理の仕事内容についてどのくらいご存知でしょうか。
今回は仕事内容を始め、施工管理と現場監督の違いや、仕事に必要なスキルなどについて解説します。

これから施工管理を目指す方にとってご参考いただける内容となっていますので、是非最後までご覧になってください。

施工管理について

施工管理とは建設現場において欠かせない重要な役割を果たしますが、建設工事はオーケストラに喩えられ施工管理は指揮者であると言われます。

専門技術者である職人に、いつどんな作業を行うか、また仕上げや工法などの指揮をするのが施工管理です。

施工管理と現場監督の違い

施工管理と似た職種に現場監督がありますが、これらは似て非なる職種です。

現場監督とは現場の管理監督が主な業務で、作業技術者への作業指示と工程の進捗管理などがメインの業務となります。
一方で施工管理とは工事に係る、工程や原価や安全など全てにおいて管理し、関係各所への届出書類の作成もしなければなりません。

施工管理の平均年収

施工管理の平均年収は約440万円です。一般的な会社員の平均年収に比べて高めです。
また施工管理は資格やキャリアで年収がさらに高くなります。

企業の規模や携わる工事規模などにより差がありますが、大手の企業においては1,000万円以上の年収獲得も可能です。

施工管理の男女比

工事現場における女性の進出も進んでいますが、施工管理における女性割合は5％程度になります。
まだ女性比率は低いと言えます。

女性の視点は男性と違い細部にまで配慮する傾向があり、各企業においても積極的に女性の施工管理の採用を進めています。

施工管理の仕事内容【4大管理】とは

施工管理の具体的な仕事として、特に重要になる管理項目を4つご紹介します。

工程管理

建設工事のスケジュール管理のことです。
作業人員の確保や重機の手配、資材の調達や必要な届出書類提出などがあります。
また工事が予定通りに進んでいるか、遅れはないかなどのチェックを行います。

安全管理

建設作業にあたる作業員の安全を守る事や、現場周辺の近隣住民などの安全確保、隣接道路への安全確保などになります。
作業にあたって危険区画では看板を設置したり、保護区画を行ったり手すりを設置します。

また現場での整理整頓を徹底し、安全な通路の確保も重要になります。

品質管理

建設工事に使用する資材の寸法や品質が、仕様書通りの規格を満たしているか管理するという業務です。
また工事の仕上がりが図面通りの仕上がりとなっているか、工事品質の管理も重要な業務となります。

原価管理

工事が予算計画に沿って進んでいるか管理することです。
予算を管理し企業の利益を確保しなければ、会社の採算が合わず赤字となります。
適正な原価と経費を管理し、工程通りに建設工事を完成するために重要な業務となります。

施工管理の仕事内容（職種ごと）

建設工事には様々な専門職が存在し、それぞれの専門技術を持っています。
それらの専門技術を結集して建築物は完成しています。

そのため施工管理においても、工事種別ごとに専門的な知識と技術が必要になります。

建築工事の施工管理

建築工事においては、木工事や造作工事をはじめ仮設工事など多岐に渡る工事の管理を行います。
また住宅建築においては、新築だけでなくリフォームなどの改修工事についても管理を行いますので、様々な知識と技術が必要になります。
近年ではZEHなどエネルギー資源の運用も視野に入れた建築が盛んですので、非常に幅広い知識が要求される仕事になります。

電気設備の施工管理

電気設備工事における施工管理では、電気の引き込みや屋内配線工事はもちろん、高圧電気設備の工事など電気に関する専門的な知識を必要とする工事の管理を行います。

戸建てやマンションなどの住宅における、屋内配線の工事や高圧受電設備の工事などに係る資材やコストなどを管理します。
近年の電気設備は通信技術の進化やIT化の流れによって技術革新が進んでおり、常に新たな技術と製品がリリースされる為アンテナを張っている必要があります。

土木工事の施工管理

土木工事での施工管理では、道路工事などの舗装や住宅外構工事など専門性もですが公共性の高い仕事を管理することになります。
高速道路の舗装工事や公共工事の土木工事など、関係各所への届出書類の作成や図面作成など、工事の進捗管理の他にデスクワークでの仕事も多くなります。

配管設備の施工管理

配管工事は電気と同じ設備工事に分類されますが、換気や空調などのダクト配管工事に加えて上下水道などの配管設備など多岐に渡る工事種別があります。
一般住宅はもちろんビルやテナント、公共施設など様々な施設での工事を管理します。

配管設備においても技術革新が非常に進んでおり、常に新たな技術と製品が更新されており注目度の高い仕事になります。

施工管理の転職成功事例

施工管理は未経験からできる仕事ですが、経験を積んだキャリアと実績のある施工管理はどこの企業でも欲しい人材となります。
転職に対しても経験者は有利になります。

施工管理から施工管理

例えば建築施工管理から電気設備の施工管理に転職する、または建築会社の施工管理からゼネコンへ転職するなどが可能になります。
実務経験を積んでいる事に加え施工管理技士の資格を取得していると、さらに転職市場での価値がアップします。

施工管理から工事監理

施工管理技士の資格には1級と2級がありますが、1級資格を取得すると工事監理として現場の監理技術者となる事が可能になります。
施工管理技士としてのキャリアと実績を積んだ後、1級の資格を取得すると工事監理として大きな規模の現場で活躍することができる為、大手企業への転職に役に立つようになります。

施工管理の仕事に必要なスキルについて

施工管理の仕事をする上で、必要なスキルをご紹介します。

・専門知識

工事種別ごとの専門的な知識の学習は必須です。
また建設工事は様々な専門職が技術を結集させて作り上げるものですので、関連する職種との連携も必要になります。

そのため関連する技術者たちとの連携のためには自分の専門外の事であっても知識が必要になります。

・コミュニケーション能力

施工管理の必須スキルとなるのが、コミュニケーション能力です。
幅広い専門職が関わり合い、連携し協力するのが建設工事です。そのため施工管理は関係各社との連携役となりますので、コミュニケーションが重要になります。

・スケジュール管理能力

工事を完成させなければならない、決められた期間があります。
この工事期間に完成させるためのスケジュール管理をする能力が必要になります。

また不測の事態やイレギュラーが発生した場合、リカバリーする為のスケジュール管理能力が非常に重要になります。

・危機管理能力

現場での安全を管理するためには、この危機管理能力が必要になります。
どこに危険が潜んでいるか、どんな危険性があるか、回避するためには何が必要であるかを察知し行動することで安全な現場になります。
現場の作業員や周囲の人の安全を守る仕事である施工管理には、この危険を察知し回避するという能力は必須です。