建築設備士とは?気になる年収や仕事内容・資格試験についても解説!

建物を建築設計する際、設計を行うのは建築士です。
しかし建築士が建物の全てにおいて、完全に理解を深めるというのは些か困難です。
そこで建築設備の設計や工事監理において、アドバイスを行える建築設備士という資格があるのをご存じでしょうか。
本記事では「建築設備士」という資格について解説します。
建設に関わる職業の方はもちろん、設計を目指す方にも参考にいただける内容となります。

建築設備士とは

建築士が建物の設計や工事監理を計画する際に、より詳しく正確な設計をするために建築設備士に意見を求める場合があります。
建築設備士は建築士に対し、空調・換気・給排水・衛生・電気などの建築設備全般に関する助言を行います。
建物の設計・工事監理に建築設備士が関わった場合、建築士は建築確認申請においてその旨を記載し明示します。
つまり単なるアドバイス」ではなく、設計に名前が残る責任ある業務です。

近年では特に設備分野の進化と複雑化は日進月歩の勢いで進んでいます。
技術の進化に伴い、建築設備の高度な進化が進むにつれて、専門分野の知識と技術が必要になります。
そのため建築士だけで全ての設計を網羅することが非常に難しくなってきています。

建築士は建築設備士に意見を求めなくても設計を行う事は可能です。
しかし、近年では高度な設備を導入する建築物も増加しているため、クライアントから建築設備士の意見を取り入れることを設計条件に含む事もあるようです。
さらに将来的に建築士の資格取得を目指している方の場合、建築設備士の資格取得者が実務経験を積んだ場合に受験資格を得られるというメリットがあります。

建築設備士の仕事内容

建築設備士の主な業務は、建築設備に関して建築士への助言です。
助言やサポートが主な仕事となりますが、実業務について解説します。
先述の通り、建築設備士に助言を受けた場合、建築士は建築申請書類に助言内容などを記します。
記録に残る仕事ですので責任ある業務です。

建築設備の建築士への助言

近年の高度な技術により複雑化した建築設備について、設計や工事監理について建築士が助言を求めた場合にサポートを行います。
そのため建築設備士は、空調・換気・給排水・衛生・電気などの建築設備全般における技術や知識が求められます。

建築設備の設計

建築設備士は建築物の設計を行う事はできません
しかし、建築士に助言をしサポートするという形で設備分野の設計を手伝う事があります。
直接的な設計ではありませんが、建築設備士による監理監修によって設備工事が成り立つ事もあるのです。
建築設備は土木・仮設・造作などに比べて、技術の高度化が激しく進んでおり、建築士だけで設計監理する事が難しくなってきているという事でしょう。

設備工事の工事監理

設計段階で建築設備士のアドバイスが入る場合の多くは、工事の監理についても助言を行う事になります。
技術的なアドバイスのほか、工事監理についても補助的役割を行うという事になります。
さまざまな設備工事が絡み合う現場において、設備分野は非常に複雑な工事が多く、安全面や工程管理においてもサポートする事が重要です。

建築設備士の年収について

建築士のサポート職のような職業ですが、年収について気になる方も多いと思います。
ここでは建築設備士の年収について紹介します。

平均年収

建設設備士の平均年収は500万円〜700万円です。
企業規模キャリアなどによって、年収に差が出るようです。
国内外の案件の取り扱いがある企業では、年収は非常に高くなる傾向があります。
一方、国内案件の設備設計案件を多く取り扱っている企業では、平均より低い年収のようです。
しかしながら、平均年収としては会社員の平均年収と比較して、かなり高い年収となっている事もおわかりかと思います。

年収アップするには

非常に高い平均年収ではありますが、さらなる年収アップを目指すには建築士の資格取得を目指す事が非常に有効です。
建築設備士として資格取得後4年以上の実務経験を積むことで、一級建築士の受験資格を得ることが出来ます。
一級建築士の資格取得によって、活躍の場が更に広がり年収もアップします。

建築設備士の試験について

近年非常に注目されている資格ですが、取得するには従来高いハードルが設けられていました。
しかし現在では受験に対するハードルが緩和され、受験しやすい資格となりました。

大学卒業後2年の実務経験を積むか、短大・高等専門学校を卒業後4年の実務経験を積むことで受験資格を得られます。
また、一級建築士・一級電気工事施工管理技士・一級管工事施工管理技士などの国家資格を所有している場合、2年以上の実務経験を積む事で受験資格を得られます。

試験内容

試験は一次試験二次試験があります。
マークシート方式での解答となります。

  • 一次試験(学科):建築一般知識・建築法規・建築設備
  • 二次試験(設計製図):建築設備基本計画・建築設備基本設計製図

難易度・合格率

一次試験の合格率は3割程度です。
二次試験での合格率は5割程度となります。
総合的な合格率は15%〜20%程度となりますので、かなり難易度は高い資格試験となります。

試験日程

試験の受付は年に一回のみです。
3月に申し込み、6月に一次試験・8月に二次試験となります。
詳しい日程については公益財団法人 建築技術教育普及センターのHPをご覧下さい。

勉強法

一次試験の学科試験では、建築知識として環境工学・建築計画・構造力学・施工計画などが出題されます。
特に環境工学は専門的で難易度の高い問題が出題されます。
過去問などでしっかり対策する必要があります。

建築法規については法令集の持ち込みが認められています。
建築設備関係法令集に付箋等をつけて、出題されやすい問題への対策をすることが重要です。

二次試験での設計製図では、建築設備基本計画として文章を主体とした問題が出題されています。
そして建築設備設計製図では作図や計算の問題が出題されます。
空調・換気設備・給排水衛生設備・電気設備から一つを選択し、設備プロット図の作成や系統図の製をします。

学科問題については、独学で突破することは可能です。
過去問をしっかりやり込み、対策をすることで合格することはできます。
しかし学科の合格率はかなり低く、難易度が高いため講習会などを利用する方が良いでしょう。
また、二次試験の設計製図を独学で突破することは難しいです。

効率よく合格を勝ち取りたい方は、講習会などに参加し勉強することが望ましいです。

まとめ


建築士法では

延床面積二千平方メートルを超える建築物の建築設備に係る設計又は、工事監理を行う場合に於いて建築設備士の意見を聞くよう努めなければならない

とあります。

高度に複雑化する建築設備を建築設備士のサポートにより完成する事が重要になっているという事です。
建築設備士という資格は、建築士にアドバイスするだけで重要な資格ではないという見識はもはや過去のものです。
建築設備士として経験を積むことで、一級建築士の受験資格が得られ、更にその先には設備設計一級建築士へのチャンスがあります。

今後も高度化するであろう設備設計において、非常に重要な資格となる建築設備士を目指してはいかがでしょうか。

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