建設業界におけるゼネコンランキング!売上高や平均年収、転職事例など詳しくご紹介!

建設工事の一式を請け負う総合建設業であるゼネコンには、スーパーゼネコンと呼ばれる大手ゼネコンや準大手ゼネコン、中堅ゼネコンが存在します。

本記事ではそれぞれの売り上げの違いや、平均年収の違いをランキングしています。
ゼネコン各社の概要や、ゼネコンに転職する方法も紹介しています。

ゼネコンとは

建設業界におけるゼネコンの役割

ゼネコンとは、ゼネラルコンストラクターの略であり、直訳では総合請負業者となります。
建設業界における総合請負業者とは、各種建築工事や土木工事・設備工事などを一括して発注者から請け負い、元請け業者として工事一式を取りまとめる事業者になります。

ゼネコンは、設計・施工・研究開発といった本来独立した機能であるものを、自社で総合的に行い、マンションやオフィスビル、公共施設や医療施設、トンネルや道路など大規模な建設物を手掛けています。

ゼネコンの将来性

日本国内における建設の需要は、新築に比べリニューアル工事の需要が増大する傾向が予想されています。

また、老朽化が進む道路の工事や、橋梁などの工事については今後の需要の増大が見込まれています。

しかし、ゼネコンを含めた建設業界では工事単価の低下に伴い、利益率の低下が大きな課題となっています。

受注件数が多くても利益率が低く、赤字になるケースもあります。
また、建設業界全体にとって大きな課題となっているのが、人手不足の深刻化です。
特に若年層の入職者が減少している一方で、作業人員全体の高齢化が進んでいます。
こうした課題を解消する手段として、建設業界ではICT技術の導入を進め、工事の効率化を図る取り組みを行っています。

そのため、近年の建設業界においては、ICT技術の活用に伴ってIT人材の雇用促進が活発になっています。

スーパーゼネコン5社の売上と平均年収

スーパーゼネコンとは、ゼネコンの中でも大手の5社を表す総称です。
スーパーゼネコンは会社規模が非常に大きく、従業員数は1万人程度であり、売上高は1兆円を超える規模の企業です。

1位|鹿島建設(売上高:2兆796億円)平均年収1,134万円

1840年に創業し、1930年に株式会社鹿島組を設立、1947年に鹿島建設株式会社へと社名を改称しました。

1949年には建設業界初となる研究所である鹿島建設技術研究所を設立しました。
霞が関ビルや原子力発電所など、大規模な建設を手掛けてきたゼネコンです。

2位|大林組(売上高:1兆9,228億円)平均年収1,057万円

1936年創業で、2010年まで大阪に本社を構えていましたが、現在は東京に本社を移転しています。
関西企業であったことから西日本での実績が多数ありますが、東京スカイツリーなど首都圏においても実績があります。

国内外においてPFI事業(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)で高いシェアを占める企業です。

3位|大成建設(売上高:1兆5,432億円)平均年収1,010万円

1917年に設立した企業で、非同族経営をしている風通しの良い企業です。
大成建設ハウジングという住宅事業が傘下にあるため、住宅事業にも強みがあり市街地開発事業に強い企業です。

羽田空港国際線ターミナルや、新江ノ島水族館、東京芸術劇場などの施工実績があり、新宿センタービルや新国立競技場などのプロジェクトにも参加しています。

4位|清水建設(売上高:1兆4,829億円)平均年収971万円

1937年に設立されたゼネコンで、宮大工に起源がある企業であり、伝統を大切にする傾向があります。

しかし、時代の変化にも柔軟に対応する社風があり、女性起用や働き方の改革など積極的な改革に取り組んでいます。

横浜マリンタワーや長崎オランダ村ハウステンボス、歌舞伎座タワーなどの実績があります。
清水建設は建設部門が強く、規模の大きさに関わらず幅広く対応しています。

5位|竹中工務店(売上高:1兆2,604億円)平均年収1,007万円

1909年に設立された企業で、建築専門のゼネコンです。
スーパーゼネコンの中では唯一の非上場企業となります。
竹中工務店は職人気質が強い企業で、土木工事などは子会社に委託し、建築専門ゼネコンとして経営しています。

設計においては、菊竹清訓や出江寛などの建築家を輩出していることでも有名です。
東京タワーや日本武道館、あべのハルカスなどの実績があります。

準大手ゼネコン10社の売上と平均年収

準大手ゼネコンとは、スーパーゼネコンに次ぐ規模の企業となり、従業員数は2,500人以上であり売上高は3,000億円以上の規模です。

1位|長谷工コーポレーション(売上高:9,097億円)平均年収923万円

1937年に兵庫県尼崎市で長谷川工務店として、個人企業からスタートした企業です。
今ではマンション事業ではトップ企業であり、東京都港区に本社があります。
日経平均株価銘柄の構成のひとつであり、住まいと暮らしの創造企業グループというスローガンを掲げた経営を行っています。

