外壁工事とは?目的や種類について解説!外壁工事に必要な資格は?

外壁は建物の外の外気が直接当たる壁です。
日々外的要因により、劣化していく外壁は定期的なメンテナンスが必要です。

今回は外壁工事について解説します。目的やどのような種類ががあるのかについて徹底的に解説します。

必要な建設業許可や資格についても説明します。

外壁工事とは


外壁工事とは外壁を補修する工事です。
塗装工事や外壁材の張り替え工事などの工事の総称です。
外壁工事が必要となるのは戸建住宅のほか、商業施設やオフィスビルなど、建物であれば必ずと言っていいほど外壁工事は必須です。

またその建物の外壁が何であるかによって必要な工種も変わってきます。

外壁工事の目的


外壁は常に外気や雨、紫外線にさらされているため、劣化の進行が早まります。

劣化が進めば建物には雨水の侵入断熱性の低下など様々な不具合が生じてくるため、防がなければなりません。
そこで必要となるのが外壁工事です。

外壁工事を行うことで、防水性透湿性の向上遮熱断熱性効果耐久性の向上などが期待できます。
よって結果的に建物の寿命を延ばすことが可能となります。

外壁工事の工法


外壁工事には主に3種類の工法があります。

  • 塗装工事
  • 張り替え工事
  • 重ね張り工法

塗装工事

外壁工事の最も一般的な工法は塗装工事です。

既存外壁に洗浄、下地処理を施し外壁専用の塗料を塗ることで新たな塗膜を形成する工事です。
古い塗膜のままでは防水性が著しく低下するため、放置しておくと構造部に雨水が浸入し建物を劣化させてしまいます。
他の工法に比べ費用も抑えられ、景観も保てるため広く採用されていますが劣化の早期発見が必要です。

張り替え工事

張り替え工事とは外壁材を既存のものから新しいものへ張り替える工事です。

既に外壁の劣化が進み、構造部にまで雨水が浸入し、腐食が進んでいる場合に採用されます。
一度外壁材を全て剥がし、腐食した箇所を補修し新たに外壁材を建込みます。
外壁材にはタイル壁の張り替えもありますが張り替え工事と言えば一般的にサイディングボードを指す場合が多いです。

重ね張り工法

重ね張り工法は、既存外壁材を撤去せずに新たなサイディングボードを重ねて張る工法です。

張り替え工法よりも費用を抑えることが出来るため、雨水の浸入具合がそこまで深刻でない場合に採用されます。
塗装の代わりとしても採用されることがあります。
サイディングボードにも種類がありますが、重ね張り工法では主に金属系ボードが使われます。

外壁工事の流れ


どの工法であっても工程はおよそ10〜15日程度となります。

流れとしては以下の通りです。

  1. 足場設置
  2. 養生・洗浄
  3. 下地補修
  4. 塗装・外壁材新設
  5. 確認検査・足場解体

足場設置

外壁工事は手の届く範囲だけではなく、2F部分など高い場所もありますので足場の設置は不可欠です。
一般戸建て住宅であればおよそ1日〜1日半ほどで完了します。

養生・洗浄

高所での作業となるため、塗料や外壁材の飛散防止のため、養生を行います。
また塗装工事の場合は既存外壁を高圧洗浄し、汚れやコケを落とします。
およそ1日で完了します。

下地補修

次に外壁の劣化箇所の補修を行います。
ひび割れや欠損部などがあれば補修対象に合わせた工法で補修をします。
塗装の場合はこの時点で外壁目地のコーキング打ち替えなども行います。
また張り替えの場合は構造部にまで侵食している場合があるので既存外壁材撤去後に補修を行います。
程度にも寄りますが、およそ2〜5日程度掛かります。

塗装・外壁材新設

下地補修が完了すれば、塗装または外壁材新設です。

塗装では下塗り中塗り上塗り、と3回ほど重ねて塗ります。
下塗りはプライマーなど、塗料のノリが良くなるための調整剤を塗ります。
下塗りで全体の塗装が完了したあとは中塗り、上塗りです。

中塗り、上塗りは同じ塗料を重ねて塗ります。
重ねて塗ることで、塗り残しをなくす、塗装の厚みを増す、などの効果があります。
張り替えでは、新たな外壁材を取り付けます。
塗装、張り替え共におよそ3〜5日程度掛かります。

確認検査・足場解体

仕上げ工程が完了したら、足場解体の前に確認検査を行います。

足場を解体し、のちのち塗り残しなどが発覚した場合はどうしようもありません。

足場解体の前にしっかり検査を行わなければなりません。

外壁工事の種類


ここまで外壁工事の工法などについて解説してきましたが、もう少し各工法について詳しく解説します。

塗装工事

概要

塗装工事は既存外壁材の上に新たに塗料を塗ることで、新たな塗膜を形成し、雨風、紫外線などの外的な要因からの保護を目的とした工事です。
塗料にはいくつかの種類があり、それぞれ耐用年数と費用に差があります。
定期的にメンテナンスを行うことで、塗装工事のみで外壁材の寿命を延ばすことが出来ます。

使用する塗料の種類

塗料にはいくつか種類があります。

ウレタン塗料と言えば一般的には「ポリウレタン」の塗料を指します。
他にアクリルウレタンの塗料もあります。
一昔前は主流の塗料でしたが、現在では使われることが少なくなってきました。

