計装士の難易度は高い?資格取得のメリットや将来性、転職事例なども詳しくご紹介します。

一般の人にはあまり耳にしない資格として計装士の資格があります。
建設業界では目立つ資格とは言えませんが、機器のシステムから企業の業務システムなどの上流から下流まで全ての計装システムの管理・施工に携わることとなります。

計装士とは


計装とは生産工程などで必要とされる制御を行うために測定装置や制御装置などを装備して測定を行うことを言います。

計装士の資格試験とは、計装に関する技能検定となります。

仕事内容

計装士は制御が必要な測定装置や制御装置などを操作する専門家ですので、様々な装置やシステムの取付工事・設計・工事管理を行います。

現在では個々の装置の制御から、経営に関わるシステムまで多岐にわたる計装装置が導入されていることで、計装士の仕事の幅はどんどん広がっています。

生産設備の機器構成や計器構成をもとにしてシステムの構成や配線系統図、配線平面図を作成することもあり、IT関連の知識から電気設備や機械設備などの幅広い知識が求められます。

将来性

計装士は1級と2級に分かれており、最終的には1級計装士として活躍することでキャリアアップや転職などに役立つこととなります。

キャリアを考える上で選択肢が幅広くなることはもちろん、工場や施設の運営業務、管理などの施設の安全確保に従事することとなります。

電気工事会社や建設業関連の会社などの幅広い求人があるため、小規模な施設から高層ビルなどの大規模な施設でも働くことが可能です。

手に職をつけることで一生涯の仕事となり得ます。

1級と2級の違い

計装士の資格には1級と2級にわかれています。
1級計装士の資格の範囲から積算の部分を除いたものが2級計装士の資格試験の範囲となります。

2級計装士の資格では中級程度の技術者が有しているべき知識や技術を要求されます。
また1級計装士では上級の技術者が有しているべき知識や技術を要求されます。
どちらの資格試験でも学科試験と実地試験から構成されています。
また、いずれの資格試験でも実務経験がなければ難易度の高い試験内容となっているものの、日常的に現場で実務経験のある方であれば難易度は高くはありません。

1級の試験について


1級計装士の資格試験は一般社団法人日本計装工業会が認定する民間資格として設定されています。

計装士の資格では建設会社や電気工事会社などの計装工事に従事する方であれば実務経験を積んだ上で取得することで、業界内での地位を確立することにつながります。

1級の資格では図面作成や工事監理だけではなく、積算も行うことになるため、工事現場や会社内でも管理する立場となることが多いです。

受験資格

1級計装士の資格では計装工事の設計や施工、施工管理などの実務経験が5年以上ある方の中で指導や監督的な立場として実務経験が1年以上ある方に受験資格を付与しています。

計装士の資格試験では施工現場や施工管理などにより実際に経験しなければわからないことが多く出題されることもあります。

1級計装士では積算に関する問題も出題されるため、現場内で活躍している方よりは社内や現場内で指導的な立場にいる方の受験が多くなります。

試験内容

1級計装士試験は学科試験と実地試験の2つに分かれています。
学科試験はマークシート形式での試験であり、学科AとBの2つがあります。
学科Aでは計装工事に関する一般知識や計装設備に関する知識が出題されます。
学科Bではプラント設備やビル設備に関する施工管理などの知識や計装工事に関わる関連法令に関する知識が問われます。

実地試験では記述式となっており、計装設備計画や計装設備設計図などに関する知識を問われることとなります。

合格基準・難易度

1級計装士の試験では学科試験と実地試験ともに合格基準として55%から65%以上の正解率となっています。

試験の難易度や全体の正解率などを勘案して合格基準が設定されるため、いつも同じ合格基準とはなっていません。

学科試験の合格率は60%程度、実地試験が70%から80%となっています。

2級の試験について

2級計装士の資格試験は一般社団法人日本計装工業会が認定する民間資格として設定されています。

自動制御機器やシステムなどの取り付けや設定、それらに関する配線工事の設計、工事監理を行うこととなります。

計装士の資格では建設会社や電気工事会社などの計装工事に従事する方が多くなっています。

現場での実務経験を積んだ上で2級計装士の資格を取得することで、業界内での地震の地位を確立することとなります。

現場で働いていることがプラスとなる資格試験であり、現場での経験を活かして資格試験に挑みやすくなっています。

受験資格

2級計装士の資格試験では計装工事の設計や施工の実務経験が2年以上の方に対して受験資格を付与しています。

1級計装士とは違い、積算に関する知識を求められていないこともあり、現場にて施工を経験している方でも手軽に受験することが可能となっています。

積算を行う方では管理職などの方が多いかもしれませんが、施工や施工管理などの知識を持っているだけで現場で活躍している方々の資格取得を支援しています。

試験内容

2級計装士の資格試験は学科試験と実地試験の2種類に分かれています。
学科試験の中でも学科Aと学科Bの2つに分かれています。
学科試験はマークシートでの回答となり、学科Aでは計装に関する一般知識やプラント・ビルに関する計装設備に関する問題が出題されます。