2位|前田建設工業(売上高:6,780億円)平均年収927万円

建設業の工事請負ビジネスモデルから脱却するために、コンセッション事業にも注力している企業です。

国内第一号となるコンセッション事業である仙台国際空港や、愛知県有料道路コンセッションなどを獲得しており、国内ではコンセッションのトップランナー企業です。

(※コンセッション:利用料金が発生する公共施設において、施設の所有権を公共主体が保有したまま、施設の運営権を民間事業が獲得する方式。)

3位|戸田建設(売上高:5,015億円)平均年収858万円

自己資本比率35.8%という業界トップの安定性があり、ゼネコン屈指の堅実経営が特徴となる企業です。

有利子負債を上回る預金がある、事実上無借金ゼネコンであり、社会的信用の高い企業です。

4位|五洋建設(売上高:4,710億円)平均年収878万円

ゼネコンの中でも、海洋土木工事を主要事業としている、マリコン(マリンコンダクター)として最大手企業です。

海外大型事業の先駆企業であり、特に浚渫工事を得意分野としており、エジプト・イラン・カタール・シンガポールなど多くの国で実績があります。

5位|NIPPO(売上高:4,457億円)平均年収824万円

1907年創業の中外アスファルトが前身で、当時の日本石油(後の新日本石油、現在のENEOS)の道路部門と、浅野物産(現在の丸紅)の道路部門の合併によって誕生した企業です。

サーキットやオートレース場における施工実績が豊富で、急勾配のノウハウでは世界トップレベルの技術力を有しています。

6位|熊谷組(売上高:4,252億円)平均年収824万円

北陸発祥のゼネコンであり、新宿野村ビルディングなどの超高層ビルの建築を手掛けています。
世界第2位の高さである台北101の施工を手掛け、香港の中国銀行タワーなどの海外事業も多数実績があります。

また、国内においては青函トンネルや黒部トンネル、関門トンネルや天王山トンネルなどトンネル工事における高い技術力に定評があります。

7位|フジタ(売上高:4,194億円)平均年収745万円

創業100年を超える歴史のある企業で、現在は大和ハウスグループとして総合力を活かした街づくりや、環境創造に取り組むゼネコンです。

自然・社会・街・そして建設のみらいを共に拓くとしたコンセプトによる、FUJITA Open Innovationという戦略を打ち出し、ロボットメーカーや住設機器メーカーとの共創を目指しています。

8位|三井住友建設(売上高:4,032億円)平均年収863万円

三井・住友の両グループに属する唯一のゼネコン企業です。
グループ企業の案件が多く、大型マンションの建築や三井アウトレットパークなどを手掛けています。

女性の採用を積極的に行っている特徴があり、設計部門においては女性比率が21%となり、女性の目線や意見が大切にされています。

9位|安藤ハザマ(売上高:3,402億円)平均年収853万円

2013年に間組が安藤建設を吸収合併して誕生したゼネコンです。
土木工事に定評のあった間建設と、建築工事に強みのある安藤建設が合併したことにより相乗効果を発揮しています。

合併はみずほ銀行が主導して行われ、みずほ銀行系列のゼネコンとなります。

10位|西松建設(売上高:3,362億円)平均年収866万円

ダムやトンネルなどの大型官庁土木工事を得意としているゼネコンで、建築工事主体の戸田建設と業務提携を結んでいます。

住友不動産のビル建設を多数受注しており、高層ビルやマンション、不動産開発にも注力しています。

中堅ゼネコン11社の売上と平均年収

中堅ゼネコンとは、スーパーゼネコン・準大手ゼネコン以外のゼネコンを指すことが多く、水準としては従業員数は1,000人程度、売上高は1,000億円以上である規模を示しています。

1位|奥村組(売上高:2,424億円)平均年収932万円

地震による構造物への被害を減少させる免震工法や、日本初となる六角形のセグメントとなるハニカムセグメント・コンクリートを再利用する、リバースコンクリート技術などの新技術の開発により評価の高いゼネコンです。

通天閣や横浜スタジアムなどの施工実績があります。

2位|鴻池組(売上高:2,320億円)平均年収534万円

積水ハウスの連結子会社であり、大阪に本社拠点を置く在阪ゼネコンです。
創業当時は建設業と運輸業を営んでいましたが、運輸部門を鴻池運輸として分社し、建設部門を鴻池組として建設専業企業として設立しました。

