パーティクルボードは建物や家具などに使われています。
床や壁の下地材として使われることやパーティクルボードの表面に化粧板を貼ることなどで家具としても使われています。
パーティクルボードとは何なのかを解説していきます。
パーティクルボードとは
基材や芯材と言われる木質ボード類は種類によって分けられており、大きく分けて4種類となります。
ハードボード・インシュレーションボード・MDF・パーティクルボードがあり、パーティクルボード以外の3種類はファイバーボードとも呼ばれています。
パーティクルボードとは
パーティクルボードは木材を砕いたチップにしたものを接着剤などで固めて板にしています。
一方、ハードボード・インシュレーションボード・MDFでは木材を繊維状にしたものを接着剤などで固めています。
それぞれに規定があり、密度の高いものから低いものまで規定されています。
パーティクルボードではチップを固めており、断面をよく見てみると表面と比べると中心部の木片の方が大きいように見えます。
パーティクルボードは広く利用されており、表面を緻密にして中心部を荒くすることで曲げ強度を確保しつつも加工しやすい構造となって製品もあります。
木質材料とは
木質材料とは木材の原料を大小、繊維状などのチップに分解して接着剤などを使って軸材料や面材料として成型した木材のことを指します。
いわゆる木材加工品のことです。
木材をそのまま使うよりも、強度を高めたり廃材や欠点を減少させるなどのメリットがあります。
軸材料は集成材などのことで、面材料は合板やファイバーボード、パーティクルボードなどがあります。
木材を木質材料として作り直すことで構造材や家具などの強度を上げることはもちろん、曲げ強度を高めて扱いやすくなるという利点があります。
パーティクルボードの種類
パーティクルボードには種類があり、厚みや強度の違いによって適した使用用途が分類されています。
単層
パーティクルボードの基本的な作りである単層のパーティクルボードがあります。
加工するチップは全て同じ形のチップを使用しており、ひとつの素材を混合して熱圧成型を施しています。
単層であるため強度が高くなくカットや加工が容易な素材であり、高い強度を必要としないインテリアなどの化粧板などに使用されることが一般的となっています。
多層
多層のパーティクルボードではチップの大きさの違う材料によって多くの層からなり、外側の層には小さなチップを使い、内側の層になるに連れてチップが大きくなっています。
このような構造であるため密度を小さくして重くならない構造となっています。
チップの大きさが違うことで多層のパーティクルボードは曲げる作業などが行いやすく扱いやすい作りとなっています。
3層
3層のパーティクルボードは最も多く利用されている構造のパーティクルボードとなっています。
大きめのチップで作られた層で小さなチップで作られた層を両面で挟む、3層の構造で作られています。
強度を必要としている用途にも使われることが多いパーティクルボードとなりますが、大きめのチップが両面から接着されているため、加工が大変になることもあります。
パーティクルボードのJIS規格品質
パーティクルボードはJISによって寸法や厚さ、性能、試験方法が規定されていますので、品質に大きなバラツキは少ない製品となっています。
サイズ
パーティクルボードの寸法や厚さの規定があり、パーティクルボードの形状や寸法にも種類が存在していることで分類が行われています。
厚さの規定によって寸法が異なっており、厚みが9mmから20mmまでに分類されて、それらの種類によって寸法が変わっています。
厚さによって9mmでは900×1820mm、20mmでは1210mm×2730mmとなっています。
表面・裏面の加工
表面と裏面の加工により種類が分かれています。
パーティクルボードは素地・単板張り・化粧用・構造用の大きく4つに分けられます。
両面に単板を貼ったものや両面または片面だけに化粧を施したものなどがあります。
家具の製作では加工しやすい薄い板を貼った単板張りパーティクルボードが使われています。
曲げに対する強さ
パーティクルボードの曲げ強度は18.0N/mm2以上の製品や13.0N/mm2以上、8.0N/mm2以上の製品があり、18タイプ・13タイプ・8タイプと呼ぶことが多いです。
数字が小さいものは強度が弱く、数字が大きくなるに連れて強度が高くなります。
使用用途によって必要な強度は変わってきますのでこの数字に注目して材料選定を行います。
水に対する強さ
建築資材としては耐水性がどうなのかに注目をしなければなりません。
パーティクルボードでも耐水性の規定が設けられています。
耐水性の規定では、普通・耐水1・耐水2の3つに分かれています。
使用する用途によって耐水性の低い材料では家具などに使用され、耐水1は下地剤など、耐水2は高い防水性が求められる場所に使用されています。
ホルムアルデヒドの放散量
住宅や建物の内装に使われる建築材料では発生する化学物質により室内の空気汚染が出る場合もあります。
その1つの数値としてホルムアルデヒドの数値があります。ホルムアルデヒドは目に目に見えないため、水に溶けることで消毒剤や防腐剤として使われています。
パーティクルボードではF1・F2・F3・適合なしに分類され、放散量の少ないものがF1と規定されています。
パーティクルボードのメリット
建築資材や家具などではパーティクルボードの他にも多くの材料がありますが、用途に合わせて選択できるパーティクルボードの魅力を考えていきましょう。
廃材や端材を利用する省エネ
無垢材を加工する場合には端材などが出てくるため、捨てる部分も多く発生することもあります。
また、廃材などがある場合でもそれらを利用してパーティクルボードとして利用することも可能となっています。
