施工管理の適性とは？必要なスキルや向いていない人の特徴など詳しく説明します！

建設工事の現場において、建築・電気・設備・外構などさまざまな専門職を取りまとめ、工事を完成まで導くのが施工管理です。

施工管理にはどのような適性が必要なのでしょうか。
施工管理という業務にとっての重要なスキルや、施工管理に向いてない人の特徴など、詳しく解説します。

施工管理とは

建設工事に不可欠となる施工管理技士とはどのような仕事か、まずは仕事内容や主に活躍するフィールドについて解説します。

仕事内容

施工管理とは、建設工事の現場技術者を指揮管理する立場であり、工事全体を管理する仕事となります。

工事のスケジュールや予算、現場や周辺地域の安全への配慮、建築する建物の施工品質の管理などが主な内容です。

施工管理を行うには、国家資格である施工管理技士の資格が必要となります。

無資格でも施工管理の仕事は可能ですが、建設現場に必ず必要となる「主任技術者」となれるのは施工管理技士資格者となります。

施工管理技士が管理する業務として、「４大管理項目」と呼ばれる重要な4つの管理項目があり、それは以下の内容となります。

・原価管理｜建設工事にかかる予算、人件費や材料費などの管理を行う。
・工程管理｜建設工事が完成するまでの、工事スケジュールの管理を行う。
・品質管理｜建物が設計図面や仕様書の通りに施工できているか管理する。
・安全管理｜建設現場や周辺、及び作業員の安全や工事の安全性を管理する。

施工管理の主な現場

施工管理技士には、扱う工事の分類によってさまざまな種類があります。
施工管理が活躍するのは主に建設現場となりますが、施工管理技士資格の種類によって活躍する現場が異なります。

主な施工管理技士資格と分類について、概要は以下の通りとなります。

・建築施工管理技士｜建築工事の全般を管理する。
・電気工事施工管理技士｜変電設備や送配電設備の工事を管理する。
・電気通信工事施工管理技士｜インターネットや電話など通信設備工事を管理する。
・土木施工管理技士｜道路や橋、トンネルや外構などの土木工事を管理する。
・管工事施工管理技士｜空調や換気のダクトや、上下水道の配管工事を管理する。
・造園施工管理技士｜公園や庭園、外構などの造園工事を管理する。
・建設機械施工技師｜クレーンやブルドーザーなどの建設機械工事を管理する。

上記の通り、施工管理資格にはさまざまあり、携わる建設工事の現場によって必要となる資格が異なります。

施工管理に求められる能力5選

施工管理という仕事をする際に、求められるスキルや能力にはどのようなものがあるか、特に重要なポイントを5つピックアップしてご紹介します。

コミュニケーション能力

施工管理は多くの技術職作業員やメーカーと、コミュニケーションを重ねながら現場を指揮していきます。

また、建築主や事業主からの要望を聞いたり、交渉したりと何かとコミュニケーションが必要となる仕事です。

施工管理にはコミュニケーション能力は、必須といえるでしょう。

マネジメント能力

建設現場では多くの技術職作業員が、専門分野ごとに分かれて作業を行います。
その専門職である作業員をまとめあげ、技術を集結させる指揮を取ります。
現場を安全に運営し、部下の指導や作業員の管理をするためには、マネジメント能力が必要となります。

スケジュール管理

建設工事には、工事を完成させる期日が決まっています。
そのため工事のスケジュールは、緻密に計算された計画に則り算出されています。
しかし、工事資材の納期遅延や人員手配のトラブルなど、工事の遅れにつながるイレギュラーはつきものです。

また、天候によって工事が遅れることもあり、不測の災害などにより資材輸送が遅れるなどといったトラブルも考えられます。

そうしたさまざまなイレギュラーな事態でも、工事期間を延長することはなかなか難しいため、柔軟な工事工程の再検討が必要になります。

そのため、施工管理にとってスケジュール管理の能力は、非常に重要な能力となります。

リーダーシップ

建設現場での施工管理の立場は、工事を管理するリーダーです。
そのため施工管理には、リーダーシップが求められます。
建物を完成させるというゴールに向かって、作業員全員が一丸となって力を合わせるためには、強いリーダーシップが必要です。

施工管理は、完成まで作業員を導く立場であり、自信を持って先頭に立つリーダーであることが求められます。

ものづくりが好き

施工管理の仕事は建設工事によって、出来あがる建物が成果物となります。
基本的な部分ではありますが、ものづくりが好きな人にとっては、建設現場における施工管理は楽しんでできる仕事になるでしょう。

施工管理の仕事は多くの人と関わる仕事であり、苦しいこともある仕事です。
辛く苦しいと感じる時に、やはり「好きな仕事」であることは頑張れる要因となります。
建設工事を最後まで諦めず完成させることができるのは、そうした根底に「この仕事が好き」という思いがある人である場合が多いでしょう。

施工管理に向いてない人の特徴10選

施工管理の仕事が難しい、施工管理に向いていない人には、どのような傾向があるのかについて解説します。

コミュニケーションが苦手

施工管理の仕事は多くの人と関わりがあり、仕事上ではコミュニケーションを取らなければなりません。

そのため人と関わりを持ち、コミュニケーションを取ることが苦手な人は、施工管理には向いていないといえます。

作業員への指示や、施主からの要望に対する交渉など、相手の話を聞くだけでなくこちらからの発信力も求められます。

マネジメント能力がない

施工管理は建設工事の工程や原価をしっかりと管理し、作業員を監督する必要があります。
施工管理にはそうしたマネジメントの能力が必要となります。
管理経験が浅く、マネジメント能力が不足していると、建設現場では作業員への指示命令系統が停滞する事態になりかねません。

