インテリアコーディネーターの資格難易度は?合格率からみる取得難易度解説!

近年、プロが手掛けるインテリアデザインや芸能人の住まい環境などがインターネットやSNSで発信され、簡単に見られるようになってきたことでインテリアへの関心が高まっています。

インテリアコーディネーターの需要は年々高まっており、受験者も令和元年と令和2年を比較するとおよそ1,000人程度増加しています。

今回はインテリアコーディネーターの資格難易度について解説します。

また、合格のための勉強方法や取得した方たちの成功事例や転職事例なども紹介します。

インテリアコーディネーターとは

仕事内容

インテリアコーディネーターは、住まいのインテリアづくりのプロです。

お客様からの要望を聞き、プランニング、商品セレクトを行い納品、アフターフォローまで一貫して行います。

インテリア関連のメーカーや住宅メーカー、内装会社や住宅建材の販売店など様々な場で活躍しています。

またインテリアコーディネーターは男性よりも女性の数が多く、受験者の男女比を見ると男性が2割、女性が8割程度となっています。

インテリアコーディネーター資格の難易度は


インテリアコーディネーターの資格試験は一次試験と二次試験の2部で構成されています。
それぞれの難易度を合格率からみてみましょう。

一次試験の合格率

試験年度 受験者数 合格率
2017年度 8,202人 31.0%
2018年度 8,542人 32.4%
2019年度 6,992人 34.7%
2020年度 7,908人 34.1%
2021年度 9,634人 32.8%

一次試験の合格率は平均して33%前後です。
一次試験はマークシート式の選択式を採用しています。
出題範囲が広く、以下の9つの分野から出題されます。

インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
インテリアコーディネーターの仕事に関すること
インテリアの歴史に関すること
インテリアコーディネーションの計画に関すること
インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
環境と設備に関すること
インテリアコーディネーションの表現に関すること
インテリア関連の法規、 規格、制度に関すること

引用元:公益社団法人インテリア産業協会

これらの専門知識を網羅的に暗記しなければならないことが、合格率が低くなっている要因と考えられます。

二次試験の合格率

試験年度 受験者数 合格率
2017年度 3,417人 56.5%
2018年度 3,620人 59.0%
2019年度 3,292人 57.6%
2020年度 3,526人 58.0%
2021年度 3,951人 59.1%

2次試験の合格率は平均して58%前後で、一次試験と比べ合格率は比較的高めです。
二次試験の試験内容は論文とプレゼンテーションです。論文はインテリアに関する課題が与えられ、それに対して的確な解答を記述で表現します。

またプレゼンテーションはインテリア計画を図面や着彩により、分かりやすく表現します。

一次試験と比べ合格率が高い要因としては、二次試験を受験するには一次試験に合格しなければならず、必然的にインテリアに関する一定の知識が備わっているからです。

インテリアコーディネーター資格の合格率が低い理由


インテリアコーディネーターの一次、二次試験を合わせた合格率はおよそ24%です。
資格試験としては平均的に低めです。なぜここまで低くなっているのでしょうか。
理由を3つほど挙げてみます。

一次試験の出題範囲が広い

先ほど出題範囲を記載しましたが、一次試験はとにかく覚えるべき内容が多く、あまり勉強時間が取れない人などは試験日までに万全の体制を作れなくなる可能性が高いです。

試験時間は160分で出題数は50問です。
時間配分を間違えると間に合わなくなることも考えられます。
合格ラインは公表されていませんが、およそ70%以上の正答率がなければ厳しいと言われています。

二次試験の製図が壁になる

無事一次試験を突破したあとは二次試験として論文とプレゼンテーションが出題されます。

その中でプレゼンテーションでは製図を行います。
この製図で減点されてしまう人が多いです。
製図には基本的なルールが多くあり、普段から製図に携わっている人には特に難しいことではありませんが、慣れていない人にとっては製図の基本をある程度学ぶ必要があります。

また提示される課題は毎回違いますので、対策がしづらいことも合格率を下げる要因となっています。

受験資格を問われないため誰でも受験可能

インテリアコーディネーターの資格試験には受験資格がありません。
学歴、年齢、経験、職業などが問われないので充分な知識がなくとも受験が可能です。
建築知識があるからといって気軽に受験を試みる人、記念や経験のために受験する人などもいると考えられます。

そういった受験者が多いことが全体の合格率低下にもつながっていると言えます。

勉強方法

それでは資格合格のためにはどのような勉強方法が必要なのでしょうか。
ここでは一次、二次試験それぞれの対策について解説します。

一次試験対策

一次試験と二次試験のそれぞれの合格率を比較すると、一次で平均33%、二次で平均58%程度です。
そもそも二次試験を受ける前に落とされている方が多いということになりますので一次試験を突破さえすれば資格取得まで一気に近づくと言えます。

