建築士の転職先とは?転職のポイントやおすすめの業種、転職事例など詳しくご紹介!

建設業界では難関資格である建築士資格ですが、建築士が転職する際にはどのようなメリットやデメリットがあるかご存じでしょうか。

この記事では、建築士から転職する際のメリットやデメリット、転職する際のポイントや建築士の転職市場など、詳しく解説しています。

また、おすすめの転職先についても紹介していますので、転職をお考えの方はぜひ最後までお読みいただきご活用ください。

建築士とは

建築士とは、一定以上規模の建築物における、設計業務を行う専門家のことです。
建築士は国家資格で、一級と二級の他に木造建築士を加えた三種類があります。
本記事では一級建築士及び、二級建築士に関してご紹介しています。

仕事内容

建築士の主な仕事内容は、以下のような業務となります。

・建築物の設計及び工事監理
・建築主に対する重要事項の説明
・建築工事の指導及び監理
・建築工事に関する契約手続き
・建築物に関する調査及び鑑定

建築士は、建築基準法をはじめとした建築に関する法規に基づき、一般住宅をはじめ、マンションやビル、施設などさまざまな建物を設計します。

その設計図を基に、建設現場において設計図に沿った工事が行われているか監理し、指導及び監督をするのが主な仕事です。

また、建築主に対する設計の説明や、契約に関する手続き及び重要事項の説明など、建築士の仕事は責任が重いという特徴もあります。

一級と二級の違い

一級建築士と二級建築士の違いは、設計できる建築物の上限です。
二級建築士は延床面積が500㎡以下となります。
一級建築士では、設計できる建築物の上限はありません。

そのほか、免状の交付先が異なります。
二級建築士の免状は都道府県知事より発行されますが、一級建築士は国土交通省が発行します。

一般住宅の建築を専門とした建築会社に勤めているのであれば、二級建築士の資格で十分であるといえます。

しかし、ゼネコンのような大きな規模の建物を手がけている場合は、一級建築士の資格が必要となります。

建築士の転職市場と将来性は?

国土交通省によると、建設業全体で、1997年には685万人いた建設業就業者は、2017年には498万人まで減少しています。

中でも建築士を含む建設技術者は、41万人から31万人まで大幅に減少しています。
建設技術者における、転職市場での有効求人倍率は、2013年の3.16倍以降徐々に増加し、2021年では5.3倍となり売り手市場であることがわかります。

建築士は新しい建物の建設だけでなく、老朽化した建物の取り壊しや建て替え時についても需要がある資格です。

そのため、需要は将来的にも安定していると考えられ、新型ウイルスの影響も受けにくい業界であるといえます。

売り手市場であることから、キャリアや働き方にこだわり持った転職が可能であり、年収アップやライフワークバランスの充実も実現できます。

建築士の転職のメリットとは

建築士が転職することによる、メリットについて解説します。

年収UPを狙える

転職によるメリットとしては、年収のアップが挙げられます。
年収ベースのアップや福利厚生などの待遇向上を期待するには、転職をすることが解決策となるケースは少なくありません。

