掘削工事とは?概要や手順、掘削工法、必要な機械について解説!

掘削工事とは


掘削工事とは、図面を基に地面を指定の深さ、形状に掘る作業です。
基礎工事の最初の工程で、地表面より下の構造をつくる工事の為、建築工事では特に不可欠な工事です。

掘削工事と並行して、土留め工事や排水作業も同時に行われることが多く、比較的長期間の作業になります。
また、掘った個所を最終的に埋め戻し盛土をする床掘りとは異なり、埋め戻しを行わないのが掘削の特徴です。

この掘削工事は事故も多い工事なので、注意して行う必要があります。

掘削工事に必要な機械3つ


掘削では、シャベルやスコップなどにを使い人力で行う人力掘削も有りますが、基本的には以下の重機を用います。

バックホウ

ショベルカーやユンボとも呼ばれるこのバックホウは、掘削に用いられる重機で最も一般的な機械です。
バックホウは直接地面の土を掘り、そのまま掘った土をダンプトラックに積み込める為、非常に万能で使いやすい重機です。
操作性上、地面よりも低い場所の掘削に適しています。

クラムシェル

クラムシェルは、先端に吊られたクラムシェルバケットで、土砂を掴みトラックに積み込むための重機です。
土砂を掴めるよう開口させたクラムシェルバケットを地下に落とし、バケットを閉口することで土砂を掴みます。

掘削工事の初期段階では地上から深くない為、バックホウで掘ってそのままトラックに積むことが出来ます。
ですが、掘り進めると同時にバックホウでは限界が来るため、クラムシェルが必要となります。

陸での工事以外に川や海で掘削を行う場合には、グラブ船やバケット船、浚渫船などが使用されます。

このクラムシェルには、ケーブル式、油圧式、テレスコピック式の3つの種類がありが深さや状況に応じて使い分けます。

掘削方法4つ


掘削には様々な方法があり、状況や場所に応じて使い分けます。
各方法のメリットやデメリットを解説します。

① ロータリー掘削

ロータリー掘削は、岩盤を砕くためのビットを先端に付けたドリルを地下に下ろし、ドリルストリングスごと回転させ、その回転によって地層を削る方法です。
井戸などを掘る際には、一般的な方法です。

ロータリー掘削は、地盤の柔らかい個所から固いところまで掘ることが可能です。

② 泥水掘削

泥水掘削は、ロータリー掘削の際にビット近くの掘削屑を効率よく取り除くこと、掘削屑を地下深くから地上まで運び出す為に泥水を使用しながら行なう掘削です。
ビットは単なるドリルではなく、泥水が流出するようにノズルが取り付けられたビットを使います。

泥水が噴射されることで、砕かれた掘削屑の除去、ビットの冷却や潤滑性の保持、地下の圧力を抑える、などの効果があります。

③ エア掘削

エア掘削は空気(エア)を水の代わりに使用する方法です。

この方法は、ロータリー掘削で一般的に利用される泥水を全く使用しないため、泥水掘削とは違う設備や掘削技術が必要になります。

メリットは、地熱井を掘削するにあたってのコスト増加要因である掘削屑を排出する対策を行う必要がなくなる為、コストの削減に繋がります。
デメリットは、高圧・大流量のコンプレッサーが必要となり、非常に大規模な設備が必要となること、ドリルパイプ・ドリルカラーなどのドリルストリングス、あるいはケーシングの摩耗などがあります。

④ 空気混合泥水掘削

空気混合泥水掘削は空気を含んだ泥水を使用して見かけ上の泥水比重を小さくし、低圧層に逸泥が発生しないようする掘削方法です。

メリットはエア掘削と同じく、逸泥対策を行わなくても良い事、地熱井の生産層や還元層に影響を与えづらい事です。

地下掘削の順序


地下掘削の手順は主に以下のようになります。

1次掘削

1次掘削は、バックホウを使い地面を掘っていく作業です。
既存の土留めに沿い土を掘り、そのまま掘った土をトラックへ詰め込んでいきます。

一定の深さまで掘り進めたら、支保工と呼ばれる土留め壁を支える切梁を設置します。

2次掘削

2次掘削は、1次掘削で掘り進めた箇所から再びバックホウにより掘り進める作業です。
更に掘り進める為、トラックに土を詰め込む際は、クラムシェルを使用します。

1次掘削と同じく、切梁の志保工を設置し、露出してきた土留め壁を支えます。

排水作業

掘り進める場所や状況によっては、途中で排水作業が必要になります。
これは湧き出してきた地下水を取り除いていく作業で、排水作業をしないと土全体が泥上になり非常に重くなり、作業にも支障が出てしまいます。

掘削工事の重要な3つのポイント

  • 掘削場所の埋設図を探す
  • 試掘をする
  • 既存の配管が見つかった場合は、所有者に確認をし、手掘りを行う

 

掘削場所の埋設図を探す

可能な限り掘削場所の埋設図を探しましょう。
既存の配管が埋まっている可能性があり、事前に知っておけば破損させずに済みます。

試掘する

掘削箇所に既存の配管がある場合は、バックホウで表面をなめるように試掘しましょう。

試掘することで時間は多少掛かってしまいますが、行わずに既存の大事な配管を破損してしまった時の方が後から問題になります。

既存の配管が見つかった場合は、手掘りを行う

掘削箇所に既存の配管が存在することが分かっており、さらに活きている配管の場合には手掘りをすることが安全策となります。
これ以外にも、緊急の際の予備配管を用意しておく、既存配管を破損させた場合の緊急連絡リストの作成なども重要なポイントとなります。

まとめ


今回は掘削工事について解説しました。
建築工事では特に欠かせない工事ですが、事故率の高い工事でもあります。
また、掘削する際には既存の配管を始めとした埋設物にも注意する必要があります。
出来る限りのリスク想定をしたうえで、工事に臨むことが重要です。

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