土木女子(ドボジョ)とは?土木業界で活躍する女性の実態について、悩みや将来性、転職事例も含めて詳しく解説!

昨今、建設業界、土木の現場で働く女性が増えてきています。
現場での施工管理の仕事はもちろん、作業員として施工をこなす女性もいます。
建設業では女性が働きにくいイメージもありますが、この記事をきっかけに多くの女性が活躍していることを知っていただければと思います。

土木女子(ドボジョ)とは


土木業界で仕事をする女性のことを土木女子(ドボジョ)と呼ぶこともあります。
土木業界で働く女性のイメージは少ないですが、確実に増えてきています。

土木業界とは

土木業界である建設業の現場には昔から言われているように、いわゆる3Kと呼ばれるキツい労働環境のイメージがあります。

長年、土木業界には女性が活躍するためのルールがなかったため、厚労省や国交省なども含めて法改正などにより女性でも働きやすい環境整備を行なっています。

現場での女性に対する配慮も必要とされ、インフラ整備を行なっている土木業界でも男女を問わず働きやすい労働環境を実現する必要があります。

土木業界で女性が増えている

土木業界では年々女性の労働者が増えてきており、大手や中小企業でも働く女性の割合が増えています。

建設業の3Kは男性の仕事とのイメージがありましたが、女性の就業者や職人として活躍する例が増えています。

女性技術者の割合は2000年には2%弱であったにも関わらず、2020年には6%程度へと上昇しています。

大手建設会社では労働環境が整備され、社内外、現場事務所での働きやすさも変わってきています。

土木業界では道路や橋、鉄道、河川などの社会インフラ整備に関わる仕事であり、規模の大きい仕事を行うことがあるため興味のある方にとってはやりがいのある仕事となります。

男女の雇用機会の平等だけではなく、誰にでも仕事を進めていけるような職場環境になりつつあります。

土木女子(ドボジョ)の悩みとは


土木業界でも労働環境は変わってきており、女性が工事現場で仕事をしていることは多くなってきています。

とはいえ、女性ならではの悩みがあるのも事実です。実際に土木現場で働く女性の悩みとはどんなものでしょうか。

体力的ハンデ

女性は男性よりも体力的にハンデがあると言われています。
長年、土木業界では男性が行う仕事とされていました。
女性が増えてきていることで、体力があることが当然とされていた中で仕事の振り分けや安全面の対応も考える必要が出ています。

体力的にハンデがあることで諦めないために多様な仕事が用意されていることも頭に入れておく必要があります。

肌トラブル

土木作業は屋外での仕事が多くなりますので、男女共に日光による肌荒れなどを考慮する必要があります。

男性ならあまり気にしない方もいますが、女性では気にする方が多いです。
日焼けなどにより後年にはシミなどの恐れもあるため、日々の生活でも気をつけているはずです。

現場に女性が多くなっていることで肌荒れを気にする方も増えている印象があります。

結婚出産などとの両立

女性特有の事情として妊娠や出産の問題があります。
一般的な事務仕事とは違い、現場で仕事をするイメージの土木業界では産休や育休制度の整備が遅れている会社も見受けられます。

しかし、業界全体として労働環境の整備が行われていることで、産休や育休からの復帰することも可能となってきています。

施工図作成や現場の書類整理などの事務処理も多く発生するため、体を酷使しない仕事から復帰が可能です。

その他

女性が増えているとはいえ、男性が圧倒的に多い割合を占めています。
男性がメインとなっている工事現場であるため、セクハラなどの問題もしばしば起こります。
また、現場には女性用のトイレが少ないことや無いこともあり、工事現場での作業に抵抗を持つ人が少なくありません。

土木女子(ドボジョ)の労働環境における課題

土木業界で働く女性の労働環境改善は少しずつ進んでいます。
しかし、まだまだ労働環境における課題は残っています。

現状における課題

女性が多くなっている中で、多くの土木業界で働く女性が問題として挙げることは、トイレや更衣室の問題が多いでしょう。

現場事務所のトイレは男女共用として利用されることもあり、女性には使いにくい仕様となっています。

また、朝早くからの現場仕事となることも多く、朝8時に現場集合となるケースもあります。
子育てなどをする上では朝の時間が取れないことは仕事と育児の両立が難しいこともあります。

