建設コンサルタントの将来性とは?業界の現状や業務内容を踏まえて詳しく解説!

建設コンサルタントとは企画や設計、施工や維持などを担い、建設業に携わる仕事です。
インフラなどの土木に関わったり、大規模な街の開発に携わったりしますが、具体的な仕事内容ややりがいについて紹介します。

建設コンサルタントの仕事とは

建設コンサルタントは企業に所属して働く人が多く、昭和36年4月に発足した「建設コンサルタンツ協会」に登録することで活動の幅を広げる建設コンサルタントもいます。

そうした中で、具体的な仕事内容や役割について紹介します。

仕事内容

インフラなどの社会資本の整備を担う建設コンサルタントは、調査・計画・設計等の業務が主な仕事内容です。

専門家として蓄積した技術や知識、人材等を活用し、知見を活かして業務にあたることで土木や建築といった業界で活躍しています。

具体的な仕事内容としては、遊水地の整備において動線に配慮した木橋の設置計画をしたり、駅の再開発における施工計画の確認や景観検討といった業務といったものが挙げられます。

身近な公共施設の建設や再開発においても建設コンサルタントは大切な業務を担っています。

役割

建設コンサルタントは設計・計画や施工といった事業を支援し、事業者のパートナーとしての役割を担っています。

事業執行にあたり、事業者は地域の人々への説明・責任を果たさなければならないため、建設コンサルタントはそのための調査や資料提供などを行います。

そうした役割と併せて、第三者の立場で設計審査や施工監理の実施をする場合もあります。

建設コンサルタントは多様な役割を担い、様々な領域で責任ある立場で活躍し、インフラなどの社会資本の整備を推進するために貢献しています。

建設コンサルタント業界の現状・将来性

建設コンサルタントが扱う業界は公共施設などのインフラや街づくりを含めた建築物といった幅の広さがありますが、そうした業界の現状と課題はどういったものがあるのでしょうか。

インフラや自然環境といった例と共に紹介します。

インフラの現状と維持

国内の道路などのインフラは高度経済成長期を中心に整備され、建設から50年以上が経っている割合が大多数を占めます。

そのため、老朽化しているインフラのメンテナンスや維持・更新をするための建設コンサルタントに対する需要が高いという現状があります。

インフラの長寿命化を図るため、建設コンサルタントは最適の改善案の提案が求められるために、現地に赴いて道路が設置されている橋梁の外観調査などを行ったりします。

震災に対する意識の高まり

阪神淡路大震災から東日本大震災や熊本地震、各所で起きた洪水などの自然災害に対するリスク管理の重要性が高まっています。

そのため、国土交通省は平成25年を「メンテナンス元年」という位置づけをするとともに、震災被害を未然に防ぐための対策を推進しています。

建設コンサルタントは老朽化してた橋梁が崩れてしまわないかの診断や、洪水による水害のある地域かどうかの検討なども担うことがあり、今後も需要がある業界の一つです。

自然環境の維持

高度成長期をピークに川や海の水質が汚染されたという問題がキッカケとなり、水辺環境の改善が今でも課題となっています。

また、河川だけでなく森林などの自然環境を維持するために、建設コンサルタントは環境調査やモニタリングといった業務を行います。

水質改善が進まない湖沼の調査や、山などの自然環境を維持するために現状を把握し、工事がある場合にはその後の状況を確認したりし、美しい山や川などを将来的に守っていくことも建設コンサルタントの仕事の一つです。

