土木施工管理技士の資格を取得するためには、実務経験が必要です。
経験を積んだものでなければ資格を取得できない試験であるということは、それほど重要な役割がある資格であるということです。
そんな土木施工管理技士の受験資格について詳しく解説します。
土木施工管理技士の仕事内容とは
土木施工管理技士とは、国家資格である施工管理技士の資格のひとつで、土木工事の施工管理を行う仕事です。
道路工事をはじめとするライフラインの整備や、河川やトンネルなどのインフラの整備工事まで工事の内容はさまざまです。
施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者や監理技術者として活躍できます。
仕事内容
土木施工管理技士は民間工事の他に、インフラや公共性の高い事業における工事の施工管理を行います。
・道路工事:舗装工事・橋梁工事・トンネル工事・擁壁工事など
・鉄道工事:レール施設工事・駅舎工事・橋梁工事・トンネル工事・擁壁工事など
・河川工事:堤防工事・ダム工事・水門工事・水路工事など
・港湾工事:防波堤工事・防潮門工事・護岸工事など
・宅地開発工事:切土工事・盛土工事・上下水道工事・擁壁工事など
・災害復旧工事:被災で破損した建設物の撤去・修繕工事など
1級と2級の違い
2級土木施工管理技士の資格を取得すると、一般建設業の営業所における専任技術者、作業工程ごとの責任者としての主任技術者として従事できるようになります。
1級土木施工管理技士の資格を取得すると、2級の範囲に加えて特定建設業の営業所における専任技術者、作業現場における監理技術者として従事することができます。
違いとしては、従事できる工事の規模が1級の資格の方が大きくなります。
1級土木施工管理技士の試験とは
試験概要
・第一次検定
試験時間:150分
解答形式:全問四肢択一式
・第二次検定
試験時間:165分
解答形式:記述形式
受験資格
1級土木施工管理技士の受験資格については、第一次検定と第二次検定とで、受験資格が異なります。
1級土木施工管理技士の難易度について詳しくはこちら
→1級土木施工管理技士の合格率は?取得メリットや転職事例も解説!
第一次検定は、2級土木技術検定合格者を除いては、以下のような条件を満たすことで受験することができます。
実務経験年数に指導監督的実務経験を1年以上含んでいる場合
学歴 | 実務経験 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学卒業者 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 |
専門学校を卒業し「高度専門士」を称する者 | ||
短期大学卒業者 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6か月以上 |
高等専門学校卒業者 | ||
専門学校を卒業し「専門士」を称する者 | ||
高等学校卒業者 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6か月以上 |
専門学校卒業者 | ||
その他の者 | 15年以上 |
実務経験年数に専任の主任技術者としての経験を1年以上含んでいる場合
学歴 | 実務経験 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学卒業者 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 |
専門学校を卒業し「高度専門士」を称する者 | ||
短期大学卒業者 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6か月以上 |
高等専門学校卒業者 | ||
専門学校を卒業し「専門士」を称する者 | ||
高等学校卒業者 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6か月以上 |
専門学校卒業者 | ||
その他の者 | 13年以上 |
第二次検定は、第一次検定合格者及び以下の実務経験を満たすことで受験可能になります。
実務経験年数に指導監督的実務経験を1年以上含んでいる場合
区分 | 実務経験 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
合格後5年以上の者 | 合格後5年以上 | ||
合格後5年未満の者 | 高等学校卒業者 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6か月以上 |
専門学校卒業者 | |||
その他の者 | 14年以上 |
実務経験年数に専任の主任技術者としての経験を1年以上含んでいる場合
区分 | 実務経験 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | ||
合格後3年以上の者 | 合格後3年以上 | ||
合格後3年未満の者 | 短期大学卒業者 | 卒業後5年以上 (緩和なし) |
卒業後7年以上 |
高等専門学校卒業者 | |||
専門学校を卒業し「専門士」を称する者 | |||
高等学校卒業者 | 卒業後7年以上 | 卒業後8年6か月以上 | |
専門学校卒業者 | |||
その他の者 | 12年以上 |
出題内容
【第一次検定】
・土木工学など
土木工事一式のの施工に必要な土木工学・電気工学・機械工学・建築学などに関する一般的な知識。
・施工管理法
土木工事一式の施工計画の作成方法及び工程管理・品質管理・安全管理などにおける施工の管理に関する一般的な知識。
・法規
建設工事の施工に関する関係法令について。
【第二次検定】
・施工管理法
土質試験及び土木材料の強度などの試験を正確に行うことができ、かつ、その試験の結果に基づいて建設物の強度を得るための必要な措置ができる高度な応用能力が判断される。
合格基準・難易度
第一次検定・第二次検定ともに、得点が60点以上であることです。
2級土木施工管理技士の試験とは
試験概要
・第一次検定
試験時間:130分
解答形式:全問四肢択一式
・第二次検定
試験時間:120分
解答形式:記述形式
受験資格
第一次検定は年齢が17歳以上であることが受験資格条件です。
実務経験は必要ありません。
2級土木施工管理技士の難易度について詳しくはこちら
→2級土木施工管理技士の難易度は?受験資格や仕事内容について徹底解説!