耐候性に優れ、上塗り材として広く使われていました。
耐用年数は5〜10年と短めですが、価格は2,400〜3,000円/㎡です。

シリコン塗料は現在最も使用率の高い塗料です。

シリコンアクリルを主成分としており耐熱、耐候性に優れます。
耐用年数は10〜15年で価格は3,500〜4,000円/㎡で、耐用年数と価格のバランスが最もいいと言われています。

フッ素塗料は蛍石を原料としたフッ素を配合した塗料です。

耐候性、耐久性に非常に優れ、特に紫外線に強い塗料です。
耐用年数は15〜20年と長く一度の塗ってしまえば、しばらくメンテナンスは不要です。
価格は4,000〜4,500円/㎡と高めです。

  種類    耐用年数      価格(材工)
ウレタン塗料 5〜10年 2,400〜3,000円/㎡
シリコン塗料 10〜15年 3,500〜4,000円/㎡
フッ素塗料 15〜20年 4,000〜4,500円/㎡

塗装工事まとめ

  • 塗装工事とは外壁材の上から新たに塗料を塗る工事
  • 塗料の種類は3種類ほどあり、それぞれ耐用年数と価格に差がある

塗装工事は建物の雰囲気がガラリと変わるので、気分も一新することが出来ます。

張り替え・重ね張り工事

概要

張り替え工事は既存外壁材を全て撤去し、下地補修後に新しい外壁材を張り付ける工事です。
既に外壁材の劣化が著しく進み、構造部にまで浸水が見られる場合などに用いられます。

重ね張り工事は、既存外壁材の上に新しい外壁材を張り付ける工事で「カバー工法」などとも呼ばれています。

張り替え工事の特徴は既存外壁材の属性を変えることが出来る点です。
モルタル壁→サイディングやモルタル壁→タイルなどの様に景観を変えることが出来ます。

使用する建材の種類

張り替え・重ね張り工事で使う建材と言えば、サイディングやタイルが主になります。
サイディングとは外壁に張る板状の仕上材です。
サイディングボードと呼ばれる工場で制作される既製品の材料を定められた手順で張り付けていくものです。
様々な柄、色が展開されています。
サイディングは下記の4種類に分かれており、価格は2,000〜6,000円/㎡が相場です。

  • 窯業系
  • 樹脂系
  • 木質系
  • 金属系

タイルには外壁用のタイルを使用します。
磁器質やせっ器質のタイルなどがあります。
タイルは基本的にメンテナンスが不要と言われていますが、地震などでひびが入った場合は部分的に張り替えなどが必要です。
価格は10,000円/㎡前後が相場です。

張り替え・重ね張り工事まとめ

  • 張り替え工事とは既存外壁材を撤去後に新たに外壁材を張り付ける工事
  • 構造部にまで腐食が進んでいる場合などに採用される
  • 主な建材としてサイディングボードやタイルがある

張り替え・重ね張り工事は外壁の模様なども大きく変わるため、塗装工事以上に建物のイメージが変更出来ます。

補修工事

塗装するにしても、張り替えをするにしても下地の補修は必須です。
補修工事を怠ると建材本来の性能が発揮出来ません。
また、予算の問題で外壁全面の改修は行わず、必要箇所のみの補修工事とする場合もあります。

シーリング打ち替え

シーリングとは外壁材と外壁材の継ぎ目に打ち込む弾力性がある建材です。
継ぎ目からの雨水の浸入を防ぐ重要な箇所です。

シーリングも塗料同様劣化していきます。
外壁改修の際には必ずシーリングの打ち替えも行いましょう。

ひび割れ補修

ひび割れはサイディング、タイル、コンクリートの場合でそれぞれ補修方法は変わります

サイディングの場合はひび割れ箇所に沿ってU字やV字にひびが割れていない深さまでカットします。
その後シーリング材を充填し、塗装で完了です。

タイル壁の場合は、ひび割れタイルの張り替えです。
コンクリートの場合は、エポキシ樹脂を直接注入し、ひび割れを埋めます。

欠損補修

塗膜の欠損の場合は、剥がれる箇所まで剥がし、塗装を行います。
モルタルやコンクリートの欠損は、樹脂モルタルと呼ばれるエポキシ樹脂系の材料を充填し整形を行います。

補修工事まとめ

  • 下地の補修は必須
  • 予算の都合で部分補修をすることもある
  • 補修の種類はおよそ3つ

部分補修は予算を抑えるというメリットはありますが、どうしても補修をした跡は出てしまうので景観性は損なわれてしまうといったデメリットもあります。

外壁工事に必要な許可・資格について


外壁工事の建設業許可の分類や資格はどういったものがあるのでしょう。

外壁工事はこれまで解説した通り、塗装工事やタイルやサイデイングの張り付けなどが主な工事となります。
また、足場を組む必要もあります。
よって外壁工事に必要な建設業許可は下記の4つです。

  • 防水工事
  • 塗装工事
  • タイル・レンガ・ブロック工事
  • とび・土工工事
  • 板金工事

外壁工事の資格としては、必ず必要というわけではありません。
ただ、信頼を得るためにもあると有利に働くので、あって損はありません。
以下の資格が挙げられます。

  • 塗装技能士
  • タイル張り技能士
  • 足場組み立て等作業主任者
  • 建築板金技能士

まとめ


今回は外壁工事について解説しました。

外壁は定期的なメンテナンスを怠ると、構造部への雨水の浸入を許してしまい、最終的に取り壊さなければならないといった状況にもなりかねません。
それだけ外壁工事は建物の寿命を延ばす上で重要な工事です。
施工不良などはあってはなりません。

よって外壁工事を行う際は正しい知識、正しい作業手順で適切な施工を行いましょう。

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