近年、需要が高まっている軽天工事という工事をご存知でしょうか。
メリットが多く商業施設や工場、オフィスビル、一般住宅といった様々な建築物で用いられている工事です。
本記事では軽天工事の概要や工事手順、使用する材料、工事単価、具体的なメリットなどを解説します。
ご参考にしていただければと思います。
軽天工事とは
軽天工事とは、軽量天井(軽天)と呼ばれる材料を格子状に組み上げ、天井や壁の土台を作る工事です。
正式には建築用鋼製天井下地・建築用鋼製壁下地という名称で、LGS/PB工事と呼ばれることもあります。
一般的には「軽天工事」と呼ばれています。
軽量天井(軽天)は、0.5mm〜1mmほどの厚さの鋼材で作られたものであり、「軽量鉄骨材(軽鉄)」や「LGS(Light Gauge Steel:ライトゲージスチール)」と呼ばれることもあります。
全て同じものであり、呼称が異なるだけとなります。
従来では木材を使い天井や壁の工事を行っておりましたが、時間や費用削減から軽天工事の需要が高まり、店舗やビル、事務所、集合住宅など多くの場所で行われる工事です。
軽天工事のやり方
軽天工事は、主に「天井を作る工事」と「壁や間仕切りを作る工事」の2つの工事で行われます。
天井を作る場合は、格子状に組み上げた軽天を躯体天井からつり下げるように取りつけます。
壁や間仕切りを作る場合は、壁材の下地となる軽天を仕上がりの壁面に合わせて取りつけます。
それぞれのやり方を以下で解説します。
天井を作る軽天工事
1. アンカーの打ち込み
天井のコンクリート躯体に一定間隔で穴を開け、筒状のアンカーを打ち込みます。
この際、打ち込みが不十分だと脱落してしまう危険性があるため、注意が必要です。
2. つりボルトの取り付け
アンカーの雌ネジに「つりボルト」と呼ばれる長いボルト棒を取り付けます。
「3分ボルト」や「4分ボルト」と呼ばれるボルトが使われます。
つりボルトの先にハンガーが取り付けられ、そのハンガーをつりボルトに沿って上下させ、天井の高さを決定します。
3. 鋼材をつる
ハンガーに長い鋼材を取り付け、さらにその下に別の鋼材を格子状にビス留めします。
そこに石膏ボードをビス留めし、クロスなどの天井材を貼って仕上げます。
壁や間仕切りを作る軽天工事
1. ランナーの取り付け
壁や間仕切りの仕上がり位置に合わせて、天井と床に鋼材をはめ込むためのレールとなるランナーを打ちつけます。
2. スタッドの取り付け
壁や間仕切りの柱となるスタッドを必要な長さに切断し、天井と床のランナーに一定間隔ではめ込んでいきます。
壁や間仕切りの場合は、天井の軽天工事よりもシンプルな手順です。
曲線や特殊な形状の壁なども軽天工事で対応可能ですが、正確な施工が求められるため、十分な技量が必要です。
軽天工事で使用する材料
軽天工事で使用する材料は「軽量天井(軽鉄、LGS)」と呼ばれ、厚さ0.5mm〜1mm程度の鋼材です。
「軽量・耐火性に優れている・加工が容易・安価」といった特徴があり、商業施設やビル、工場などの様々な建築物で利用され、近年では一般住宅でも用いられるようになっています。
他にも軽天工事に使用される材料は以下のようなものがあります。
- 角スタッド
- Cチャンネル
- Wバー
- Sバー
- ハンガー
- サポートスタッド
- ランナー
- 石膏ボード
上記以外にも多くの種類があって、それらを固定するためのビスやナットやボルトや道具なども含めると相当な数になります。
軽天工事で使用される材料などをまとめて「軽天材」と呼びます。
軽天工事の単価
軽天工事の平米単価の相場は以下の通りです。
工事内容 | 平米単価 |
天井軽鉄下地 | 1,400円程度~ |
天井軽鉄下地(ジプトーン用) | 1,500円程度~ |
壁面軽鉄下地 | 1,700円程度~ |
間仕切軽鉄下地 | 1,600円程度~ |
軽天工事のメリット
軽天工事を行うことの代表的なメリットは以下の4つが挙げられます。
軽量で加工がしやすいため工期が短い
材料に使われる軽天は厚みが0.5mm〜1mmほどである為、木材や重量鉄骨に比べて軽量です。
木材などに比べて工場製作や現場加工がしやすいという特徴があります。
そのため、作業にかかる時間が大幅に短縮されます。
耐火性に優れており火災に強い
軽天は鋼材であるため、木材に比べて燃えにくいです。
消防検査に通りやすいことも大きなメリットのです。
耐久性が高く長持ちする
木材は湿気等に弱く腐食や虫食いが起こり、十分な強度を保てなくなってしまうこともあります。
軽天は薄いものの、十分な強度を保てるようになっています。
また、湿気の影響を受けず、腐食や虫食いの心配もなく、長く使うことができます。
工事費用を安く抑えられる
軽天は原価が安く、価格も安定しています。
また加工性に優れていることもあって、スピーディーに作業を行うことができるため、人件費や材料費を抑えることが可能です。
まとめ
本記事では、軽天工事について解説しました。
軽天工事は昭和50年頃に普及した内装の「骨組み」を作る工事です。
使用する軽天が木材と比較して、加工性・耐火性・コスト面でメリットが多く、様々な建築物で用いられる工事です。
今後も需要が高まっていく工事であると言えます。
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