構造設計とは? 仕事内容や資格、年収を解説!

建築設計は大きく分けて「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3つがあります。
これら3分野の設計を集結させ調和することで、素晴らしい建築が生まれます。

どんなに素晴らしい意匠のデザインがされても、いかに快適な設備設計がなされていても、構造が適切でなくては建物は倒壊してしまいます。

さらに我が国は災害大国です。耐震性はもちろん補強設計や、地域特性では気候などの条件として降雪や台風なども考慮します。
そうした構造設計のうえ、建築物が安全に建築され、初めて地図に残りランドマークとなってゆくのです。

今回は「安全性をデザインする」構造設計という仕事について本記事ではご紹介します。

構造設計とは


構造設計とは、建物として安全性や耐震性などの構造を基本設計する仕事です。
建物の安全性を保つうえで大切な仕事です。

構造設計の魅力

建物の「骨組み」とも言える部分を設計する仕事です。

構造設計は建物の安全性を設計し、人命を守る仕事である事にやりがいがあります。
それは想定外の力が加わることをいかにシュミレーションし想定できるかが鍵となります。

物理的な計算と構造力学と向き合うリアリティと、裏腹に災害時に加わる力へのイメージ力や想像力を求められ、クリエイティブな仕事であると言えます。

構造設計と意匠設計の違い

先述の通り、構造設計は建築のいわゆる「骨組み・骨格」となる部分です。
一方で意匠設計は「外観・色彩・空間」などの人の目に触れる部分の設計です。

構造設計の仕事内容


構造設計は意匠設計が決定した建築をもとに、構造計算を行い柱や桁や梁などの構造をデザインしていきます。
構造要素を決定し建築の構造が安全なものとなるよう、専用のソフトウェアなどを用いて構造計算を行います。

そうして意匠を崩す事なく安全な建築がなされるように、構造の安全と耐久をデザインするのです。

建物の外観や色彩のデザインとなる意匠設計と、換気や空調などの設備設計と構造設計は設計する時期が違います。
まずは意匠設計が外観などのデザインを行い、建築の方向性が決まります。
その後、構造設計により構造計算を行い構造体を設計します。そしてさらに意匠設計に合わせた設備設計がなされます。

このように、それぞれの設計が高度に連携する事で建築されています。

構造設計に必要な能力

安全な構造としてのエンジニアリングと、シュミレーションによるクリエイティブなイメージ能力が必要な仕事となります。

また設計という仕事全般に当てはまる事ですが、常に進化する技術と素材に敏感であることが重要です。
そしていかに正確に隙なく間違いのない仕事に仕上げる事ができるかを求められるため、忍耐力と正確性が必要です。

構造設計一級建築士とは


一級建築士の資格は、建築の設計ができる資格です。
そして一級建築士として5年の実務経験を積むことで、構造設計一級建築士の資格への受験資格が与えられます。

構造設計一級建築士とは、建築設計の中で構造設計を主とした設計を監理する事ができる資格となります。
つまり構造設計のスペシャリストであることを証明できる資格となります。

この資格は創設されたのが2008年とまだ新しい資格になります。
その背景には耐震偽装問題という重大な事件があり、社会的信用が損なわれた事からスペシャリストの証明資格制度が導入されたものです。
その為まだ新しい資格ですが、一級建築士の上位資格として難易度も高いものとなっているのです。

構造設計者のモデルキャリアプラン


構造設計者としてどのように成功するのか、モデルキャリアプランを紹介します。

早々に独立し起業するなどのケースは特別なパターンですので、今回は時間はある程度かかりますが確実なプランを紹介します。
構造設計者は実績が重要な仕事ですので、長期的なキャリアプランを持つことを強くオススメします。

5年以上の実績を積む

まずは一級建築士の資格取得へ向けて設計業務の実績を積みます。
5年以上の実務経験が必要ですから、設計事務所などで勤務しながら構造設計の実績をしっかり積み上げて行きましょう。

一級建築士の資格を取得する

実績をしっかり積んだら、一級建築士としてステップアップを狙っていきましょう。
しっかり実力を磨いたことを証明するための資格です。
資格取得は決して簡単ではないと思いますが、諦めずトライしてください。

一級建築士として5年以上の実績を積む

一級建築士の資格を取得したら、資格取得者としての実績を積みます。
設計事務所勤務では、構造設計より意匠設計に偏りがある場合が多いので、ハウスメーカーやゼネコンへの転職を検討したほうが良いかもしれません。
一級建築士としてさらに実績を5年以上積むことで、上位資格である構造設計一級建築士の受験資格を獲得できます。

構造設計一級建築士にチャレンジ

一級建築士としての実務経験を積み上げたら、上位資格へ挑戦しましょう。
構造設計一級建築士の資格を取得し、大手のゼネコンなどへ転職し更なる飛躍を目指してください。

平均年収


平均的な年収は500万円〜800万円です。
この差はキャリアはもちろん取り扱っている案件や、企業規模によるものです。

大手ゼネコンでの構造設計一級建築士の年収は、1000万円を超える事も多くあります。

年収アップ方法

最も簡単に収入をあげる方法としては、転職をすることです。
先述の通り大手ゼネコンでの設計部門では、収入もかなり得る事ができます。

もちろんキャリアや実績によって左右されますので、まずは設計事務所などでしっかり実績を積んで資格と取得し、大手に転職する事が近道であると言えます。

またハイリスクではありますが、独立し起業することで更なる年収を獲得することも可能です。
しかし現実的にはかなりリスクが大きいため、大手への転職を目指すことを強くお勧めします。

主な転職先

ゼネコン

ゼネコンでは構造設計の部署があり重要な役割として考えている事が多いです。
企業規模にもよりますが、中堅以上の規模では構造設計を軽視しない傾向が強いです。
つまり活躍できるフィールドがしっかり守られる事になります。

ハウスメーカー

ハウスメーカーでは、住宅の耐震性への信頼のため構造設計を重要視しています。
そのため構造設計者の立場も重要なものとしている場合が多いです。
またそれは年収面でも反映され、設計事務所などより年収も優遇されています。

デベロッパー

不動産デベロッパーは、建築部門として構造設計者を重要視しています。
それは意匠設計と共に構造設計が間違いないものであるという「信頼性」を販売していると言っても過言ではないためです。

ですからデベロッパーでの構造設計者は立場もポストも高い事が多く、もちろん年収面でもかなり優遇されています。
しかし外資系は経営方針の転換が急にされる事もあり、安定した就業ができない場合も考えられますので注意が必要です。

転職を成功させるには

何より大切な事は、仕事が正確である事です。
そして実績をしっかり証明する事です。

そのためには構造設計一級建築士の資格を取得することが何より良いでしょう。
さらに意匠設計や設備設計との高度な連携が必要なため、コミュニケーション能力も磨く必要が有ります。

まとめ


近年の建築界の技術革新は目覚ましい速度で進んでいます。
この勢いはまだまだ衰える事はないと考えられています。
今後もまだまだIT化が進みデジタルゼネコンの先導国として、我が国は建設業界で世界のトップリーダーの一角を担う事になるでしょう。

そして構造設計の負う責務は益々重大になると考えられます。
建築の安全を守り、人命を守るという構造設計は人々の暮らしにとって「当たり前」を守る重要な仕事です。

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