バリアフリー化

少子高齢化が進む中、ショッピング施設の階段や駅周りのスロープについてバリアフリー化が求められているという現状があります。

少しの段差でも高齢者にとっては歩きづらいことがあったり、スロープの傾斜がきついと車いすやベビーカーにとって通過が困難となります。

そのため、建設コンサルタントはどういった場所にバリアフリー化が必要かアンケート調査をしたり、設計・計画をします。

渋滞の緩和

車の利用が一定数以上ある道路や、駅周辺を中心とした渋滞問題など国内における車の問題は数多くあります。

建設コンサルタントは交通量を調査した上で渋滞の時間帯や道路の幅の検証などを行い、対策を検討します。

例えば、全国に広がりを見せているラウンドアバウトの計画を提案することで、信号の要らない円形の交差点の設置を進めるということが挙げられます。

低コストで渋滞を解消できるラウンドアバウト以外にも、車線の増減などによる計画なども踏まえて最適な提案が必要です。

踏切や高架工事

交通量の問題と並行して、いわゆる「開かずの踏切」と高架工事についての設計・計画を建設コンサルタントが担う場合もあります。

道路が渋滞する原因と鉄道との兼ね合いを踏まえて計画し、関係者との協議をして高架工事の設計を進めていきます。

そのため、将来的に線路の高架工事を必要とする地域にとって建設コンサルタントは欠かせません。

建設コンサルタントのメリット

建設コンサルタントが関わる業界の広さについてはこれまで解説してきた通りですが、実際に働く上でのメリット、やりがいはどういったものが挙げられるのでしょうか。

メリットなどについて具体例を踏まえて3つ紹介します。

達成感がある

設計で関わった道路やダムなどのインフラ、大型ショッピングモールや高層ビルといった建築物などの案件を担当した際のやりがいを紹介します。

大規模な建設物の建設コンサルタントを担当すると、長い期間携わることが多いため関係者たちとの連携が求められます。

関係者との協力を経て施工された建設物を見ると大きな達成感につながり、関係者からも感謝されることが多いためやりがいにつながります。

個人のアイディアを活かせる

建設コンサルタントは自身で図面を描くのではなく、「こうしたらどうか?」という提案を中心として発案型の業務ができるのがメリットとして挙げられます。

提案や発案といったアイディアを中心に資料をまとめることは、設計で図面を描くことよりもやりがいが感じられます。

また、案件を複数任されると色々な面から業務を考えることができ、提案が通った際にも達成感が得られるのもやりがいです。

仲介役としてのやりがい

第三者ならではの目線を持ち、担当する案件の問題点を洗い出して解決策を導き出すことが建設コンサルタントのやりがいです。

官公庁や行政機関といった公的機関や、民間企業・業者にはそれぞれ考えがあり、建設物に対する思いも様々です。

そのため、建設コンサルタントはそれぞれの利害を踏まえた上で、ゼネコンやメーカーが施工しやすいようにアドバイスをしたりするのも業務の一つとなります。

建設コンサルタントのきついところ

建設コンサルタントの業務はやりがいもある一方で、大変だったりきついところがあると言います。

そうした建設コンサルタントのデメリットについて紹介します。

残業や休日出勤がある

設計者や発注者との協議をする上で、期日が差し迫っていると残業や休日出勤がある場合があります。

また、震災対応を急ピッチで進めなければいけない場合は、残業や休日出勤が多くなって辛さを感じることもあるでしょう。

難しい仕事がある

建設コンサルタントは担当する案件に対して自身のみで関わっていくことが多いため、個人の裁量によって仕事量や貢献の度合いが異なります。

任される仕事の内容が難しくて大変だったり、調査などをまとめるにあたって時間がかかっても他の人を頼れなかったりするのがデメリットだと言えるでしょう。

資格取得が求められる

会社から高度な資格の取得を求められるのが建設コンサルタントのつらい点として挙げられます。

RCCMや技術士といった難関資格の取得を推進され、取れないと昇給させてもらえない場合も少なくありません。

そうした知識が求められるのは、クライアントの信用に関わったり、仕事内容に対する理解を深めるためという理由が挙げられます。

高度な技術や資格が要求される分、建設コンサルタントは他業種に比べて年収が高いという利点もあります。

ノルマが課されることがある

建設コンサルタントの会社によっては、個々にノルマが課される場合があります。
より多くの案件を抱えて報酬をもらい、月にいくら稼いだかを比較されることに対して辛さを覚えることもあるでしょう。