環境改善への取り組み

土木業界で働く女性の増加により、労働環境の改善も進んできています。
先述したトイレや更衣室の整備など、女性でも働きやすい環境づくりを行う会社も増えてきています。

また、子育てしながら働く女性へのサポート体制も見直されつつあります。
今まで取り上げられることのなかった、このような具体的な課題が上がってきていることは、現場の意識が変わり、解決に向かって進み始めている証拠ともいえるでしょう。

国が女性活用推進に力を入れ始めていることもあり、少しずつ男性と女性がそれぞれの得意分野を活かせる環境が整備されていくと考えられます。

土木女子(ドボジョ)のやりがい


土木女子が多くなっている理由は土木業界におけるやりがいにあります。
やりがいがある仕事であればどのような業界でも男女問わず、仕事を続けていくことになります。

ものづくりができる

ものづくりをしたいと考えている人は男女ともに一定の割合でいます。
男性であれば土木業界を選択することは簡単ですが、女性では数が少ないこともあり難しくなっていました。

しかし、現在では女性でも道路や橋などの建設に関わりたいと考えている方が実際に土木業界に入りやすくなってきました。

現場で一から建設物を作り上げることはやりがいが大きくなることです。

仕事が目に見える

土木業界では目に見える案件が多く存在しています。
道路や橋、土地の造成などの一般の方にもすぐにわかることや完成物を一般の方々が日常的に使用する物件があります。

そのため、自分が現場で施工した道路などを使っている方々を目にできることは、感動的にも感じることでしょう。

施工を行っていた物件が完成した時の感動も何物にも言い表せないことです。

社会基盤に携わることができる

土木業界では道路や橋、上下水道、ダムなどの社会インフラ整備に関わる仕事を行うことが多くなっています。

土地の造成などの造成後に建築物が建設されることなどはありますが、日常的に利用される物件や利用されている物件を担当します。

社会基盤を自分が担っていると考えると、仕事をしている上でやりがいは大きくなっています。

土木女子(ドボジョ)に向いている人


土木業界では男社会ではありましたが、女性の職人や監理者が増えてきたことで女性特有の能力や個人の能力により向いている人も出てきています。

どんな女性が土木業界に向いているといえるでしょうか。

コミュニケーション能力が高い

土木業界にかぎらず、男性だけの職場では人間関係などでギスギスとした関係になりがちです。

そこで女性が加わることが現場の人間関係を円滑にするきっかけになる場合があります。
本来、女性はコミュニケーション能力が高いと言われており、周囲の職人や内勤の方々と段取りや調整等を上手に行うことができます。

忍耐力がある

土木業界ではインフラ整備などの大きな物件として記憶にも記録にも残る案件に携わることができます。

一方、現場の職人や工事監理担当者は更地などの状態から一から作り上げて行きます。
そのため細かいことを忍耐強く作業することができなければ、土木業界では長続きしません。
朝から晩まで頭と体を使いながらの仕事であることも、忍耐力がなければ続けて行くことは難しいでしょう。

デザインやものづくりが好き

女性特有のデザインセンスやものづくりのセンスを発揮することで、男性社会にはなかったデザインを実現することも可能になります。

今までになかった視点を入れることでデザインなどを提案することができ、施主などからの評価をもらえることもあります。

土木女子(ドボジョ)に役立つ資格


土木業界では仕事を行う上で役立つ資格は多くあります。
土木業界では技術を手に入れれば職人として上に行くことも可能ですが、資格がなければできない仕事もあります。

女性でも仕事を有利に進めるために資格を取得することがおすすめです。

建築士

建築士の資格では建築物の設計や施工管理を担うことができる国家資格であります。
一級・二級・木造の3つに分けられており、目的に合わせて上位資格を取得していきます。
建築物の規模や用途、構造により各種建築士の業務範囲が決められているため、建築業会だけではなく土木業界でも幅広く活用できる資格となります。

・受験資格
一級建築士・二級建築士・木造建築士それぞれに建築に関する学歴などと実務経験の年数によって受験が可能となっています。

大学卒業や高専、高校などで分かれていますので、それらに合わせた実務経験が必要となっています。

・合格率
近年の建築士資格の合格率は以下のようになっています。
1級建築士では合格率が10%を下回る年もあり、かなり難易度が高いことがわかります。

2018年 2019年 2020年 2021年
1級建築士 12.5% 12% 10.6% 9.9%
2級建築士 25.5% 22.2% 26.4% 23.6%
木造建築士 35.8% 33.3% 37.8% 33%