しかし第二次検定は実務経験が必要になり、以下のようになります。
2級土木施工管理技術検定の第二次検定受験資格
学歴 | 実務経験 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学卒業者 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6か月以上 |
専門学校を卒業し「高度専門士」を称する者 | ||
短期大学卒業者 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等専門学校卒業者 | ||
専門学校を卒業し「専門士」を称する者 | ||
高等学校卒業者 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 |
専門学校卒業者 | ||
その他の者 | 8年以上 |
出題内容
【第一次検定】
・土木工学など
土木工事一式のの施工に必要な土木工学・電気工学・機械工学・建築学などに関する知識。
・施工管理法
土木工事一式の施工計画の作成方法及び工程管理・品質管理・安全管理などにおける施工の管理に関する知識。
・法規
建設工事の施工に関する関係法令について。
【第二次検定】
・施工管理法
土質試験及び土木材料の強度などの試験を正確に行うことができ、かつ、その試験の結果に基づいて建設物の強度を得るための必要な措置ができる高度な応用能力が判断される。
合格基準・難易度
第一次検定・第二次検定ともに、得点が60点以上であることです。
試験対策・勉強法
・参考書や過去問題集を解いて勉強する
過去問題集を繰り返し解くことで、問題の出題傾向への理解が深まります。
また問題を解くという事に、体が慣れることも重要です。
・動画教材で勉強の効率を上げる
参考書や過去問題集だけでなく、動画教材を取り入れることで勉強の効率が上がります。
視覚からの情報だけでなく、音声からの情報によって記憶に残りやすくなります。
・対策講座を受講して添削をしてもらう
対策講座を受講することのメリットは添削されることです。
特に第二次検定では、第三者の添削が記述問題への対策となります。
資格取得のメリット
・社内評価が上がり昇進や昇給できる
資格を取得することで、社内での評価が上がります。
評価が上がり信頼される事によって昇進や昇給が期待できます。
・監理技術者になれる
資格を取得する事によって、現場を任されるようになります。
さらに監理技術者として従事することができるので、社内での存在価値が上がります。
・転職に有利
資格を取得した施工管理は転職でも有利になります。
施工管理職は実務経験が重要ですが、資格は実績を積んでいる証明となります。
資格と実績がある施工管理は、企業にとっては即戦力として期待できるため欲しい人材となります。
そのため希望に合った企業を選べるようになります。
土木施工管理技士の転職事例
・Aさん:建設工事会社からゼネコンへ転職
(年収480万円→年収600万円)
キャリアアップのために、土木施工管理技士の資格を取得したことで転職を決意しました。
規模の大きな工事に携わりたい、年収を上げたいと考えていたところ、大手のゼネコンへの転職が成功し、年収UPしただけでなく、規模の大きな現場を任せてもらえるようになりました。
・Bさん:土木建設会社からマリコンへ転職
(年収580万円→年収760万円)
土木建設工事の会社で施工管理として従事し、1級土木施工管理技士の資格を取得しました。この仕事は好きでしたが、マリコンという特殊な業界に憧れを持っていました。
資格を取得していた事もあって、スカウトという形での転職が実現しました。
最初はこれまでとの仕事の違いに戸惑いもありましたが、すぐに慣れて今では本当に仕事が楽しいと感じるようになりました。
・Cさん:住宅建設会社からインフラ整備会社へ転職
(年収520万円→年収700万円)
以前よりインフラに関わった仕事がしたいと考えていたため、1級土木施工管理技士の資格を取得し転職を決意しました。
少し時間はかかりましたが、今では念願のインフラの仕事に携わることができ、年収も良くなり大変満足しています。
まとめ
土木施工管理技士は、私たちの日常を支えるインフラを守るために活躍する重要な仕事です。
さらに災害大国の日本においては、災害復興にとっても非常に重要な役割があります。
そんな土木施工管理技士は、実務経験がなければ資格を取得することができません。
しかし資格を取得することで、キャリアアップやキャリアチェンジも可能になります。
転職にも非常に有利な、施工管理技士の資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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