建築施工管理技士の試験は1級と2級に分かれており、それぞれ試験内容や難易度が異なります。
今回は試験の日程などの概要や、試験対策、資格取得におけるメリットを説明し、施工管理技士の仕事内容についても紹介します。
建築施工管理技士の仕事内容とは
建築施工管理技士の仕事内容や1級と2級の違いについて説明します。
仕事内容
建築施工管理技士の主な仕事は、建設工事における施工管理です。
施工管理には以下のような仕事内容があります。
・施工計画の作成:建設工事全体の施工計画書の作成、施工要領書などの確認
・工程管理 :建設工事全体の進捗確認、下請や関係会社の工程調整
・品質管理 :工事の立ち会い確認、工事後における実地の確認
1級と2級の違い
1級と2級の建築施工管理技士の違いは、受験資格や試験内容、仕事の内容などが挙げられます。
受験資格は1級の方が厳しく、試験内容も1級の方が幅が広いです。
そのため、資格を取得する際には2級からチャレンジする人が多いです。
仕事内容の違いとしては、施工管理をする建築物の規模が1級建築施工管理技士の方が大規模だったり、複雑な建物を任される場合があります。
そのため、施工管理を務める際に1級建築施工管理技士の知識を活かすことができる他、任される仕事の幅が広がる傾向があります。
建築工事施工管理技士の試験とは
建築施工管理技術検定は、国土交通大臣から指定試験機関の指定を受けている一般財団法人建設業振興基金が実施しています。
1級と2級で試験概要が異なりますので試験の難易度なども含めて詳しく紹介します。
試験概要
建築施工管理技術検定の試験日や申し込み、合格発表の日程は以下の通りです。
年に一度しかないため、申込などを忘れないようにしましょう。
[1級建築施工管理技術検定]
受検手数料 | 試験日程 | 申込 | 合格発表 |
第一次検定 | 令和4年6月12日(日) | 令和4年1月28日(金)~2月10日(木) | 令和4年7月15日(金) |
第二次検定 | 令和4年10月16日(日) | 令和4年1月28日(金)~2月10日(木) | 令和5年1月27日(金) |
[2級建築施工管理技術検定]
受検手数料 | 試験日程 | 申込 | 合格発表 |
第一次検定 | 令和4年11月13日(日) | 令和4年7月5日(火)~7月19日(火) | 令和5年1月20日(金) |
第二次検定 | 令和4年11月13日(日) | 令和4年7月5日(火)~7月19日(火) | 令和5年1月20日(金) |
受験手数料は1級建築施工管理技術検定の第一次検定が10,800円、第二次検定が10,800円で、2級は第一次検定が5,250円、第二次検定が5,250円です。
出題内容
1級は第一検定が建築学等、施工管理法、法規の問題が四肢一択で出題され、第二次検定は施工管理法の監理技術者としての知識が問われる問題が四肢一択と記述式で出題されます。
2級は第一次検定が建築学等、施工管理法、法規の問題が四肢一択で出題され、第二次検定は施工管理法や躯体施工管理法などの問題が四肢一択と記述式で出題されます。
合格基準・難易度
1級建築施工管理の第一次検定の合格基準は、試験全体の得点が60%以上、施工管理法(応用能力)の得点が60%以上の正解となっています。
第二次検定は60%以上の得点で合格です。
2級は第一次検定と第二次検定共に60%以上の得点で合格です。
2級の合格率は令和3年度は40%程度、1級は50%程度です。
試験対策をしていれば難しい試験ではありません。
試験対策・勉強方法
1級・2級の四肢一択の問題に対する試験対策としては、問題集を解いていくことが大切です。
紛らわしい選択肢から正しい解答を選べるようになるだけではなく、1つの問題にどのくらい時間がかかるのかを把握するようにしましょう。
1級の試験の記述式は、施工現場における品質管理についてや施工時における合理化についてなどが問われ、文章を書いて解答しなければいけません。
そのため、自分の考えをまとめたり、まとめた内容を時間内に書き上げる必要があります。
限られた時間で考えを記述していく練習は必須と言えるでしょう。
1級建築工事施工管理技士の受験資格
1級建築施工管理技士の第一次検定の受験資格は指定学科を卒業後、3年~14年の実務経験年数が必要です。
高校か大学かなどで必要年数が変わるため、下図を参考にしてください。
引用)1級 建築施工管理技術検定のご案内 | 建築・電気工事施工管理技術検定 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部 https://www.fcip-shiken.jp/ken1/
また、第二次検定は主に第一次検定の合格者が受験可能です。
1級建築施工管理技士の難易度について詳しくはこちら
→1級建築施工管理技士の難易度や合格率は?仕事内容やメリットについても詳しく解説!
