管工事とは?種類や主要資格について解説!

水やガスなどは私達が生活を営むためにはなくてはならないライフラインです。
自宅で蛇口をひねれば、水が出るのは管工事のおかげです。
今回は居住空間を作る上で最も大切な工事のひとつ、管工事について定義や目的、種類や資格について徹底解説していきます。

管工事の概要


管工事とは、水やガスや空気など液体や気体などそのままでは運ぶ事ができない性質の物を必要な場所まで送るための設備を設置する工事です。
管(くだ)を使用して送るので管工事と呼ばれます。
人が生活をする建物には必ず管工事が必要で、総称して設備工事といいます。

また、建物を建てていく上で管工事と建築工事は分けて考えられます。
配管は床下や基礎上などが主な経路のため、建築工事の工程を追いかけながら配管を同時進行で行っていかなければなりません。

管工事と水道施設工事の違いは


よく管工事と混同されるものに水道施設工事というものがあります。
水道施設工事業とは地表水や地下水といった水源から水を取り入れる取水施設や浄水施設の設備設置下水の処理設備設置などの工事です。
私達がまちで水道を使うためのいわば大元の工事です。

それに対し管工事とは、水道施設工事で大元を作ったところから各家庭や施設で水を使えるように配管を行う工事であり、水道施設工事とは別物です。

管工事の種類は8つ


管工事の種類は数多くあり、以下の8つです。

  • 給排水工事
  • 衛生設備工事
  • ダクト工事
  • 空調設備工事
  • ガス管配管工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 厨房設備工事
  • 浄化槽工事

給排水工事


給排水工事とは、建物内の給水給湯および排水を配管する工事です。
給水、給湯管は主にポリエチレン管やポリブデン管を使い、排水管は塩ビ管が用いられます。
水は高いところから低いところへ流れるので、給水給湯は圧力が掛かっているので関係ありませんが排水に関しては勾配を考えて配管を行わなければなりません。

衛生設備工事


衛生設備工事とは、洗面化粧台トイレ手洗器などの水を使用する衛生器具を設置する工事です。
設置後に配管とのつなぎ込みが必要なため管工事に区分されます。

しかし、例外としてキッチンやユニットバスに関しては専門性が高く建築外工事とされ、専門の取り付け業者が存在します。

ダクト工事


ダクト工事とは、排気排煙空調など気体の通り道を配管する工事です。
よく建物の天井裏などに配管されているものがダクトです。

ダクトに使われる材質は亜鉛鉄板やステンレスが主となり、自在に管自体を曲げられるわけではありません。
設計段階での入念な配管計画が必要です。

空調設備工事


空調設備工事とは、専門的なエアコンヒートポンプボイラーなどの空気調和機器の設置、排煙設備を設置する工事です。
こちらも衛生設備同様管工事に区分されます。
温度だけでなく建物全体の空気の流れ、湿度などの調和を考える必要があり、主にオフィスビルなどの大規模な建物で実施されます。
似た工事で冷暖房設備工事がありますが、こちらは一般家庭などのエアコンを取り付ける工事です。

ガス管配管工事


ガス管配管工事とは、ガスに関わる工事の事です。
工事の内容は、ガス管の引き込み、配管、ガスメーターの取付、ガス栓の交換などがあります。
全ての作業において、爆発などの危険性から無資格での作業は禁止されています。

ガスは「都市ガス」と「LPガス」があり、種類や習性が違うのでそれぞれ知識が必要です。

冷凍冷蔵設備工事


冷凍冷蔵設備工事とは、大型スーパーやコンビニの生鮮食品を保管する設備工場の冷凍庫など冷凍冷蔵設備を設置する工事です。
冷凍冷蔵設備にも配管工事が発生する為、管工事に分類されます。

厨房設備工事


厨房設備工事とは、飲食店やホテル、病院などの調理場の業務用のガスコンロ食洗機冷蔵庫換気扇などを設置する工事です。
厨房設備にも配管工事が発生するため管工事に分類されます。

浄化槽工事


浄化槽工事とは、建物に下水道を設けない場合に必要となる生活用水を浄化するための槽を設置する工事です。
設置工事には国家資格である「浄化槽設備士」による監督が義務付けられています。
浄化槽工事も管工事のひとつです。

管工事の主要資格3つ紹介


管工事を行う上で主要な資格は以下の3つです。

  • 配管技能士
  • 管工事施工管理技士
  • 給水装置工事主任技術者

配管技能士

配管技能士は国家資格のひとつであり、給排水、空調、ガスに関わる設備設置に要する技術を保有していると認定されるための資格です。

取得を義務付けられているわけではなく、この資格を保有していなくとも配管工事を行うことは出来ます。
ただ、取得することで能力があるとみなされ、管工事を行う上で役に立つ資格です。
1級〜3級までがあり、1級に近づくほど、必要な技能や知識の難易度が上がっていきます。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士も国家資格です。
工事を管理する立場として必要な資格で、管工事を行う現場での配置が義務付けられています。

1級と2級があり、2級はその現場の管工事における「主任技術者となることが出来、1級は「監理技術者となることが出来ます。
1級の合格率が低く、平成30年度の試験では最終合格率17.5%となっており、難易度の高い資格です。

管工事施工管理技士について詳しくはこちら
管工事施工管理技士とは?資格取得のメリット、受験資格、難易度を解説!

給水装置工事主任技術者

給水装置工事主任技術者も国家資格です。
給水装置とは公共の水道管から建物に引き込むまでの給水管、止水栓、水道メーターまでを総称して給水装置と言います。

この資格がなければ給水装置を設置することが出来ないため、建物に水を供給する事が出来ません。
管工事を行う上で重要な資格のひとつです。試験は毎年1回あり学科試験のみです。

まとめ


管工事とは、管(くだ)を用い液体や気体などを必要な場所まで運ぶ設備を設置する工事で、水の大元の配管は水道施設工事、それ以降は管工事です。
以上、管工事について解説しました。水や空気やガスなどを受け持つ管工事がなければ建築物もただの箱となってしまい生活をすることが出来ません。
普段あまり目にしない配管は建築物の景観を保つため意図的に隠してあります。
管工事の仕事は、建築工事と対をなす陰と陽の関係であると言えます。

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