二級建築士の合格率、難易度はどのくらい?一級建築士との比較や転職事例も紹介!

令和2年に建築士の受験資格が緩和されたことで、二級建築士にチャレンジする人も多いかと思います。
そのため、今回は二級建築士の試験の難易度や合格率などを紹介し、一級建築士との比較や転職事例についても紹介していきます。

二級建築士になるために

比較的に小規模な建築物における設計や工事監理を行える二級建築士は、毎年一定数の受験者がいます。
試験の概要や学科と製図試験ごとの合格率について紹介します。

試験について

2級建築士の学科試験は、100問を6時間で五肢択一式の回答をするという出題方式です。
3時間ずつ試験は分かれていますが、建築計画、建築法規、建築構造、建築施工の4つを各25問ずつ解く必要があるため、かなりボリュームのある試験内容となっています。

また、学科試験に合格しても5時間にわたる設計製図試験があるため気が抜けません。
あらかじめ発表される課題について自身で図面を描く必要があり、練習する時間の確保は必須となります。

二級建築士の受験資格は下図の通りです。
試験が受けられるかどうか、事前に確認しておきましょう。

引用)「受験資格」、建築技術教育普及センターホームページ
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/exam-qualifi-2kmk/index.html

総合的な合格率

建築技術教育普及センターの過去5年の試験結果データによると、二級建築士の総合的な合格率は22.5〜25.5%で推移しています。
令和3年は23.6%で、受験者数2.3万人に対して5千人ほどが合格しました。

学科試験の合格率

二級建築士の学科試験の合格率は36.6〜42.0%で推移しています。
令和3年は41.9%でした。
学科試験は4つの分野にわかれていて、回答時間も限られていることから知識だけでなく問題への慣れも必要です。
また、設計製図試験に進むためにも合格が必要になるため、毎年一定数の受験者がいます。

設計製図の合格率

二級建築士の製図試験の合格率は46.3〜54.9%で推移しています。
令和3年は48.6%で、課題は「歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)」でした。
事前に課題が発表されても時間内に描き上げるのは難しく、合格率が半分に達しないことから難易度が伺えます。

難易度

二級建築士の資格の難易度は、木造建築士や建設機械施工技士1級と同じくらいという見方があります。
必要となる勉強時間は700時間程とされていることから、簡単な資格ではないと言えるでしょう。

一級建築士と二級建築士の難易度比較

一級建築士の合格率は10%ほどであり、二級建築士の20%よりもさらに低い割合であるとわかります。
国家資格の中でも一級建築士は難関だとされており、二級建築士の試験に合格してもさらに勉強時間が必要となります。
二級建築士の試験で問題の傾向や製図試験の大変さを掴んだ上で、一級建築士に挑む人が多いです。

勉強方法について

二級建築士の試験に合格するには経験者でも500時間必要であることから、勉強方法をどうするかあらかじめ考えることも大切です。
独学を中心に勉強方法をいくつか紹介しますが、まずは過去問題の傾向や必要な知識を知るために「過去の試験問題等 建築技術教育普及センター」を見ておくと良いでしょう。

参考書を読む

二級建築士に出題される問題や専門用語は、建築に関わったことが無い人にとっては馴染みが薄いものが多いです。

そのため、初めて建築関係の勉強をする場合には、イラストや図・写真が多く紹介されている参考書を読むとイメージが湧いて良いでしょう。
問題集で分からない単語などを読み返すと定着しやすいです。

経験者の場合は、短時間で学べる参考書を選んだり、内容が頭に入ってきやすい本がおすすめです。
参考書はサラっと読み、問題集を中心に解いていく方が効率的です。

問題集を解く

二級建築士の試験問題の合格率を高めるにあたり、問題集を解くことは欠かせません。
参考書を読むだけでは、問題で問われている内容が理解しきれなかったり、似たような回答に迷ったりするためです。

また、限られた時間で詰まることなく問題が解けるように、回答時間を意識して取り組むと良いでしょう。
特に法規に関する問題は法規集から回答を探す必要があるため、正解がある場所を見つけるという手を動かしながら学ぶ必要性があります。

自分だけのノートを作る

参考書で重要だと思った単語や解説をノートにまとめたり、問題集で解けなかった問題を書き写しておくことでオリジナルのノートが作れます。
自分だけのノートを使えば、試験前に見返すことができ、重要な点や苦手な問題を見直すことができておすすめです。

また、建築施工の手順を図にして書いてみたり、建築構造の柱や梁などの仕組みについて絵にしてみたりと図形などを自由に描けるのもノートのメリットです。

スクール・通信

独学の勉強に不安があれば、仕事終わりに通いやすいスクールや、学習時間が自由に調整しやすい通信講座を利用すると良いでしょう。

特に製図試験は図面を描くためのコツを直接または動画で教わったり、完成した図面を添削してもらえるため効率的に学習ができます。
模擬試験を用意するものも多いため、1年で確実に二級建築士の資格を取得したい人には特におすすめです。

建築士での転職事例

二級建築士は住宅等の設計で必要とされる場合が多いですが、施工管理やその他の転職も踏まえて紹介していきます。
実際に転職する際には、転職サイトや転職エージェントを活用すると良いでしょう。

戸建て・住宅関連の設計

住宅設計や住宅メーカーに勤めることで、家の設計と施工に関わる施工管理を担うことができます。
図面作成はCADなどを使います。

また、各種申請書類なども必要であるため事務作業も多く、図面ができたら施工時に問題が無いか定期的に現場管理をし、着工までを見守ります。
自分で手掛けた図面が実物となっていく様子を見ることができるため、達成感が得やすい仕事です。

年収は400万円以上が多く、住宅設計の経験や施工管理の資格があると年収が上がる傾向があります。

BIM推進部

BIMを推進している部署の設計では、3Dモデリングを作ってそこから平面図や数量表などを作成していきます。

また、対象となる建物・構造物などの周辺地形をドローンなどで点群データを取得し、3Dモデリングと統合したりもします。
これにより、設計前の住民説明などにも活用が可能で施工後の維持・管理にも役立てるため、DXやAIといった最新の情報・機器類に対しても積極的な姿勢を持てると良いでしょう。

年収は450万円以上で、プロジェクトマネージャーなどの役職を担うと600万円以上の年収も見込めます。

プラントの設計・施工管理

石油や化学、食品や水処理といった各種プラントにおいて、基本設計や詳細設計から施工管理を担う業務への転職事例もあります。
プラントで扱う専門的な知識を学びながら、二級建築士としての知見を活かせる仕事です。

配管が行き交う工場の詳細を把握し、どういった設計が最適かを見極める他、施工時に配管や機器類が干渉しないかどうかも見極める必要があります。

年収は400万円以上が多く、海外で大規模石油プラントなどに勤務する場合は500万円以上となる場合もあります。

まとめ

二級建築士は500〜700時間の勉強時間が必要になる難しい資格で、一級建築士を目指す上でも欠かせません。
合格するには試験日までのスケジュール調整と共に、勉強する時間を確保していく必要があります。

そのため、仕事をしながら学習をする場合は、通勤時間や寝る前の少しの時間を利用したり、スクールや通信講座などを利用するのも方法の一つです。
また、二級建築士の資格は取得して終わりではなく、定期講習の受講により継続して資格取得の証明につながるため、学び続ける意欲が求められると覚えておきましょう。

自分に合った勉強法などを見つけてみてください。

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