2級建築工事施工管理技士の受験資格
建築施工管理技士2級は、第一次検定のみの場合は試験実施年度において満17歳以上なら受験が可能です。
第二次検定も受ける場合は下図を参考にしてください。
引用)2級 建築施工管理技術検定のご案内 | 建築・電気工事施工管理技術検定 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部 https://www.fcip-shiken.jp/ken2/
また、第二次検定のみ受験する場合は令和3年度以降の第一次検定の合格者、建築士法による一級建築士試験の合格者などが受験可能です。
2級建築施工管理技士の難易度について詳しくはこちら
→2級建築施工管理技士の資格解説!合格率や試験対策、取得メリット紹介
建築工事施工管理技士資格取得のメリット
勉強すれば取得できるという目安がついた建築施工管理技士の資格ですが、取得した際のメリットにはどういったものがあるのか3つ紹介します。
主任技術者・監理技術者になれる
建築施工管理技士は、専任の技術者や建設工事の現場に置く主任技術者・監理技術者の要件を満たします。
技術者は営業所ごとに必要なことから需要が多く、監理技術者は4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の工事に必要になります。
転職に有利
建設業における転職の際には設計・施工管理を問わず、建築施工管理技士の資格を持っている方が転職に有利です。
理由は主任技術者や監理技術者の要件を満たすことや、経営事項審査の加点対象になることから需要が高いためです。
また、1級建築施工管理技士は大規模な現場からの需要があるため、スーパーゼネコンへの転職も狙えるでしょう。
給与アップ
建築施工管理技士の資格を取得することで会社から評価されて昇給の機会を得られたり、会社によっては資格手当が支給される場合があります。
また、2級よりも1級の方が月に10万円給与を高く設定されている企業もあります。
そうした給与アップが狙えるのもメリットだと言えるでしょう。
建築工事施工管理技士の転職事例
資格取得によりキャリアチェンジ・キャリアアップした事例を3つ紹介します。
Aさん
大手ゼネコンへの転職に成功し、正社員として施工管理を務めることになって、給与が年収500万円から600万円に上がりました。
施工図の修正や重機の配置を考え、工程がスムーズに進むように気を配っています。
特に大きい現場では重機の搬入経路の確保が大切になるため、大きさや資材の搬出場所を踏まえて考えるのが大変ですが、やりがいに繋がっています。大手の会社に務めることで責任のある仕事が出来るようになって良かったです。
Bさん
建築工事施工管理技士の資格を取得したことで、地震や洪水の被害に遭った建物の復興作業における施工管理をスムーズにできるよう知見を活かすことができました。
また、資格による手当が支給されるようになり、月3万円増えたのも良かったです。
Cさん
これまでは電気設備や管工事といった建物の下地となる部分を担ってきましたが、建築全般に関わることで建築物の完成まで見守れるようになりました。
お店やオフィスが徐々に施工されていく様子を見るのがやりがいにつながり、年収も450万から500万となったので、今後は1級建築施工管理技士の取得を目指したいと思います。
まとめ
施工管理技士は、2023年4月1日からBIM/CIMが原則適用される中、ICTの利用による監督業務や検査を求められるため、今後も様々な経験ができる仕事として注目されています。
また、平均的な会社員より建築施工管理技士の給与は高いという理由から、未経験からであっても転職を狙う人が多いです。
その際には資格取得も視野に入れていることを伝えると転職時の印象が良くなる傾向があり、経験者なら1級の取得や監理技術者を目指していることを伝えるのも一つの手です。
施工管理の求人を探すには
資格や経験を活かして、施工管理で転職をお考えの方は、キャリケンの完全無料転職支援サービスをご利用ください。
転職活動における当サービス独自のノウハウを特別にお伝えします。
業界唯一の伴走型エージェントが、全国各地の10,000件以上ある求人から最適な求人をご紹介します。
是非一度、ご相談ください!