戎橋や京都市蹴上浄水場などの施工実績があります。

3位|東亜建設工業(売上高:2,198億円)平均年収913万円

渋沢栄一や安田善次郎が設立した、かつての浅野財閥の流れを汲むゼネコンであり、海洋土木に強みがあります。

レインボーブリッジや来島海峡大橋などの施工実績があります。

4位|福田組(売上高:1,798億円)平均年収845万円

中堅ゼネコンとしてはめずらしく、自社技術によって超高層ビルを建築することができる高い技術を持ったゼネコンです。

関連企業が多数あり、新潟県に営業地盤を置くゼネコンですが、全国に展開している企業です。

5位|大豊建設(売上高:1,565億円)平均年収803万円

マンション建築を中心に行っているゼネコンで、かつて満州に駐在していた土木系の官吏から始まっています。

近年では不動産開発事業も積極的に行っており、東京都心を中心とした不動産事業にも進出しています。

6位|東洋建設(売上高:1,525億円)平均年収803万円

海洋土木の大手企業であり、マニラやジャカルタなど海外にも拠点を持つ、大手マリコンです。
海洋での土木技術を活かし、陸上建設にも進出しています。

7位|鉄建建設(売上高:1,515億円)平均年収848万円

鉄道建設に強みを持つゼネコンであり、軌道下に横断構造物を敷設する工法である本設利用PC工事桁工法を開発しています。

道路やマンションの建設も得意としており、JR東日本が筆頭株主の企業です。

8位|淺沼組(売上高:1,354億円)平均年収831万円

大阪市浪速区に拠点がある企業で、関西を地盤として全国展開しています。
官公庁建設に実績があり、誠実なモノづくりに専心することを理念としています。
関西国際空港連絡橋や東京湾アクアラインなどの実績があります。

9位|飛島建設(売上高:1,176億円)平均年収819万円

トンネル工事を主体とした土木系ゼネコンで、青函トンネルや安房トンネルなどの雑工事をしている企業です。

以前はダム建設に強みがありましたが、現在では防災技術に強みを持つ企業として有名です。
なお、熊谷組と前田建設工業は、飛島建設から独立した企業です。

10位|東鉄工業(売上高:1,147億円)平均年収771万円

1943年に鉄道の輸送力確保を目的として、当時の鉄道省の指示により国策会社として設立されました。

JR東日本とのつながりが深い、鉄道工事に強みのあるゼネコンです。

11位|銭高組(売上高:1,019億円)平均年収802万円

1705年に創業された300年以上の歴史を持つゼネコンです。
大阪市に本社を置く在阪ゼネコンのひとつで、社名と社章が野村胡堂作『銭形平次捕物控』の名前の由来となったことでも知られています。

ゼネコンに転職するには

ゼネコンでの仕事は実績が後世に残る、やりがいの大きな仕事です。そのためゼネコンへの転職を考える方も多いのではないでしょうか。

未経験でも転職可能だが、資格を持っていると有利

業界未経験でもゼネコンへの転職は可能ですが、資格を持っていると有利になります。
近年の建設業界ではIT化の促進が進んでいるため、パソコンスキルやITの知識を持つ人材は業界未経験であっても有利になる傾向があります。

さらに建築士や施工管理技士といった資格があると、転職する際にさらに有利になります。
また、衛生管理者や建設業経理士といった資格も、転職する際に持っていると有利になるでしょう。

ゼネコンでの仕事では、多くの人との関わりを持ちコミュニケーションを取ることの多い仕事であるため、対人スキルやスケジュール管理スキルがあると有利になります。

建設業界の経験がある方であれば、CADオペレーターの資格があるとさらに有利になるでしょう。

転職エージェントを利用する

前述の通りゼネコンにはそれぞれ得意とする分野があります。
そのため転職する際には自分に適した企業を選択することが重要となります。
そこでおすすめしたいのは転職エージェントの利用です。
ゼネコンによる仕事内容の違いや、担当する業務の部門などを、しっかり相談して確認してくれるため、失敗しない転職のためには転職エージェントの利用が効果的でしょう。

ゼネコンへの転職・成功事例

事例1|準大手ゼネコンへ転職(年収620万円→760万円)

土木工事会社で施工管理業務を行うTさんは、転職を考えていました。
以前から土木工事の経験を活かして海洋土木へのチャレンジを検討していました。
転職エージェントに相談したところ、準大手となるゼネコンからのオファーを獲得できました。
これまでの施工管理の実績が功を奏したため、転職に成功しました。
転職したことにより年収も大幅にアップし、仕事への情熱もさらにアップしたそうです。

事例2|スーパーゼネコンへ転職(年収800万円→910万円)

中堅ゼネコンに勤めるKさんは、スーパーゼネコンで働きたいと考えていました。
未経験から始めた建設業の仕事でしたが、中堅ゼネコンで経験を積んだKさんは、転職エージェントに相談し、キャリアアップを希望しました。

スーパーゼネコンで働くための実績は十分積んでいたことや、建築士の資格も取得していたこともあり無事スーパーゼネコンへの転職に成功しました。

念願の夢が叶ったことに加え、年収のアップも重なり非常に満足していました。

事例3|転職しワイフワークバランスが向上(年収660万円→720万円)

準大手ゼネコンで設計部門を担当していたSさん。
家族が増えたこともあり、家族で過ごす時間を大切にしたいと考え、転職を検討していました。
これまで準大手のゼネコンで経験してきた実績があり、意匠設計を行っている設計会社へと転職しました。

転職したことで家族と過ごす時間が増え、ライフワークバランスが向上しました。
さらにこれまでの実績が評価され、年収もアップすることになりました。

まとめ


ゼネコンにもそれぞれ得意分野があり、大手ゼネコンや準大手ゼネコン、中堅ゼネコンにも売り上げのランキングと年収の違いがあることがわかります。

働き方や担当する部門、企業の体制などによって企業規模だけでは年収が測れないこともわかると思います。

ゼネコンに転職を検討しているのであれば、建設業に強みを持っている転職エージェントへの相談をおすすめします。

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