また、そうした管理状況の行き届かない現場では、安全への配慮が行き届かず不安全な状況となり、事故が起きやすい危険な環境となります。

スケジュール管理ができない

建設工事には工事を完了させる期限が決まっています。
工事スケジュールは綿密に計画されていますが、工事は計画通りに進むとは限りません。
多くの現場では資材の納期が遅れたり、天候によって遅延したりとスケジュールの見直しが必要になります。

そのため、スケジュール管理は施工管理にとって必須の能力であり、的確なスケジュールの管理が苦手な人は施工管理には向いていないといえます。

臨機応変な対応が苦手

建設工事は施主や事業主からの要望により、仕様が変更されたり天候によって工程が変更になったりと、想定と異なる状況が発生します。

施工管理はそうした不測の状況においては、臨機応変な対応が求められます。
事前に計画していた通りでは工事の工程が間に合わない、もしくは予算内に収まらないなど見直さなければならないことを優先順位を決めて解決します。

そうした臨機応変で迅速な対応と解決策の提示ができなければ、施工管理の仕事は難しいといえるでしょう。

なんでも自分でやろうとする

建設工事はさまざまな専門職が、知識と技術を結集させて完成します。
それは施工管理であっても同様です。
建設工事は全体がチームとなり、団結して力を合わせて作り上げるものです。
自分ひとりでなんでもやろうとすることは、他の人がフォローできない状況を自ら作ってしまうことになり、結果的に自分を孤立させることにもつながります。

チーム全体のことを考え、まとめることが施工管理の仕事であり、自らがひとりで仕事をしようとする人は施工管理には向いていません。

気が弱い・体力がない

建設現場における多くの作業員は、職人と呼ばれる頑固で気難しい人が多く、その作業員たちに対して明確な指示を出し工事を遂行させる必要があります。

そのため、気が弱い人の場合では作業員とのコミュニケーションが図りづらく、適切な工事の進行を妨げるばかりか、場合によっては作業員を危険に晒す事態を招く恐れがあります。

また、現場監督や施工管理には体力は必要ないと言われがちですが、施工管理にとって体力は重要なポイントとなります。

日中は現場で管理を行い、現場が終わってからデスクワークとして工程の調整や見直し、資材のチェックや手配、工事進捗に合わせた安全区画の調整など仕事が膨大にあります。

あまり気が強すぎるのは考えものですが、気が弱く体力がない人には施工管理の仕事は向いていないといえるでしょう。

仕事が大雑把

建設工事はものづくりの仕事であり、雑な仕事をする人には向いていません。
施工管理の仕事では、設計図面や仕様書に基づいて丁寧な工事が求められます。
安全管理においては作業員だけでなく、事業主や周辺近隣環境への配慮も考慮する必要があります。
細かな気配りと配慮が求められる施工管理の仕事において、大雑把な仕事をする人は不適合であるといわざるを得ません。

危険予測・危険回避ができない

建設現場には危険が伴う作業が多く存在します。
また、環境としても危険が多く存在します。
そのため、施工管理の仕事において、どのような作業にはどのような危険があり、どのような危険回避策があるかを考え、事前に対応しなければなりません。

危険を事前に予測し、回避する策を考慮し対策を実行することが施工管理の仕事です。
自分の身の危険だけでなく、仲間の危険を取り除き、安全に作業を実行できる環境を作ることが重要であり、そのためには危険を予測する力が必要となります。

関係者への礼儀に欠ける

建設工事を依頼する事業主や施主にとって、施工管理とは工事を任せる管理者です。
その施工管理となる人が、礼節を欠いた態度では信頼に関わることとなります。
工事関係者に対する礼儀や礼節はもちろん近隣周辺に至るまで、現場の模範となる存在でなければなりません。

礼儀や礼節を欠いた人に、建設現場を任せたいと考えるような施主や事業主はいません。

ひとつのことを気にしすぎる

工事の小さな問題や人間関係など、日々起こる小さなトラブルや問題について、気にしすぎてしまう傾向のある人は施工管理は難しいかもしれません。

施工管理の仕事において、業務上で発生する問題は多岐に渡ります。
また、施工管理の業務量は膨大であり、ひとつのことだけに囚われていては他の業務が滞ります。
些細なことであっても向き合い、取り組むことやその姿勢は大切なことですが、こだわりすぎてしまったり、悩んだりするようであれば難しいでしょう。

向いてない人の改善方法・対処方法

施工管理に向いていない傾向の人が、どのように対策することで改善するか、どのような対策をすれば良いのかについて解説します。

積極的に周りとコミュニケーションをとる

施工管理にはコミュニケーション能力は欠かせません。
そのため、コミュニケーション能力を磨くことが必要です。
コミュニケーション能力を磨くためには、人と関わりを持つことが重要です。
それにはまず、自分から積極的に、周囲の人とコミュニケーションを取るように心がけましょう。

計画的に物事を進める習慣を身に付ける

建設工事は緻密に計画された施工計画に沿って進めます。
施工管理の業務についても同様で、目の前の仕事だけではなく先々まで計画する必要があります。
計画的な行動を習慣づけるためには、普段の仕事や生活を計画的に進めるよう心がけることが重要となります。
仕事の優先順位や段取りなど、計画を考える行動から始めることがポイントとなります。