電気工事施工管理技士の難易度や合格率は?受験資格やメリットについて解説!

電気工事のお仕事をされている方はもちろん、キャリアアップのために施工管理技士の資格を取得しようとお考えの方も多いのではないでしょうか。
電気工事業界で非常にニーズの高い施工管理技士資格について、受験資格や難易度について解説します。
電気工事施工管理技士には1級と2級があり、資格の違いや難易度の比較についてもお伝えします。
電気工事に必要な他の資格や取得メリットについても解説しますので、ぜひ最後までご覧になって下さい。

電気工事施工管理技士とは


電気工事施工管理技士とは、電気工事における現場を管理する資格です。
安全管理品質管理工程管理原価管理の4大管理項目を主に管理し、現場を滞りなく進める管理を担う役割となります。

1級と2級の資格の違いは主に管理できる現場規模の違いです。
管理する業務にはそれほど違いはありません。
資格による違いについてまとめると下の表のようになります。

1級電気工事施工管理技士 2級電気工事施工管理技士
一般建設業の営業所の専任技術者
現場ごとの主任技術者
特定建設業の営業所の専任技術者 ×
監理技術者 ×

2級電気工事施工管理技士について


2級電気工事施工管理技士の資格では、一般建設業の営業所における専任技術者・主任技術者として業務できる国家資格となります。

特定建設業における3,000万円以上の請負金額となる現場で必要となり、監理技術者の資格を受験することも可能になります。

2級電気工事施工管理技士の受験資格と実務経験

2級電気工事施工管理技士指定学科を履修している場合は、実務経験の必要年数が短くなります。
また電気主任技術者または第二種電気工事士の資格取得者であれば、1年以上の実務経験で受験可能となります。
第一種電気工事士の資格取得者は、既に一定の実務経験があると判断されるため実務経験の証明は必要ありません。
指定学科を履修した上で必要となる実務経験は以下の通りです。
括弧内は指定学科以外での履修による必要実務経験年数です。

  • 大学:卒業後1年以上(1年6ヶ月以上)
  • 短期大学または高専:卒業後2年以上(3年以上)
  • 高校:卒業後3年以上(4年6ヶ月以上)
  • その他:8年以上

2級電気工事施工管理技士の難易度・合格率

一次試験の合格率は50〜60%であり、二次試験では40〜50%程度の合格率となります。
全体としての合格率は25%程度となります。
合格基準としては一次試験は60%の正答率で合格とされます。
二次試験については全5問出題され全問解答し60%以上の正答率が必要であるとされています。

2級電気工事施工管理技士の試験内容

試験科目としては、電気工学電気設備施工計画法規関連分野の5分野から出題されます。
必須問題と選択問題があり、各分野で選択した問題に回答することができるため得意分野を選択することが可能になります。

二次試験については、経験した工事に関する工事名・施工場所と工事の内容・安全面や工程などから留意した事項・その対策などを記載する問題や、電気工事に関する用語などについて解説する記述形式の設問となります。

1級電気工事施工管理技士について


1級電気工事施工管理技士では、特定建設業の営業所における専任技術者・主任技術者として業務できる事に加え、監理技術者になれる資格です。

本来は別の資格となる監理技術者の資格ですが、1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると監理技術者の資格も一緒に取得する事になります。

2級電気工事施工管理技士の上位資格であるため、一般建設業の営業所における専任技術者・主任技術者となることも可能です。

1級電気工事施工管理技士受験資格と実務経験

2級電気工事施工管理技士資格を取得後5年以上電気主任技術者資格取得後6年以上の実務経験があれば受験可能となります。
また第一種電気工事士の資格取得者は2級電気工事施工管理技士と同様実務経験が不問とされます。

指定学科を履修している場合に必要な実務経験年数と、指定外学科での必要な実務経験は以下の通りとなります。

  • 大学:卒業後3年以上(4年6ヶ月以上)
  • 短期大学または高専:卒業後5年以上(7年6ヶ月以上)
  • 高校:卒業後10年以上(11年6ヶ月以上)
  • その他:15年以上

1級電気工事施工管理技士難易度・合格率

一次試験の合格率は40〜50%であり、二次試験では60〜70%程度の合格率となります。
全体を通しての合格率は、25%程度となります。
合格基準としては2級と同様、一次試験は60%の正答率で合格とされます。
二次試験については全5問出題され全問解答し60%以上の正答率が必要であるとされています。

1級電気工事施工管理技士試験内容

試験問題の基本的な内容については2級電気工事施工管理技士と同様で、一次試験では電気工学電気設備施工計画法規などについて出題されます。
また出題問題数が2級に比べて20問程度増加します。
二次試験についても、経験した工事に関する工事名・施工場所と工事の内容・安全面や工程などから留意した事項・その対策などを記載する記述形式の設問となります。

電気施工管理技士補資格について

電気施工管理技士補とは

2021年4月に建設業法の改正に伴い、施工管理の技術検定制度も見直され新たに設けられた資格です。
以前の試験制度では二次試験まで合格することでしか取得できなかった施工管理技士資格ですが、一次試験の合格者には技士補の資格が与えられる事になりました
これにより技士補資格取得者は二次試験の受験がいつでも可能になりました。

電気施工管理技士補で出来る仕事とは

1級施工管理技士補

主任技術者を取得している1級施工管理技士補は、監理技術者補佐として監理技術者の補佐を務める者として現場に専任で置かれる技術者となることができます。

これにより監理技術者はふたつの現場を兼任することが可能になります。
監理技術者の監督指導のもとであれば、施工計画の作成工程管理品質管理など監理技術者に求められる業務の補佐を行うことができます。

