建設業のイメージは全般的にきついイメージがあるようです。
中でも土木工事については、朝から晩まで外での仕事であることによりさらにきつい印象を持っている方が多いです。
実際、建設業の労働環境では3Kとも呼ばれているために世間のきついイメージが付きまといます。
そのような中で、現場の職人を管理する立場である土木施工管理では職人さんたちへの仕事の指示や工事全体の管理を行なっています。
また、工事進捗の確認や他の工種の担当者との打ち合わせも発生します。
土木施工管理とは
仕事内容
土木施工管理の仕事内容は、書類の管理から現場の施工管理、他工種の担当者との打ち合わせまで幅広いです。
施工に関する工程や施工計画を立てる場面では、現場にあった施工計画を立てながら工事工程を検討します。
加えて、協力業者の選定や駐車場の確保まで行う必要もあります。
実際に現場での作業ではなく、現場作業が始まる前から工事完了、書類など一式完成するまでが仕事です。
土木施工管理のきついところ
朝早くから夜遅くまでの勤務時間
土木施工管理のきついところは、朝早くから夜遅くまで仕事をすることがあることです。
実際に工事現場で朝の8時頃から作業をしている方々を見たことがありますよね。
土木施工管理の担当者はその職人さんたちと一緒に仕事をしているわけではありません。
施工管理担当とは別に職長を置いている場合では、土木施工管理担当は朝から現場作業に出ていないこともあります。
しかし、現場事務所や会社にて朝から作業をしています。
所々で現場のチェックも行いながら、現場作業が終わった後の書類の整理などもあるために現場の職人さんたちよりも遅くまで仕事をする必要があります。
ゼネコンから無茶な要望が日常的に出てくる
ゼネコンが元請けとなって工事契約をした物件において、下請けとなり土木施工管理の仕事をする時には、自社での元請けとなって仕事をする以上に作業が増えることがあります。
現場チェックや書類整理は同様に行いますが、ゼネコン側の体制や担当者によって書類の作り方や業務内容、現場での人付き合いまで大きく左右されることもありますので中間で仕事をする施工管理には大変なこともあります。
協力会社との調整が大変
土木の現場では1社で施工が完了することはほとんどありません。
自社だけで施工を終わらせることができるのであれば、他の会社や職人さんたちとの調整も簡単に済むでしょう。
建設業界では細かい工種ごとに会社や個人の方が分かれて働いていることが多いため、打ち合わせや段取りが多く発生します。
会社単位でまとめて契約することができれば個々の担当者と打ち合わせする労力と時間を節約することができます。
取引先と会社との間に挟まれる
建設業だけではなく、一般的な会社でも中間管理職は取引先と会社の間に挟まれて大変なポジションだと言われています。
土木工事では土木施工管理の担当者が中間管理職のポジションと言えます。
現場の職人と自社、元請け企業などとの間で調整を繰り返しながら現場を完成させていきますが、自社内での施工管理担当者へのサポート体制がしっかりしているなら問題なくこなせるでしょう。
給料が安くなりがち
土木施工管理の仕事はゼロから工事完了まで一貫して関わっていくことになります。
また、朝早くから夜遅くまで職人さんが仕事をすることもあるため、休みを取ることも難しいです。
その労力に比べて給料が安くなりがちです。
現場作業をしている職人さんたちの方が給料が高いこともあります。
施工管理の仕事を事務作業と捉えると、現場で仕事をしている方の給料が高いことは理解できます。
とはいえ、現場管理や書類整理までマルチにこなすため、もらう給料を増やしたいと考える方は多いでしょう。
土木施工管理のやりがい
ひとつの現場を管理すること
土木施工管理の担当として大きなやりがいは、ひとつの現場を自らが管理しているという事実です。
現場作業が稼働する前のゼロから工事完了後の書類整理までを一貫して行うため、自分が担当した工事だと意識が大きくなります。
自分の担当した物件を他の市民などが利用しているところを見ると誇りに思えて来るでしょう。
土木工事として完了した部分が目に見えるため、数年後にでも近くを通るたびに寄って現場での出来事を思い返すこともできます。
現場が完了した後の達成感がある
ゼロから自らが関わっていた工事現場では達成感が桁違いです。
ひとつの工種の作業を終わらせたことでも達成感が湧いてきますが、職人さんたちをひとつにまとめて工事現場を終わらせたときの達成感は特別なものです。
協力会社や元請け会社、自社の担当者などと工事完了後に慰労会のようなことはよくある話です。
初めから最後まで現場に関わっている職人やスポットで入ってくれた職人をまとめて完成させた達成感は大きいものでしょう。
地域への貢献が目に見える
特に土木工事では地域に根ざした工事が多いです。