今働いている会社で待遇や年収をアップすることが難しいと感じているのであれば、転職することで年収アップを狙うことができます。

やりたい仕事にキャリアチェンジできる

転職することで、これまでやりたかった仕事に挑戦したり、やりたくてもできなかった業務に携わることができる可能性があります。

やってみたいと思っていた仕事や他業種分野など、今の仕事の環境ではできないことに挑戦したいと考えているのであれば、転職することが最適解となるでしょう。

同業界への転職であっても、企業によってはこれまで従事できなかった業務に、携わることができる可能性があります。

自分がやりたいと考える仕事に、しっかり向き合うチャンスとなるでしょう。

働き方の改善が見込める

現在の職場の環境にもよりますが、以下のような労働環境を転職によって改善できる可能性があります。

・労働時間が長い
・上司からのハラスメント
・休暇が取れない・休日出勤が多い
・出張や転勤が多い

このような環境を改善し、ライフワークバランスを充実させたいと考えている場合、現在の職場環境を改善するよりも、転職する方が目的を達成しやすいといえます。

異業種への挑戦や新しい人間関係構築が可能

建築士の仕事では、スケジュールの管理能力やコミュニケーション能力、またはマネジメントに関するスキルが身についているでしょう。

転職する際には、経験や資格を活かした同業他社への転職以外に、これまで磨いたスキルを活かして全く異なる業種に挑戦することも可能です。

また、現在の職場において人間関係に悩んでいる場合、異業種に転職することでこれまでの人間関係をリセットし、新たなスタートを切ることができるでしょう。

建築士の転職にデメリットはあるか

建築士が転職することによる、デメリットについて解説していきます。

思うような年収UPが叶わない場合も

転職する企業によっては、年収アップが叶わないこともあります。
一般的な転職において、一時的な年収ダウンが発生することはあります。
しかし、報酬を決定する評価制度が曖昧な企業に転職する、自身の能力以上を要求される企業へ転職するなどの場合では、正確な評価がされず年収は思うようにアップしません。

多忙になりすぎる可能性

建設業界は人材不足であり、求人倍率が高いということは人手不足であるということです。
また建築士資格は難易度の高い資格であり、特に一級建築士の資格者は多くありません。
そのため、転職先によっては建築士の資格者に対する負荷が多く、業務のボリュームが膨大になり多忙を極める生活になる可能性もあります。

人間関係がうまくいかない可能性

仕事は選べても、職場の動力の人間性まで選んで転職することはできません。
そのため、転職した企業の人間関係に悩まされる可能性はあります。
しかし、転職先の企業をしっかりリサーチすることで、多少回避することはできるでしょう。
離職率の高い企業や、長期にわたって求人募集をしているなど、問題のありそうな企業であるかどうか判断するヒントとなるでしょう。

建築士の転職先7選


建築士からの転職に、おすすめの業種を7つご紹介します。

ゼネコン

ゼネコンは建築士のキャリアを活かせる、代表的な転職先のひとつといえます。
公共工事の入札などにも建築士の在籍は有利となり、優遇される傾向があります。
そのため、中途採用枠での転職を狙いやすい職業となります。
ゼネコンでは、設計としての実績が豊富であれば設計業務の部署で活躍が期待できますが、多くの場合は営業所や建設現場における、工事監理や現場管理を任されることが多い傾向です。

特に大手ゼネコンでは、建築士の在籍数も多いため、設計業務に携わるにはライバルとなる建築士が多いことも念頭に置く必要があります。

設計事務所

設計事務所には比較的規模の大きな案件を扱う「組織系設計事務所」と、小規模な案件を扱うことの多い「アトリエ系設計事務所」のふたつがあります。

組織系設計事務所には、さらに「意匠設計」「構造設計」「設備設計」といった分類があり、それぞれの得意分野によって異なります。

転職の際は、自身の得意分野ややりたい設計分野によって、設計事務所を精査する必要があります。

組織系設計事務所では部門ごとに分かれた配属となるため、担当となる業務を中心として業務を行うことが多いでしょう。

組織系設計事務所には分業体制が整っている傾向がありますが、アトリエ系設計事務所は小規模なため業務範囲が広くなる傾向があります。

デベロッパー

デベロッパーは、土地開発や企画、販売を手掛ける仕事です。
建築士の仕事は建物を造る仕事ですが、デベロッパーでは開発から販売までを行います。
不動産の関連知識が必要になりますが、建築や設計の知識が活かせる業種となります。
また、建築士としてのコミュニケーション能力や、交渉力といったスキルが大いに役に立つ業種でもあり、需要の高い業界でもあります。

PM/CM会社

PM(プロジェクトマネジメント)や、CM(コンストラクションマネジメント)会社も建築士からの転職先としておすすめです。

PMやCMは、都市計画や建設プロジェクトをマネジメントし、工期の遅延や予算超過を防止するコンサルティング業務です。

工事発注方式の選定や、設計に関する助言や工程・品質などの管理といったマネジメントなど、契約によって業務はさまざまです。

比較的大きな規模の工事に携わることが多く、一級建築士の資格者が優遇される仕事です。

建設コンサルタント会社

建設コンサルタントとは、商業施設や公共施設・公共交通機関など大きな規模の建築地域調査、地域住民との折衝といった業務を行います。

また、行った調査結果をもとに事業計画を作成し、構造設計や積算などを行います。
建設コンサルタント業では手掛ける事業によって、さまざまな業務が発生しますが、建築士の経験が非常に役立つ業務です。

