プラントエンジニアの仕事はなぜ激務?激務と言われる7つの理由とプラントエンジニアのメリットとは

プラントエンジニアは石油コンビナートなどの大掛かりなものから食品、製薬工場などの比較的小規模なものまでの製造設備の複合施設を設計から建設、その後のメンテナンスまでを総合的に行う技術者です。

とても専門性の高い仕事であり、かつ規模の大きな仕事のため、プラントエンジニアは激務だとよく言われています。

今回はプラントエンジニアの仕事が激務と言われている7つの理由や、反対にプラントエンジニアをするメリットややりがいについて解説します。

最後にプラントエンジニアに転職した事例や成功事例についても紹介します。

プラントエンジニアの主な仕事とは


プラントエンジニアは主に設計・調達・建設の3つに分かれています。
その中でも設計にはさらに基本設計と詳細設計という2つに細分化されます。
それぞれの仕事内容について解説します。

基本設計

基本設計はプラント事業計画の初期段階で行われます。
なにもないところから顧客のイメージを具現化し、関係者で共有できる状態にするための設計です。

従業員数、生産計画などを考慮しながら必要となる設備の数を設置し、使い勝手や法規との照らし合わせを行いながら設計を進めます。

詳細設計

基本設計でおおまかな計画を決めたあとは詳細設計を行い更に細かいことを決めていきます。
基本設計では必要となる機器などの必要数量は把握することが出来ましたが、詳細設計では更にどのメーカーのどのようなスペックのものを使用するかや、そのために必要となる配管、配線、ダクトルートなども図面に落とし込んでいきます。

その後の建設が円滑に進むよう、全ての材料について網羅し細部まで検討を行う必要があります。
詳細設計で作成された図面が最終図面として完成することになります。

調達・制作

詳細設計の図面を基に必要なプラント機器の手配を行います。
プラント機器は受注生産品であることがほとんどなので、納期が掛かります。
引き渡しから逆算しながら、発注を行わなければなりません。
発注には、機器メーカーとの打ち合わせを繰り返す必要があります。
仕様についての確認や設置までに現場間に間に合わせておかなければならない工程についての確認、納品時に必要となる資材などを検討するためです。

建設・試運転

プラント機器メーカーとの打ち合わせを重ねることと同時期に建設が始まります。
建設は最終図面通りに行われます。
建設部門に携わる場合はプラントの知識の他、建築、設備、電気の知識、施工管理の知識も有していなければなりません。

建設が終盤に差し掛かるとプラント機器の設置も順次行われます。
引き渡し後の本稼働時に不具合などによる停止などを起こしてはならないため、プラントエンジニアは施設全体の試運転までに機器1つ1つの試運転を何度も行います。

プラントエンジニアが激務と言われる7つの理由

それではプラントエンジニアが激務と言われる理由について7つ解説します。

予算と納期に追われる

建設業界では建設が決まり、プロジェクトが開始された時点で予算と納期が決まっていることが通例です。

プラントエンジニアの仕事も例外ではありません。

予算や納期はなんの問題もなく、円滑に現場が進むことを前提として計算されており、ほとんど余裕が設けられていません。

工期延期や追加予算などはよほどの事情がない限りは認められず、常にぎりぎりの予算と納期に追われており、プレッシャーが大きい仕事です。

業務範囲が広く残業が多い

プラントエンジニアの仕事の特徴として、一人当たりの業務範囲が広いことが挙げられます。
理想は分業化を行い仕事を分散したいのですが、現実は分業化をすることで日々発生する変更事項や検討、決定事項の共有漏れが発生するリスクがあるためです。

情報の共有漏れは、施工ミスによるやり直しや取り返しのつかないことにもつながる可能性があります。

結果的に一人が責任を持って把握することを求められるため、負担が増し残業時間が増えていくことに繋がります。

図面や書類が膨大にありチェックが大変

プラント建設には必要書類や図面が膨大にあります。
自身の関係するところだけを把握し、図面チェックを行ったとしても相当な時間と労力を要します。
業務の合間に行っていくことが必要ですが、現場が忙しくなるとそうもいかなくなり、チェック業務だけが溜まっていくことにもなりかねず、関係者から催促をされてしまうこともあります。

関係先が多く、交渉や調整が大変

プラント建設は現場規模の大きさから社内外問わず関係者が多く存在します。
ぞれぞれの利害関係や思いなどがあり、こちらの都合だけで進めていくことは出来ず、関係者それぞれとの交渉、調整を行う必要があります。

そのため、日々打ち合わせに多くの時間が割かれます。
時には関係者同士の主張がぶつかり合うこともあり、プラントエンジニアは間に入り双方の折り合いをつけることも行わなければならず、大変と感じることがあります。

関係法規などが多い

プラント事業は人体に有害な原料や爆発や火災の危険があるものなどが大量にあり、一歩間違えれば大事故に発展するものが多くあり、安全を守るための数多くの法規があります。

高圧ガスについての法規、危険物製造所の法規、特定事業所の法規その他まだまだ多くの法規が定められています。

プラントエンジニアはそれら全てを考慮して仕事を行わなければならず、仕事が増えていく要因のひとつです。

もしもこれらの法規に抵触していることが認められた場合はすぐに、設計変更を行う必要も出てきます。

規模が大きく失敗が許されない

プラントエンジニアは一般的な建設とは違い、ほとんどが規模の大きな建設です。
そのため、設計ミスや施工ミスが発生した際のリスクも当然大きなものとなります。
仮に施工不良によりプラントが稼働出来ない状況が長く続いたとなれば、大規模な損害金などが発生する可能性もあり、大きな社会的責任を問われることにもなりかねません。