土木施工管理技士

土木業界でのNo.1資格は、土木施工管理技士でしょう。
この資格では土木工事における主任技術者や監理技術者として工事の施工計画や工事工程、安全管理、施工管理などを主体となって行うことができます。

土木施工管理技士は国家資格であり、一級・二級の2つに分類されています。
一級取得者では道路工事や橋梁、上下水道などの幅広い分野の土木工事における主任技術者や監理技術者として活躍することができ、二級取得者では各工事の工程管理や安全管理などを行う主任技術者として活動して行きます。

・受験資格
一級土木施工管理技士と二級土木施工管理技士のそれぞれに、大学や高専、高校などの学歴や資格による物により、実務経験の年数で受験資格が付与されています

・合格率
近年の土木施工管理技士資格の合格率は以下のようになっています。
1級では50%から60%、2級では70%を超える年もあり、建築士に比べると難易度は低いことがわかります。

2018年 2019年 2020年 2021年
1級土木施工管理技士 56.5% 54.7% 60.1% 60.6%
2級土木施工管理技士 59.4% 63.3% 70.4% 71.8%

土木CADインストラクター

土木業界では現場管理や職人としてだけではなく、製図などの内勤業務も必須となっています。
土木業界といえば、職人さんをイメージすることが多いですが、工事監理を行う上では施工図の作成は必要となります。

どこの現場でも施工図により現場管理などを行うため、図面の作成技術は必要となり、土木業界での基本的な知識やスキルを持っていながら製図を行える技術者は人材不足となっており、企業や団体などからも注目を浴びています。

CADオペレーターを雇うことは可能ではありますが、施工方法や工程などの内容を知っているかどうかだけでも大きく変わってきます。

土木CADインストラクター認定試験に合格すると土木業界では活躍の幅が増えて行きます。

・受験資格
誰でも受験可能

・合格率
例年合格割合は7割程度となっています。
設計やシミュレーションの規模が大きくなるため、建築CADと比べると難易度も高めになっています。

土木女子の成功事例・転職事例


実際に土木業界で活躍している女性の事例をご紹介します。

事例1:土木施工管理技士を取得して現場管理を行う

土木工事を行う会社で工事管理の仕事をしていましたが、二級土木施工管理技士を取得したことにより主任技術者として仕事をしています。

主任技術者や監理技術者のもとで手伝いをしていた中で、自分の現場を持つことになりました。

さらに勉強しなければなりませんが、やりがいのある仕事ができているのでさらに一級土木施工管理技士を目指しています。

事例2:職場環境が変わってきて働きやすくなっている

入社当初は女性の従業員は事務系の社員しかおらず、土木工事を行う社員は自分だけでした。
しかし、土木業界でも労働環境の改善が行われたことで弊社も変わってきています。
工事現場でも女子トイレや更衣室などの設置が進み、さらに女性の社員が働きやすい環境に変わってきています。

後輩の女性社員も入社し、やりがいを持って仕事をしているようです。

事例3:休職期間があっても活躍できるスキルを持っている

以前、土木工事会社に在籍していたときに、結婚・出産を機に退職して子育てを行っていました。

子供も大きくなったことで復職を考えていましたが、自分の経験を生かして工事管理や施工図の作成などを行える会社に復職できました。

施工管理を行う人材はいつでも募集していることが多く、他の業種に転職した後での復職にも寛容です。

労働環境の改善により産休を取ることもできるため女性にも働きやすい会社は多くあります。

まとめ


国として女性の社会進出を推進していることで土木業界でも女性社員が多くなっています。
土木女子とも言われ、男性社会であった土木業界に新たな風を注入しています。
女性ならではの悩みや労働環境の課題もあるものの、土木業界でも働きやすくするために労働環境の改善に力を入れており、女性トイレや更衣室などの設置をすることで働きやすい現場を実現しています。

土木業界ではやりがいもあり、社会インフラに携わることができるため生活を支えていることを実感できます。

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