ハウスメーカー

ハウスメーカーには全国規模の大手ハウスメーカーと、地域密着型の小規模ハウスメーカーがあります。

大手ハウスメーカーでは、独自設計規格の住宅を販売しており、建築士であれば優遇されやすい転職先としておすすめできます。

また、地域密着型のハウスメーカーでは、ライフワークバランスを重視した働き方を実現しやすく、労働環境を重視した転職を叶えやすいといえます。

ハウスメーカーは求人が出る頻度も高めで、中途採用での転職ではハードルが低い傾向にあることも魅力のひとつです。

店舗設計やインテリアデザイン

建設会社以外の事業が手掛けている、インテリア事業や店舗の設計部門なども、建築士であれば転職可能です。

衣料や飲食の事業を展開している、大手小売業などの店舗デザインや施工管理の部署などで活躍することもできるでしょう。

転職のポイントとは

建築士からの転職を成功させるために、押さえておきたいポイントについて解説します。

やりたいこと・積みたいキャリアを明確にする

建築士が担うことができる仕事は多岐に渡るため転職先は非常に多く、設計業務だけをみても意匠設計・構造設計・設備設計と、深い知識を必要とする専門分野が存在します。

さらにプランニングやコンサルティング、工事監理や施工管理など非常に幅広い職種でキャリアを積むことができるチャンスがあるといえます。

そのため、転職に際しては自身のキャリア形成を明確にしておかなければ、転職先での業務と望んだ業務に違いが生じてしまうことがあります。

事前にどんなキャリアを積みたいのか、どんな仕事がしたいのかについて明確にしておくことが重要です。

業界に詳しい転職エージェントを活用する

転職エージェントにも、得意とする業界があります。
IT業界に特化したエージェントや、建設・土木に特化したエージェントもあります。
そのため、転職したい企業や職種が決まったら、その業界に詳しい転職エージェントを活用することが重要です。

転職先企業のリサーチと同様に、転職エージェントのリサーチをすることも非常に重要なポイントとなります。

建築士の転職・収入アップ事例

建築士からの転職に成功し、年収アップした事例をご紹介します。

事例1|大手ゼネコンへ転職(年収480万円→670万円)

個人経営の意匠設計を手掛ける設計事務所に勤めていたUさん。
会社の規模が小さく請負う仕事も小規模であり、Uさんはキャリアアップして年収をアップしたいと考えていました。

前職の企業規模では建築士の資格があっても、これ以上年収アップは難しいと感じていたこともあり、転職を考えるようになったそうです。

転職エージェントは建設業に特化したエージェントを選び、大手ゼネコンからのオファーを獲得します。

ゼネコンでは規模の大きなプロジェクトを任されるようになり、年収も大幅にアップし嬉しそうでした。

事例2|地方の設計事務所へ転職(年収450万円→550万円)

建築士として建築会社で働いていたEさんは、現職の会社での業務量が多く、深夜に帰宅する毎日でした。

そのため、家族との時間が取れないことがストレスとなっていました。
そこで、転職することを決意し転職エージェントに相談することにしました。
エージェントと話し合ううちに、地方都市にある設計事務所が自分の希望と非常に合っていることがわかりました。

家族とも相談し、地方の設計事務所に転職することにしました。
転職後は家族との時間も増えたうえ、これまでのキャリアが評価され年収もアップしたため家族も非常に喜んでいるとのことです。

事例3|コンサルティング会社に転職(年収510万円→640万円)

設計事務所で働いていたWさんは、建築士として培ったスキルを活かして、コンサルティングの仕事に挑戦したいと考えていました。

そこで転職エージェントに相談したところ、これまでWさんが担当してきた経験から、コンストラクションマネジメントを紹介されました。

Wさんは転職を決意し、これまでやりたいと考えていたコンサルティングの仕事に挑戦することにします。

現在はコンストラクションマネージャーとして、さまざまな建設プロジェクトを手掛けており、これまでに培った交渉スキルやプランニングスキルが認められ、年収も大幅にアップしてますますやる気に満ちていると話してくれていました。

まとめ


建築士は担える業務が幅広く、さまざまな職種に転職することが可能です。
建築士の仕事に従事することで、磨かれるスキルが多くあり、難関資格を取得しているという事実も評価の対象となる傾向です。

また、建築の知識を活用できる職種が幅広く存在し、経験によって磨かれるスキルが他の職種でも需要が高いといえます。

今後のキャリアアップや年収アップを考えておられる方は、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

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