そういったプレッシャーも激務といわれる理由のひとつです。

やろうと思えば制限なく仕事ができる

プラントエンジニアの仕事はやろうと思えばどこまでも時間を掛けてこだわれる仕事です。
ここまでやれば終了、正解というものがないため、ある程度の線引きを自分で行わなければならず、その見極めが出来ない初めのうちの人や自分に厳しすぎる人にとっては、いつまで経っても仕事が終わらず、長時間労働になってしまっている要因のひとつです。

プラントエンジニアのメリット・やりがいとは

プラントエンジニアのメリット・やりがいについては3つほど挙げられます。

社会貢献度が高く、やりがいのある仕事ができる

プラントはその規模の大きさから場合によっては国家事業など大きな公共事業になることもあります。

自分で手がけたものが雇用促進や国や地域の発展に貢献していることが、目に見える形で表れるので社会の役に立っている実感が湧きやすく、やりがいを大きく感じることが出来る仕事です。

年収も高い傾向にある

仕事量の多さ、残業の多さもお金を稼ぎたい人にとってはデメリットばかりともいえません。
残業の多さに比例して、プラントエンジニアは年収も高い傾向にあります。
40代で年収1,000万円以上の人もおり、お金を稼ぎたいがそれに見合った仕事量がなく、困っている人にとっては魅力的な仕事です。

マネジメントスキルを身につけることができる

プラントエンジニアの仕事は、常に他部署や社外との連携が欠かせない仕事を普段から行っているため、自分個人だけでなく、もうひとつ上の視点で物事を捉えられるようになっていきます。

自分を一人のプレーヤーとして俯瞰して見ることで、全体をマネジメントしていくスキルが自然に身についているので、転職時などにも有利になります。

プラントエンジニアに向いている人とは

これまでのメリットなどを踏まえてプラントエンジニアに向いている人はこんな人です。

計画的に物事を進めるのが得意

プラント計画には多くのプロセスがあり、作業ごとに納期を設定し進めていく必要がある仕事です。
勢いと感覚で進めていては今が全体の計画に対して、進んでいるのか遅れているのかも把握できなくなってしまい、最終的に納期に間に合わないなどの可能性もあります。

どんな小さな工程でもきちんと計画的に物事を進められる人はプラントエンジニアに向いています。

コミュニケーション能力が高い

先程も述べたようにプラントエンジニアの仕事には多くの関係者がおり、関係者をまとめあげるのもプラントエンジニアの仕事です。

日頃から関係者との関係構築を進んで行えるコミュニケーション能力が高い人は仕事を円滑に有利に進めていくことができます。

ものづくりが好き

施設規模の大きさとプラントエンジニアの業務範囲の広さから、ものづくりが好きな人にとっては担当したプラントに対する愛着感をもつことができ、その仕事に対して真剣になり、情熱を注ぐことができます。

自身がこだわった成果物が完成した時の喜びもより大きなものとなるでしょう。

プラントエンジニアの成功事例・転職事例

施工管理として経験を積み→大手プラントエンジニアに転職し、年収大幅UP!(年収520万→750万)

前職は中堅のゼネコン会社で8年ほど勤務しており、施工管理として経験を積んでいました。
あまりにも時間がないことにより、おおざっぱな計画しか決めずに工事を進めていくことで無駄な業務が増えること、なによりも顧客の立場に立っていないやり方に対して不満があり、転職を決めました。

施工管理の経験が豊富であったことを評価され、現在は大手のプラントエンジニアの会社で建設部門で勤務しています。

前職と違い綿密な施工計画を立て、事前に懸念事項などを洗い出し打開策をもって仕事に当たれる今の環境は自分の理想としている働き方でした。

収入も大きく上げることができ、やりがいと収入が同時に向上しました。

長時間労働ばかりの職場→職場環境のよい会社に転職し、ワークライフバランス実現!

私は前職もプラントエンジニアとして、主に設計業務に携わっていました。
しかし、前職は長時間労働が横行しており昔気質な先輩社員がいるおかげで、その人が帰るまでは帰ることがはばかれる状況で、また定時後であろうが新たな仕事を回してくるような職場環境でした。

平日はほぼ自分の時間がとれず、妻ともすれ違ってばかりでした。
このままでは家庭崩壊も時間の問題と感じ、転職を決意しました。
プラントエンジニアの仕事は好きでしたので、転職先も同業種とし、ワークライフバランスが取れる職場を転職エージェントに希望し、現在の職場に転職をしました。

今は残業0ではありませんが前職と比べると劇的に減りました。妻と夕食をともにとれることが前職では考えられなかったほどですので、とても満足しています。

プラントエンジニアで培ったマネジメント力を買われたことで→大手プラント機器メーカーの営業職に転職し、年収大幅UP!(年収440万→600万)

前職はプラントエンジニアとして協力会社と社内の調整役を行っていましたが、その時に知り合った、現在の職場でもあるプラント機器メーカーにマネジメント力を買われていました。

私が年収を上げるために転職を考えていることが分かるとどうしても来てほしいとお言葉を頂きました。

そこでは全体をまとめ上げることが出来てプラント業界に詳しい人材を探していたとのことで私であれば希望条件で採用するとまで言ってくださり、希望年収を伝えたところほぼ即決で転職が決まりました。

現在は管理職として営業部門に配属され、全体を取りまとめる仕事をしております。

まとめ

今回はプラントエンジニアが激務と言われる理由とメリットや向いている人について解説しました。
上流から下流までの仕事を把握することが出来るプラントエンジニアは建設業以外でも様々な職種で活躍できる人材となることができます。

激務と言われる一方で、社会貢献度の高い仕事をしたい人や向上心を持って多くのスキルを身につけたい人にとっては真剣に向き合えるやりがいのある仕事といえるでしょう。

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