パーティクルボードの基本構造では環境に優しい資材となります。
素材を再利用することや木材のチップを加工することも可能となっています。
加工しやすい自由な材料
パーティクルボードでは木材のチップを集めて接着剤や熱圧成型によって製作しています。
そのため木材チップの量を調節することにより、パーティクルボードの幅や厚さなどを自由に決めることも可能です。
木材チップを合わせた製品であるため、加工が容易であり、曲げや切り出しなどで目的に合わせた自由な資材となっています。
一定の材質が保証されている
パーティクルボードでは製造過程で接着剤を使用して木材チップを結合させて熱圧成型することにより、材質にムラが少なく均一な作りとなっています。
テーブルやテレビ台、本棚などの組み立て家具、内装材や壁・天井の下地材などの用途は多岐に渡ります。
単価が抑えられている割りには耐久性が高く、多くの利用用途に使用されています。
費用が安い
パーティクルボードは単板や切り出し木材などと比べると比較的価格が抑えられています。
使用する木材のサイズが大型化してくることで、価格は大きく上昇してしまいます。
そのためパーティクルボードを利用することで、費用を安く抑えられることも可能となります。
加工が行いやすいこともあり、寸法などを自由に選んで利用することができます。
断熱性や遮音性に優れている
パーティクルボードの大きな特徴として、断熱性に優れた素材であるため住宅の壁などの下地に利用できる点があげられます。
寒さなどの対策には多く貢献できる資材となっています。
また、遮音性も高いため、音漏れの対策にも活用できます。
オーディオルームや子供部屋などの遮音性を保ちたい部屋には活用することができ、多様な用途に対応しています。
パーティクルボードのデメリット
パーティクルボードにもメリットは多くありますが、材料の特性などによるデメリットもありますので確認しましょう。
耐水性が弱い
パーティクルボードは木材チップを集めて結合したものであるため耐朽性は優れていますが、水分に弱いデメリットがあります。
雨や湿気などの水分が付着することで劣化を起こす恐れがあり、ひび割れや変形の原因となってしまいます。
キッチンや風呂場などの水回りへの施工は避けることが求められますが、その中でも耐久性のある合板などで覆うことも可能となります。
ネジや釘を止めにくい
パーティクルボードは単板や合板のように一枚の構造ではなく、細かい木質チップを合わせたもののため、釘やネジを使って留める場合にうまく留めることができないこともあります。
単板などに比べると、支える力が弱いので接着剤などで補強を施すことも必要な場合があります。
劣化しやすい
木質チップを集めたパーティクルボードでは、単板や合板のような単一の木材と比べると劣化が進みやすいというデメリットもあります。
そのため使用用途として重量物が乗る場所に使用することは少なく、重量がかかる場所では単板や合板を使用することが一般的です。
単板や合板よりも劣化が進みやすいですが、劣化しにくいような加工が施されている製品もあります。
長期荷重でたわみやすい
パーティクルボードでは構造用合板や単板と比べると、重さのあるものを長期間に渡って重要をかけることにより重さに耐えられずにたわみや歪みが発生することがあります。
天板や机、重量物を設置する床での使用は影響が出やすいです。
長期間荷重をかけることでどんなものでも影響が出るため注意が必要です。
切削面が荒くなる
パーティクルボードは加工を行なった場合の切削面が荒くなることがあります。
単一素材の木材とは違い、木材の特徴的な木目調を生かしたインテリアとしては施工できないため、デザインを重視する場合には注意が必要です。
パーティクルボードの加工例
パーティクルボードは多くの場所で利用されており、使用事例は多くあります。加工事例を参考に確認していきましょう。
事例1:室内の内張り
パーティクルボードは壁や天井の下地材として利用されることが多いです。
パーティクルボードの厚さは10mmから20mmの材料が使われています。
プライマー加工やプライマー用の紙でコーティングされた材料を使用することが多く、表面の収縮や膨張を避けるためにも空気が乾燥した室内空間で利用されています。
事例2:家具や本棚
パーティクルボードは無垢材などと比べると、安価なことや加工のしやすさにより大量生産の組み立て家具やカラーボックスなどに化粧材を貼った化粧パーティクルボードが利用されています。
チップの密度が低くて軽い家具ですが、接着剤で成型・熱圧してあることにより強度を保っています。
本棚では重量のある本を何冊も入れても安定感のある強度となっています。
事例3:スピーカーに利用
スピーカーは合板やMDF、パーティクルボードなどの材料から製作されています。
パーティクルボードで製作することで、低コストに大量生産が行いやすく、優れた音質を実現しています。
自作でスピーカー製作を行うこともでき、パーティクルボードの上に合板を重ねることでボードの切断面の劣化を抑えることができ、綺麗な仕上がりとなります。
まとめ
パーティクルボードは廃材などを再利用して制作することもでき、木質チップを接着剤や熱圧成型して製品化されています。
再利用品から制作することもできるため、エコな材料とも言われています。
パーティクルボードはJIS規格によりサイズなどが規定されているため、安心して利用することにつながります。
曲げ強度やホルムアルデヒドの放散量などの規定もあります。
加工しやすい特徴を持つパーティクルボードではメリットもデメリットもありますが、家具や下地材などの製品の特徴を活かした利用が行われています。
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