建設機械施工管理技士とは？試験の内容や取得するメリットを詳しく解説！

建設業の需要は都市部を中心に商業施設や高層ビルの建設によって高まっています。
地方での建設業についても件数が増えている状況です。
新設物件も多いですが、改修などの工事が年々増え続けています。
その中で建設現場においてあらゆる機材や道具を使用しています。
機材や道具効率よく使用することで作業の効率化を図ること「建設機械」が重宝されています。
建設機械を利用するためには様々な知識や経験が必要になりますので、扱いに不備があることで作業員の生命に関わる事態を招くこともあります。

そのため「建設機械設備施工管理技士」は活躍する場面が多いです。

建設機械施工管理技士とは

建設機械施工管理技士には、1級と2級の資格があります。
1級では各種建設機械を用いた施工における指導・監督的な業務を行います。
2級では第1種から6種まである建設機械を用いた施工において、運転・施工の業務に携わり、各機種の運転技術者としてや一般建設業の現場にて主任技術者として施工管理を行う選択肢があります。

2級ではそれぞれの種目に応じて受験することになり、取得した建設機械の種類に関する指導や監督業務を行うことができます。

仕事内容

建設工事における機械施工に従事する技術者の技術の向上を目的とした資格であり、建設業許可を取得する際の専任技術者や現場に常駐する際の監理技術者の資格要件として使われることもあります。

資格区分により、1級では各種建設機械を用いた施工に関する指導や監督的な仕事を行います。
2級では第1種から第6種にわかれているそれぞれの機械を用いた施工に関する運転や施工の業務に携わります。

各機種の運転技術者や一般建設業の現場主任技術者として施工管理を行うことができる資格要件のひとつになっています。

建設機械施工管理技士の重要性

建設機械施工管理技士の資格を持っている方は、建設業界の中でも建設重機を使って作業を行う方に多く、活躍の場は土木関係の会社や建築工事の会社にて活躍しています。

都心部だけではなく、郊外や地方での工事も多くあるため、資格保有者の活躍の場は増えています。
大規模な工事や土地開発の工事が、重機作業が増えてきますので専門性を求められることも多くなります。

1級や2級の建設機械施工管理技士の資格を取得していることによって、現場の管理を任せてもらうことも増えて来るでしょう。

転職などの選択肢も増えて来ることが考えられます。
複数の物件を抱える会社では有資格者の確保は必要不可欠になりますので土木系の業界でキャリアアップを目指す方には必要な資格になります。

1級と2級の違い

建設機械施工管理技士には1級と2級があります。
それぞれの試験難易度や資格保有により行えることは違っています。

1級建設機械施工技士では、各種建設機械を扱う技術者への指導や監督業務を行うことが可能になっています。

1級建設機械施工管理技士を取得していることにより、工事現場にて選任される監理技術者・主任技術者になることや建設工事許可を得る際に専任の必要な主任技術者として登録することが可能です。

2級建設機械施工管理技士では、第1種から第6種までの各種の建設機械を扱う技術者として指導監督業を行うことが可能です。

工事現場に配置する主任技術者として登録が可能になります。

2級建設機械施工管理技士の試験とは

2級建設機械施工管理技士とは、建設機械を用いた施工において運転や施工の業務に携わり、それぞれの機種における技術者や一般建設業の現場主任技術者になるための資格になります。

試験概要

2級建設機械施工管理技士の試験概要は第一次検定と第二次検定にわかれています。
第一次検定では、共通問題と種別問題にわかれており、選択した1つまたは2つの種別においての試験になります。

種別は最大2つの種別を受験することができ、偶数種別と奇数種別のグループから各1つずつ選択することができます。

第一次検定と第二次検定ともに実務経験を有する方だけが受験資格があります。
17歳以上かつ受験資格のある方だけにしかないため、一定程度の現場での経験を必要とされています。
第二次検定では主任技術者となるための建設機械においての建設工事の施工管理を適切に行うために必要な知識を持っているのかを確認します。

主任技術者として設計図書に基づいた施工計画や工程管理を行うことができる知識を持っているかの試験です。

受験資格

2級建設機械施工管理技士の受験資格は17歳以上の方が必要とする実務経験年数を超えた方に付与されています。

実務経験は学歴や保有資格により変わり大学や高校などによって指定されている学科と指定されていない学科に分けられますので確認が必要です。

出題内容

第一次検定では「共通問題」と「種別問題」の2つにわかれており、「種別問題」では選択した1つまたは2つの種別について受験することができます。

偶数種別（第1種、第3種、第5種）と奇数種別（第2種、第4種、第6種）のグループの中から各1つずつ選択することができます。

共通問題では、土木工事・施工管理法・建設機械原動機・石油燃料・潤滑剤・法規に関する問題を回答します。

種別問題では、全種別1時間ずつ回答していきます。
第二次検定では筆記と実技にわかれており、主任技術者として建設機械による施工管理を行うために必要な知識や施工計画を作成できるのかについての試験になります。実技では実際に操作や施工による試験を行います。

合格基準・難易度

第一次検定の合格基準は60％以上の得点を取る必要があります。
第二次検定では施工管理法の科目について60％以上、実技試験各種は得点が70％以上が合格になります。

試験の実施状況に合わせて、合格基準は毎年変わることがありますので注意が必要です。
2021年から第一次検定と第二次検定に名称が変わっており、2020年までは学科試験と実技試験にわかれていました。