また、ノルマを達成できないと叱責されたり、働いている時間が少ないとさらに時間をかけるように上から圧力をかけられることもあります。

建設コンサルタントで活躍するためには

建設コンサルタントとして活躍するためどういった選択肢があるか紹介します。

メーカーで活躍

建設コンサルタントの知見を活かしてメーカーでの活躍が期待できます。
例えば、橋梁の補修のためにコンクリートを打ち継ぎますが、そのために長期にわたって使用可能な接着剤が必要になります。

そうした材料などを研究するメーカーでは、インフラの維持を前提とした土木・建築物の知識が必要になるため建設コンサルタントの知見が活かせるでしょう。

スーパーゼネコンで活躍

大林組や鹿島建設といったスーパーゼネコンでは、設計や施工を踏まえた建設コンサルタントならではの活躍ができるでしょう。

設計部のリーダーとしてチームを率いて設計から施工までを一貫して務めることで、どうすれば客先に納得してもらえる建設物を作り上げられるかを考えることができます。

建設コンサルタントとしての目線を活かし、大きな案件もこなしていけるとやりがいにもつながります。

新技術の開発

国土交通省は建設業に対してi-ConstructionやBIM/CIMを推進しています。

そうした最新技術を活用するにはどうすべきかを、建設コンサルタントならではの視点で考えていくという道もあります。

ICTに関する研究・開発を専門としている企業での活躍も可能で、ICTの分野として3次元測量、地質・地盤データといったドローンなどを使う企業が挙げられます。

独立

建設コンサルタントとして経験を積み、資格もあるなら独立するのも一つの手です。
会社にとらわれない働き方ができ、建設コンサルタントとして携わりたい相手を選べるのが独立する利点です。

建設コンサルタントの成功事例・転職事例

建設コンサルタントから転職した成功事例などを紹介します。

事例1:設計から建設コンサルタントへ

設計から建設コンサルタントに転職し、多くの物件に携わる機会が増えました。
設計だと1物件で数か月関わることが多かったですが、建設コンサルタントだと複数の案件を並行して関わることができて充実しています。

設計とは別な忙しさもありますが、多くの物件に関わりたいという希望が叶ったため、やりがいにつながっています。

事例2:建設コンサルタントから公務員へ

建設コンサルタントとして地方創生などの業務を経て、その土地の公務員に転職しました。

地域の活性化に関する計画についてや、公共の水域や陸域に関わる河川の開発などに携わっています。

その際には法律上の課題や申請手続きなど難しい問題もありますが、建設コンサルタントとしての経験や知見を活かして解決していけるのが良かったです。

また、公務員となり、休日などが確保しやすくなったのもメリットです。
仕事を請け負えるかどうかのリスクもありますが、元々の会社のツテを利用したり、クライアントを紹介してもらえるかを確認した上で独立するのも一つの手です。

長期的に関係を築く大切さを意識し、継続的な依頼を受けれるようになると高収入にもつながります。

事例3:建設コンサルタントから発注者企業へ

建設コンサルタントとして関わりを多く持ってきた発注者企業への転職に成功しました。
これまでの功績を踏まえて転職が上手くいき、上流側としての考え方を尊重しつつゼネコンとの関わりを大切にできるのが良かったです。

発注者として建設コンサルタントの知見が活かせた例を挙げると、建設コンサルタントに対して必要な情報を提示するのがスムーズにできることがあります。

その時々に必要な情報などを的確に選べるため重宝されるようになりました。

まとめ

建設コンサルタントはインフラの維持管理という国や国民にとって大切な役割を担い、公的にも民間の企業にとっても欠かせない仕事です。

鉄道などのインフラや、商業施設などの建築物を作ったりする上でも必要であることから将来性がありますが、難しい内容の仕事も多いです。

一方で、案件を終えた後のやりがいなども大きいのが建設コンサルタントだと言えるでしょう。

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