一次試験対策はとにかく暗記と問題傾向に慣れることです。
計画をしっかり立てて行いましょう。
流れとしては下記の要領で行うとよいでしょう。

1.参考書は最新のものを一冊準備し、ひととおり読む。
2.5〜7年分が収録された過去問集を一冊購入し、全てを1週ずつこなし分からないところを洗い出す。
3.分からないところを重点的に参考書で暗記し直す。
4.再度、過去問をやってみる。
5.3〜4を分からないところがなくなるまで繰り返す。

また、独学がどうしても難しい場合には各教育機関が実施している講座を受講するのもよいでしょう。
プロの講師から直接アドバイスを頂けるだけでなく、それぞれの講座独自の精度の高い学習計画を立ててもらえ、独自の問題集を入手することができます。

費用は掛かりますが、合格率が高まることは間違いないでしょう。

二次試験対策

一次試験に合格するだけの知識を身に着けていれば知識面では問題ないでしょう。
二次試験の問題は論文とプレゼンテーションになりますので、論文では自身の言葉で課題に対する解答を行い、プレゼンテーションでは課題に対して製図を行い、着彩を施し分かりやすく表現することが問われます。

二次試験は一次試験よりも技術面を重視した問題となっています。
正直二次試験対策は独学では厳しいと言われていますが、決して不可能ではありません。
まず論文対策としてはインテリアコーディネーターの論文対策用参考書を一冊購入し、出題傾向と解答例を確認しましょう。

そこから実際に解いてみてどの程度の時間が掛かるのかを押さえましょう。

一次試験に合格できるレベルの知識であれば、どんな課題であっても「そもそも理解ができない」ということはないはずです。

問題はプレゼンテーションです。製図に対してまったく経験がないのであれば、まず図面の描き方の基本から学ぶ必要があります。

二次試験対策専用の参考書なども市販されていますので、まずは購入し基礎を学びましょう。

基礎を身に着けたらあとはひたすら製図練習です。
どれだけ準備をしていっても出題される課題は分かりませんので、結局はその場の対応力を求められます。

どんな課題がきても迷わないよう、徹底的に体に覚えさせることが重要です。

関連資格と難易度比較

ここではインテリアコーディネーターと関連のある資格についてとその難易度について紹介します。

インテリアプランナー

インテリアプランナーはインテリアコーディネーターに名前がとても似ている資格ですが、仕事内容は違います。

インテリアコーディネーターの仕事は出来上がった空間に対してのインテリアを構築していくことですが、インテリアプランナーはインテリア空間を総合的に構築、設計する仕事です。

魅力的なインテリア空間を構築することはもちろん、環境や経済的合理性も考慮し、設計を行います。

建築士の業務と共通する部分もあるので設計寄りの資格で、資格取得者の80%は建築士です。
工事監理を行うこともあります。

合格率は平均して24%前後でインテリアコーディネーター同様低めです。特に設計製図の課題は試験時間が6時間もあり、製図がメインの試験といえます。

インテリア設計士

インテリア設計士はインテリアを踏まえながら建物設計を行うのではなく、インテリアデザインに特化して生活空間を提案するプロです。

インテリアコーディネーターのように直接販売することは無く、インテリアプランナーのように工事監理を行うこともありません。

住宅や商業施設、公共施設などのインテリア設計を主に行います。
資格には1級と2級があり、1級は2級よりも高度な知識を有していることを証明できます。

合格率は2級で約80%、1級で約50%でインテリアコーディネーターと比較して高めです。

キッチンスペシャリスト

キッチンスペシャリストはキッチン空間に関して総合的に提案をすることができます。
建築知識、給排水やガスや電気などの設備知識についても熟知していなければならず、取得者は住設メーカーや設備工事会社などで活躍しています。

資格試験には学科と実技があり、総合的な合格率は33%程度です。

マンションリフォームマネージャー

マンションリフォームマネージャーはマンションの大規模修繕、専有部のリフォーム工事などの工事に関することから、中古マンション売買、マンション管理などマンションに関わる幅広い分野でマネジメントを行うマンションのスペシャリストです。

戸建て住宅に特化しているインテリアコーディネーターと比較し、こちらはマンションリフォームに特化しています。

試験は学科試験と設計製図、マンションリフォームのプランニング試験に分かれており、総合的な合格率は35%程度です。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは建築面、介護面、医療面の多角的な視点から高齢者や障害者が快適に暮らせる住環境をコーディネートするための資格です。