道路や河川、港湾などの一般の方々のインフラとなるような施設の工事を担当することで地域に必要不可欠な存在になることができます。
道路やトンネルの開通式ではセレモニーと共に車などで通り抜けるのを待つ列ができることもあります。
また、子供達が危険なく通学や遊ぶことができるのもインフラが整っているからです。
工事中でも地域の方と身近に接する機会も多いため、地域への貢献を感じることができます。
人とのコミュニケーションを楽しめる
協力会社や元請け会社など、または工事ヤードの周りに住んでいる方々との調整や協議などはきつい仕事になります。
しかし、裏を返せばいろいろな人とコミュニケーションを取りながら工事を進める良い機会とも言えます。
普段の生活では相対しない方々とコミュニケーションをとっていくことは良い経験にもなりますので、インフラを担当する土木施工管理の仕事はやりがいを感じやすいです。
クレーマーのような方は少ないため、周囲の方との良好なコミュニケーションを取ることができます。
ゼロから完成までを見届けられる
雑草が生い茂っている土地や何もないところから完成まで一貫して土木施工管理として関わることができます。
また、ボロボロになった設備などを綺麗な状態に施工することもあります。
特に施工管理では工事前と完了後の写真などの管理も行うため、ゼロから完了までの軌跡を確認しやすいです。
一部の工種の工事を担当する際にもやりがいを感じることもありますが、全体を通して目に見える成果物があることでやりがいを感じるのではないでしょうか。
土木施工管理に向いている人・向いていない人
性格 | 仕事の進め方 | 好きなこと | |
こんな人に向いている | 細かい リーダーシップ 臨機応変 |
コツコツ 整然と作業する |
読書 チームスポーツ |
こんな人には向いていない | 大雑把 せっかち 内向的すぎる |
手っ取り早く ギャンブル性 |
ギャンブル 投機 |
こんな人が向いている
施工管理はコツコツと理路整然と仕事をこなせる人に向いています。
施工計画や工程を作成しながら、協力会社の職人とのやりとりのうまくこなす必要があります。
こんな人は不向きかも
一発で大きなことをしてやろうと思う人には、できない仕事ではないでしょうか。
土木工事では一瞬に作業を完了させることはできません。
段階を踏んで行くため、大雑把な方には難しいかもしれません。
できるだけきつくない職場で働く
労働環境の整ったゼネコンで働く
中堅から大手のゼネコンでは、有給休暇や時間外労働の削減、各種保険などの労働環境を整えていることが多くなっています。
労働環境が整えられていないと人材の採用でも遅れを取るため、企業であれば当然の流れにあります。
施工管理ができる人材が集まらなければ技術力があったとしても企業として多数の物件を受注することができなくなります。
それを利用して、ゼネコンで施工管理をすることによりブラック企業に当たらない確率をあげることができます。
上司のサポートがある職場
施工管理担当者は責任感が強く、工事現場が進んでいると休みづらいですが、施工管理担当者をサポートする体制があれば気兼ねなく休むこともできます。
上司が施工管理の仕事内容やその現場の内容を頭に入れている方なのか、労働環境を考えて管理している方なのかによっても大きく違ってきます。
最近ではパワハラなどの問題は企業にとって命取りになりかねないため、仕事を続けていく上で上司のサポートが得られるのかはチェックが必要です。
システムがしっかりしている
会社としてのシステムがしっかりしていることやITシステムが整っている会社が良いでしょう。
現場や会社の行き来などの無駄な移動を減らすことや担当者間でのファイルのやりとりを行うことで効率的な仕事環境を実現できます。
また、ITシステムが脆弱な会社では紙での作業も増えてしまうことやファイルのやりとりに苦労します。
現場と会社を行き来することも多い施工管理では無駄なく仕事ができる職場が一番重要です。
まとめ
建設業界の仕事はきついというイメージがあります。
土木施工管理でも同様のイメージを持たれている人が多いです。
実際、現場作業が始まる時の点検から作業後でも書類整理などで労働時間が長くなりがちです。
しかし、それにより土木施工管理として働く若い世代がいなくなってしまうことへの危機感から、ゼネコンや土木工事の中小企業でも労働環境の整備がなされてきています。
それに加えて、インフラ整備を仕事とする土木工事では、ゼロから完成まで現場に関わることができる土木施工管理の仕事にはやりがいがあります。
会社の職場環境を確認しながら仕事ができるのであればやりがいのある仕事です。
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