2級施工管理技士補

2級施工管理技師補については、明確に「この業務が行える」とした指定はありません。
しかし入札において有資格者所属数の評価点が上がります。

技師補を取得するメリット

キャリアアップはもちろんですが、一次試験合格者としての実績が明確になるためより責任ある仕事を任されやすくなります。

また二次試験の受験がいつでも出来るようになるため、二次試験に合格することで施工管理技士になることができます。
そのため転職する際でも施工管理としてのキャリアを提示することができるため、資格を取得することはメリットがあります。

電気工事施工管理技士の転職事例

電力系施工会社からキャリアアップ転職

電力会社系列の工事会社で施工管理として勤めていました。
自身のスキルアップのためにと思い、1級電気工事施工管理技士の資格を取得しました。
その後しばらく働いていて、今後の将来を考えた時にもっとキャリアアップしたいと考えるようになり転職エージェントに相談しながら転職活動をするようになりました。幸い1級電気工事施工管理技士を取得していたこともあり、大手企業に転職する事ができました。
高圧設備や特別高圧の設備工事を経験した施工管理を探していた事もあり、資格も取得していたことが決め手となったようです。

電気工事施工会社から施工管理へ転職

屋内配線や電気設備の工事会社で働いて、第一種電気工事士の資格を取得していました。
しかし工事現場で技術職としてでなく施工管理として働きたいと考えるようになりました。
工事施工会社では施工管理技士の資格を取得しても、活かせる仕事がないため転職を考えるようになりました。
エージェントとも相談し、転職活動する中で電気サブコンに転職することができました。第一種電気工事士の資格を取得していたため、1級電気工事施工管理技士の受験資格があることと、これまでの現場経験が評価されたとのことでした。
これから資格取得して施工管理として活躍していきたいと思います。

このように電気施工管理技士を活用した転職を行う方は多くいらっしゃいます。
現在の会社からステップアップしたい方や現在資格をお持ちの方は参考にされてみてはいかがでしょうか。

電験三種(第三種電気主任技術者)


電気工事の管理に関する資格として、電験三種があります。
電験三種とは第三種電気主任技術者の略称です。
発電所や変電所、またはマンションやビルなどの受変電設備などの電気設備の保安管理を行う資格です。
工事現場での管理監督と違い、設置された電気設備の保安監督を行う資格です。

電験三種の受験資格と実務経験

電験三種の受験には制限はなく、誰でも受験することができます。
さらに前年度及び前々年度の試験で合格した科目については、申請によって該当科目の免除が受けられます。

電験三種の難易度・合格率

電気主任技術者の資格は難易度が非常に高く、平均合格率は10%程度となります。
理論・電力・機械・法規の4科目での合格が必要ですが、科目ごとの合格を翌年に持ち越せる科目合格制度を使って3年かけて合格する長期的な戦略が有効になります。
合格基準としては、各科目ごとに60点以上で合格となります。

電験三種の試験内容

理論電力機械法規の4科目が出題されます。
理論では電気理論や電子理論について、電力では発電所・変電所の設計や送電線露や配電線路などの設計や運用などについて出題されます。
機械では電気機械やパワーエレクトロニクス、電動機や電気化学などや電力システムに関する情報伝送などから出題されます。
法規では電気保安に関する関係法令や、電気施設管理に関連する法令などから出題されます。

電験三種を取得するメリット

電気主任技術者を取得した施工管理技士では、一次試験に合格し技士補の資格を取得することで監理技術者補佐として活躍することが可能になります。

第一種電気工事士

第一種電気工事士の受験資格と実務経験

資格試験の受験には実務経験などの制限はなく、誰でも受験可能です。
しかし資格の交付を受けるためには3年以上の実務経験証明が必要です。
2021年4月以前は5年以上の実務経験証明が必要でしたが、2021年4月以降の申請では3年以上の実務経験証明で申請が可能になりました。

第一種電気工事士の難易度・合格率

筆記試験合格率は平均で50%程度で、また技能試験での平均合格率は60%程度で推移しています。
難易度としてはそれほど高くないと言えるでしょう。

第一種電気工事士の試験内容

筆記試験では四肢択一のマークシート方式による試験となります。
自家用電気工作物や一般電気工作物に関する電気工事に伴う、基礎理論・配電理論・配線設計・電気工事施工方法・検査方法・保安に関する法規などが出題されます。
技能試験では配線図や施工条件の通りに、簡単な配線工事を行います。

第一種電気工事士を取得するメリット

1級電気工事施工管理技士の受験に際して必要となる、実務経験が免除されます。
また企業によっては資格手当など収入アップにもなります。

まとめ


電気工事の現場では欠かすことのできない施工管理技士ですが、受験には実務経験が必要になります。
しかし施工管理者と監理技術者が不足している現状を改善するために、法改正によって技士補資格も制定されました。

第一種電気工事士や電気主任技術者の資格取得者の方は、1級電気工事施工管理技士の資格を取得される事をおすすめします。
またこれから施工管理技士となる事を考えている方は、まずは電気工事士や電気主任技術者の資格を取得することから始めることをおすすめします。

転職市場では電気工事業界では施工管理不足が深刻で、2級施工管理技士の資格を取得している人材でも欲しいという企業ばかりです。
また転職事例のように、1級施工管理技士の受験資格をもつことから第一種電気工事士の資格を取得している人材も転職成功しているケースが多くあります。
建設業界では施工管理の人材不足から、施工管理技士資格の補佐とした技士補資格の導入するほどの状況です。
特に1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると監理技術者として、現場の専任技術者となれることから非常に重宝されます。
受験には実務経験が必要ですが、キャリアアップするためには必須の資格です。
難易度は低くはありませんが、取得するメリットは高いでしょう。

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