第一次検定	合格率
2021年	51.3%
2020年	39.5%
2019年	42.4%

第二次検定	合格率
2021年	75.2%
2020年	82.5%
2019年	83.9%

1級建設機械施工管理技士の試験とは

1級建設機械施工管理技士の試験では、建設工事における建設機械施工に従事する技術者の技術向上をめざしています。

建設業許可における専任技術者や主任技術者、現場常駐として配置する監理技術者としての要件となります。

試験概要

1級建設機械施工管理技士の試験では、各種建設機械を用いた施工における指導や監督業務をおこないます。

それぞれの建設機械を用いた施工において、運転・施工の業務に携わり各機種の運転技術者、一般建設業の現場における主任技術者として施工管理を行います。

技術者の許可種目として、土木工事やとび・土工・コンクリート工事、舗装工事に関する監理技術者として許可されます。

第一次検定では筆記試験と第二次検定では筆記試験・実技試験に別れており、受験資格要件により受験資格のある方だけが受験することができます。

第一次検定では8科目の項目があり、第二次検定では筆記試験と実技試験にわかれています。
第一次検定における受験資格は指導監督的実務経験や専任の主任技術者の実務経験が1年以上などの要件が必要になります。

第一次検定・第二次検定を受験される方の受験資格では第一次検定だけを受験する方とほとんど同様の受験資格になっています。

大学や高校などの指定学科を卒業された方の実務経験年数と指定学科以外を卒業された方の実務経験年数では違いがありますので注意が必要です。

受験資格

1級建設機械施工管理技士の受験資格では、2級建設機械施工管理技士の合格者には受験資格が付与されます。

そのほか、指導監督的実務経験や専任の主任技術者としての実務経験が1年以上である方がそれらの経験を含む実務経験年数によって資格を得ることができます。

大学や高校などの学歴によって指定学科を卒業された方や指定学科以外の方によって年数が変わってきます。

出題内容

第一次検定では、土木工事・建設機械原動機・石油燃料・潤滑油・建設機械・建設機械施工法・施工管理法・法規の8科目にわかれています。

第二次検定の筆記試験は建設機械施工法・施工管理法・建設機械組合せ施工法の3科目、実技試験では第1種から第6種までの各建設機械操作施工法のうち2科目を選択して所定のコース内での操作施工による実技試験を行います。

合格基準・難易度

第一次検定の合格基準は2021年が56点以上、第二次検定では筆記試験が60％、実技試験の各項目は60％以上となっています。

第一次検定の合格率では2021年が26.6%、第二次検定の合格率では64.9%でした。
第一次検定の合格率が20%台と低いため、受験者の方にとってはハードルの高い資格試験になっています。

第一次検定	合格率
2021年	26.6%
2020年	20.3%
2019年	25.1%

第二次検定	合格率
2021年	64.9%
2020年	80.2%
2019年	63.8%

建設機械施工管理技士資格取得のメリットと将来性

建設機械施工管理技士の資格を取得することは合格率が20%台と低いため、しっかりと勉強をする必要があります。

実務経験があるからといって、簡単に合格できない資格を取得することによってどのようなメリットと将来性があるのか確認しましょう。

将来性の高い業種

建設業界では大規模な建設現場や中小規模の開発、改修などが多く行われており、建設機械の使用は欠くことがないため、将来的にも安定した業界です。

その中でも工事現場での作業について、さらに機械化が進んでいることにより仕事の数は年々多くなることでしょう。

時代の影響を良い方向に受けるため、ある程度の需要はあると考えられています。
資格を取得した以上、将来的にも仕事を確保できる業界であることのメリットです。

転職に有利

資格を取得することで希望する地域や給料のある会社への転職の際には有利に働きます。
事業所の専任技術者として配置されることや工事現場に監理技術者・主任技術者として配置されることにより、資格取得者を配置する必要があります。

そのため、多くの物件を施工管理している企業にとって資格取得者の確保は企業の売上を左右します。

誰にでも受験資格のあるものではないため、計画的に育成を行う必要もあります。

キャリアアップにつながる

2級建設機械施工管理技士の場合は対応できる業務範囲が狭いため、大規模な工事で資格要件を満たすことにはなりません。

しかし、1級建設機械施工管理技士を取得した方には監理技術者や主任技術者などにより大規模物件で活躍することができるため、難しい経験にも挑戦できます。多くの経験を手に入れることにより、キャリアアップに繋がります。

建設機械施工管理技士の転職事例

建設機械施工管理技士の資格を取得することで資格所得者を必要とする企業は多くあります。
企業で請負工事を受注する際に監理技術者や主任技術者を配置することができないと受注することができない可能性があります。

そのため、必要な人員を得るために転職者の受け入れを多くしている企業があります。

Aさん：残業が多くて一人で抱える仕事が多かったので転職した

仕事内容には満足していましたが、資格取得者が少ない企業であったために一人で抱える仕事量が多かったです。残業時間が多くなることや現場での管理も増えてきたことにより体力的にも精神的にも大変になりました。

そのため、比較的資格取得者が多く在籍しており、労働環境の整備された企業へ転職しました。

Bさん：大規模物件を経験したくて転職

小規模な会社に勤めていたこともあり、中小規模の建設工事現場を転々としていました。
自分のキャリアアップのために大きな現場での管理を行ってみたいと考えていました。
労働時間や社内の人間関係などには不満はありませんでしたが、より多くの経験を積むことで自分自身のキャリアを変えると共にインフラ整備による社会貢献に力を尽くしたいです。