吊り足場と通常の足場の違いとは?組み立て方も併せて紹介!

吊り足場とは

建設業に携わる人にしか馴染みがない「吊り足場」を、通常の足場との違いを踏まえて解説します。
また、「吊り足場」の組み立て方についても紹介します。

吊り足場と他の足場の違いとは?

まず、「吊り足場」とは主に橋梁工事やプラント、大空間建築のメンテナンスなどで使用されます。
上部から吊り下げた足場のことを指し、他の通常の足場は地面から組み上げていくものを指します。

「吊り足場」と「通常の足場」の違いは上から吊り下げるか下から組み上げるか、の違いです。
高所作業を要する現場や、スペースが確保できず通常の足場を組むことが難しい現場では「吊り足場」が重宝されます。
補足すると、通常の足場には「くさび式足場」「枠組み足場」「単管足場」などがあげられます。

吊り足場の組み方は?

吊り足場において、組み方の順序は大きく分けて以下です。

  • 準備作業
  • 組み立て作業
  • 解体作業
  • 後片付け

各項目ごとにどのような作業があるのか解説します。

準備作業

吊り足場は作業安全性が非常に重要なので、準備作業も入念に行うことが義務付けられています。

<打ち合わせ>

作業員の人数や健康状態のチェックを行い、作業ができる状態か確認します。
次に作業の内容や手順を確認し、危険箇所がないかを事前に把握共有します。

<有資格者配置>

吊り足場の設置には有資格者の配置が必要で、足場組み立て等作業主任技術者玉かけ技能講習修了者を適正な箇所に配置し、有資格者の指示によって作業できる環境を整えます。

<点検>

使用工具や資材、保護具の点検を行い、事故等が起きないように不良品の排除や傷や破損の有無を確認します。

<作業範囲確保>

吊り足場工事では第三者への危害を及ぼさないため作業範囲をバリケードロープで囲います。
関係者以外が立ち入らないよう、囲いを確実に行う事が重要です。

組み立て作業

組み立ての手順や要点を各項目ごとに解説します。

<安全設備を取り付ける>

まず、親綱スタンション等安全設備を取り付けます。
スタンションの間隔は概ね10mとし、親綱は命綱をかけやすい位置に設置することが重要です。

<親子パイプ設置>

作業時には命綱を親綱にしっかりつなぎ吊りチェーンの間隔は1200mm程度とします。
単管ジョイント部分は自在クランプで緊結をし、2つ以上使用することで安全性を保つことが重要です。

<コロバシパイプ設置>

親子パイプ設置時と同様に命綱をしっかり繋ぎ安全を確保し、コロバシパイプの間隔は900mm程度で設置します。

<足場板設置>

足場板は端部を重ねず突き合わせで置いていき、端部の出しは100〜200程度で設置します。
足場板の支持は最低3点以上とし、安全性を確保します。

<朝顔パイプ設置>

パイプの間隔は1800mm程度とし、チェーンの取り付けを緩みなく行い、確実に設置します。

<落下防止網設置>

落下防止網の設置の際、網の継手部分が引っ張り力によって開かないようにします。
また、結び紐は一定以上の衝撃に耐えるものを使用します。

解体作業

上記で説明した組み立て作業で設置した吊り足場にて、施工が完了すると解体作業を行います。

<禁止範囲を区画及び安全設備設置>

第三者への危害が及ばないよう、バリケードロープ区画し、禁止の旨が伝わるように表示します。
また、親綱・スタンションを取り付け、安全に作業ができる環境を整えます。

<落下防止網の外し>

落下防止網を外し、外した網は整理整頓して所定の位置にまとめ、環境の美化に努めます。

<朝顔パイプの解体>

チェーンの外れでの倒壊を警戒しながら、朝顔材を引き起こして解体します。
チェーンを外す際は必要に応じて予備チェーンを取り付けると安全性がより確保できます。

<足場板取り外し>

全ての足場板を一気に解体するのではなく、作業する範囲の足場板を残しながら解体していきます。

<コロバシパイプ解体>

解体する際、各親御パイプに1名ずつ人員を配置し、横一線で解体することが作業する上で重要となります。

<親御パイプ解体>

親御パイプ1本分のコロバシパイプを取り外し、順次親御パイプを解体していきます。
その際に合わせて親御の吊りチェーンも解体すると作業効率が高まります。

<吊りチェーン解体>

吊りチェーンを取り外していき、必要に応じてタッチアップも同時に行うことが作業する上で大切となります。

<荷移動>

必要に応じてクレーン等で荷おろしを行い、第三者に十分注意して作業をします。

後片付け

解体までの作業が終わり、資材や片付けをする最後の項目となります。

<整理整頓>

使用工具や資材などを積み置き場に整理し、強風による荷崩れが起きないように処置します。
この際に釘や結束線等の残材も併せて整理してまとめておきます。

<点検>

使用した工具類に損傷などがついていないか、数量に不足等がないかチェックします。

<清掃>

作業範囲である箇所の清掃を行い、周囲の環境の美化に努めます。

まとめ

今回、吊り足場の概要や通常の足場との違い及び、吊り足場の組み立て方法について解説しました。
吊り足場は高所での作業が多く、危険な工事となりますので、設置する際は十分に計画をし、事故を未然に防ぐことが重要となります。

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