学科Bではプラント設備やビル設備に関する施工管理や計装工事関連の法令について回答します。
実地試験では計装設備計画や計装設備の設計図等に関する問題があります。

合格基準・難易度

2級計装士の合格基準は正答率が55%から65%以上とされています。
合格率は学科試験が60%から70%ほどあり、実地試験の合格率は70%から90%となっています。

学科試験で合格することにより、日々の仕事で実務経験を行っていることにより実地試験での合格率は高くなっています。

計装士は独学可能か


計装士の試験ではどのように勉強を進めていけば良いのでしょうか。
毎年全国4地区において2日間の講習も開催されており、講習会に参加してから試験に挑むことが推奨されています。

テキストをもらうことが可能であるため受験対策としても有効です。
仕事などで時間のない方でも独学での勉強で合格することは可能なのでしょうか。

必要な勉強時間

計装士の資格は建設業界内での転職にも有効となる資格であり、実務経験だけで簡単に合格できる資格でもありません。

講習会では2日間かけて講習を受けるため、独学で勉強する場合ではさらに時間が必要となります。

講習会で配布される参考書もなければ、効率よく勉強することもできないため購入した参考書を何時間でもやりこむ必要があります。

日本計装工業会では前年度の参考書の販売も行っているため、現場で仕事をしながら数ヶ月前から試験の準備をする必要があります。

おすすめの勉強方法

おすすめとされている勉強方法は講習会に参加することとされています。
講習会で配布される参考書が試験対策として有効活用されることもあり、効率良く勉強することができます。

日々の実務経験によって試験の対策を行うことも可能ですが、独学で勉強を行うだけでは有効に勉強を進めることは難しいでしょう。

法令や施工管理などの学科試験や実地試験などでは仕事で行うことよりも細かい問題などもあり、細部まで勉強を行う必要があります。

関連資格との難易度比較


計装士は建設業界での資格の一部となっています。
建設業界で有効とされているその他の資格と比較して確認していきましょう。

管工事施工管理技士との比較

管工事施工管理技士の資格では受験資格が学歴などによって実務経験の年数が定められていますので、誰にでも簡単に受験することはできません。

その中でも合格率は50%から60%程度となっています。
1級と2級に分けられており、1級では受験資格がさらに厳しくなっていることで試験の難易度は高くなっています。

実務経験が必要となるため働きながらの仕事となることで、仕事の時間と勉強の時間を確保する必要があるため簡単な資格試験ではありません。

建築設備士との比較

建築設備士では受験資格が学歴により年数が定められており、そのほかにも一級建築士や一級電気工事施工管理技士などの国家資格を保有している場合の実務経験年数が定められています。

施工の現場ではなく、設計事務所などで仕事をしている方が多く受験しています。
合格率は一次試験では30%前後、二次試験では50%前後となっており、総合の合格率は15%から20%程度となっています。

建設業界における資格の中でも特に高い難易度となっています。

建築施工管理技士との比較

建築施工管理技士は一次検定と二次検定に分かれており、建築工事の施工現場で施工管理を行う方には必須となる資格となります。

1級建築施工管理技士の合格率は一次検定では40%から50%前後、二次検定では35%から45%前後となっています。

建築工事に関する施工管理の仕事であるため出題範囲が広いことが特徴となっています。
2級では受験資格が緩いこともあり、合格率は低くなっていますが、出題範囲が広いため勉強を行うことは大変な作業となります。

計装士を取得しての転職事例


計装士を取得することで計装工事会社だけではなく、建設業界での仕事を有利に進めることができます。

資格取得を行うことで信頼性を高く担保して仕事をすることにつながります。

事例1:1級計装士を取得して難しい仕事に挑戦

計装工事を行う会社で2級計装士の資格を取得していましたが、会社からの勧めにより1級計装士の資格を取得を行いました。

1級を取得することで現場での施工から施工管理、設計、積算などの計装に関する仕事を管理する立場となっています。

建設会社の施工管理担当者とともに仕事をすることにより、新たな情報や難しい仕事などに挑戦する機会が増えています。

事例2:管工事施工管理技士の資格を取得して有効活用

計装士を取得していましたが、仕事の関係で管工事施工管理技士の資格も取得しました。
管工事施工管理技士の仕事の範囲でも計装工事の内容を理解している必要はあるため、管工事に関するシステムの内容を理解しながら仕事をすることができます。

計装工事を理解しているため、システムを丸投げすることもなく理解して指示を出せています。

事例3:計装士を取得したことで転職の幅が広がった

転職を考えていましたが、募集している企業の方に計装士の資格に注目してもらえました。
計装士を取得して仕事をしていましたが、注目をもらえる資格だとは認識していませんでした。

そのため計装士を利用して転職しましたが、希望の収入を得ることにつながっています。
以前の会社では年収が400万円ほどでしたが、転職により100万円ほど年収が上がっています。

また、新たな挑戦もできています。

まとめ


計装士の資格試験では幅広い試験内容が出題されます。
現代ではシステムを利用している設備は多くあり、幅広い分野で活躍することができます。

計装士の資格試験は開催される講習会で勉強を行うことが効率的です。
計装士の試験は現場で施工を行っている方には有利となっており、受験資格でも実務経験が必須となっています。

施工から設計、積算まで計装工事の全てにおいて関わることが可能となっており、建設業全般において活躍することが可能となっています。

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