資格には1級〜3級があり、いずれも建築・介護・医療についての幅広い知識を身につける必要があります。

合格率は3級で40〜60%、2級で30〜50%と年度によって上下しますが、1級は常に10%未満という非常に低い合格率です。

照明コンサルタント

照明コンサルタントは住環境の照明だけでなく、自然光も含む光環境に特化したアドバイスや提案を行うための知識を有している資格です。

空間の採光計画や演出などを踏まえ器具の選定や提案を行います。インテリアコーディネーターと相性が良く、住環境と光環境を合わせた室内空間の提案を行うことができます。

合格率は平均して80%前後のため、しっかり学習を行っていれば合格は難しくないです。

資格取得のメリット

それではインテリアコーディネーターについてある程度分かってきたところで、次に資格を取得することで具体的にはどのようなメリットがあるのかお伝えします。

インテリア知識が備わっていることを証明できる

何の資格もない人から提案されるよりも、インテリア知識が備わっている人から提案された方がいいのは誰でも一緒です。

インテリアコーディネーターの資格は知識が備わっていることを証明できる資格ですので、初めてのお客様であっても「私はインテリアコーディネーターです。」とはじめに話しておけばその後の商談もスムーズとなり、受注率も上がるでしょう。

就職や転職に有利となる

インテリアコーディネーターは年々人気が高まっている資格です。
インテリア関連の仕事の募集要項にもインテリアコーディネーター有資格を優遇するような文言があることも多くなってきています。

インテリアコーディネーターは無資格でも仕事をすることは可能ですが、有資格者の方が有利になることは間違いないです。

自宅を魅力的にできる

インテリアコーディネーター資格で得たインテリア知識は、当然自宅をコーディネートする際にも役立ちます。

自分の部屋の家具配置などにこだわってみたりすることで、居心地のいい空間で生活することができるようになります。

また友達や近所などからも羨ましがられることは必至でしょう。「自分の家もやってほしい。」など思わぬ仕事に繋がるきっかけになるかもしれません。

インテリアコーディネーターを取得しての成功事例・転職事例

インテリアコーディネーター取得→受注精度50%アップ!

私は資格を取得する前からインテリアコーディネーターとしてお客様にご提案をさせて頂いておりましたが、周りの先輩に比べて受注数があまりとれていませんでした。

やはり資格が必要だと思い、インテリアコーディネーターの資格取得を目指して学習を始めましたが、学習をしていく中で、今まではお客様の立場ではなく、自分が良いと思っているものを押し付けているだけだったということに気づきました。

他にもインテリア計画をする上で大事なことや技術など、知らなかったことを学ぶことができました。

資格を取得した今では我流でやっていた頃に比べ、提案から受注に繋がる割合が上がりました。正確には計れたわけではありませんが、体感的には50%程度上がったと思います。

照明コンサルタントも取得→依頼件数30%アップ!

私は個人でインテリアコーディネーターをしています。
お客様の紹介続きで順調に依頼はあったのですが、新規顧客の獲得が伸び悩んでいました。
何か差別化を図らなければと思っていたところ、照明コンサルタントという資格があることを知りました。

照明の提案もできれば、お客様の役に今以上にもっと立てると考え、資格を取得しました。
思ったとおりインテリアと照明や採光を総合的に考えたコーディネートはとても好評で新規でのご依頼件数は取得前に比べ、30%ほど増えました。

施工管理技士→インテリアコーディネーターへ転職

以前は施工管理技士をしていましたが、インテリアコーディネーターへ転職しました。

子供の頃から、建築が好きだと思っており、大学の専攻も建築系でした。
女性施工管理技士も増えているということもあり、私も施工管理技士となりました。
たまたまインテリア系の雑誌を見ていた時にとても楽しくて、よく考えれば自分は建築が好きというよりもインテリア空間が好きだったんだと気づきました。

前職には何の不満もなく好きな職場でしたが、どうしてもインテリアコーディネーターになりたかったので、退職し現在の会社に転職しました。

インテリアコーディネーター資格も取得し、今は施工管理技士の頃の技術を活かしつつ毎日楽しく過ごしています。

まとめ


今回はインテリアコーディネーターについて解説しました。

インテリアを整えることは単におしゃれな空間づくりを目指すだけでなく、心が安らげる場所をつくることで、結果的に人の精神状態を整えることにも繋がる重要なことと言えます。

インテリアコーディネーターは、そんなインテリアを他者に提案することができる大事な仕事です。
この記事がインテリアコーディネーターに興味を持つきっかけになれば幸いです。

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