電気通信施工管理技士とは?具体的な仕事内容や他資格との違い、試験についても詳しく解説します!

電気通信施工管理技士は2019年に新設された資格であり、(一財)全国建設研修センターが試験を実施しています。

新しい試験としても注目される中、仕事内容や資格取得のメリットにはどういったポイントがあるのかや、電気工事士との違いについて紹介していきます。

電気通信施工管理技士の仕事内容とは

電気通信施工管理技士の仕事は、人々の生活にも欠かせない業務が多いですが、具体的にどういったものを取り扱うか紹介します。

仕事内容

電気通信施工管理技士の仕事はインターネットの情報設備やネットワーク設備を取り扱ったり、放送機械や有線電気通信に関する機器類を扱います。

その際には施工管理の知識や建築・土木といった建設業全般の知識も必要になることがあり、知見があることの証明のために電気通信施工管理技士の資格を得る人も少なくありません。

人々の生活や仕事をする上で必要になるLAN・インターネット工事や、電話工事などを電気通信施工管理技士が取り扱うため、需要のある仕事だと言えるでしょう。

1級と2級の違い

電気通信施工管理技士の1級と2級の違いとして、1級は特定建設業の営業所の専任技術者になれ、2級は一般建設業の営業所の専任技術者になれることが挙げられます。

現場の規模の違いはありますが、仕事内容が異なるわけではありません。

また、1級電気通信施工管理技士は監理技術者の要件を満たすことも違いの一つです。

1級電気通信施工管理技士の試験とは

1級電気通信工事施工管理技術検定は、第一次検定と第二次検定にわかれており、それぞれ年に1回開催されます。

試験概要や受験資格、合格基準について紹介します。

試験概要

令和4年度の1級電気通信工事施工管理技術検定の試験日と合格発表は次の通りです。

第一次検定の試験日:令和4年9月4日(日)
合格発表日:令和4年10月6日(木)(申込受付期間は令和5月6日~5月20日)

第二次検定の試験日:令和4年12月4日(日)
合格発表日:令和5年3月1日(水)(申込受付期間は令和5月6日~5月20日)

■受験手数料
第一次検定、第二次検定ともに各13,000円です。

受験資格

建設業法施行令第27条の5第1項等において1級電気通信工事施工管理技術検定の受験資格は次のように定められています。

第一次検定は、2級の第二次検定に合格していれば受験可能で、学歴や指定学科の卒業者かどうかによって3年~13年の実務経験年数が必要になります。

詳細な受験資格は下図の通りです。

引用)1級電気通信工事施工管理技術検定 https://www.jctc.jp/exam/dentsu-1

1級電気通信工事施工管理技術検定の第二次検定は、第一次検定を合格するか、2級の二次検定合格後に一定の実務経験年数があれば受験可能です。詳細は下図の通りです。

引用)1級電気通信工事施工管理技術検定 https://www.jctc.jp/exam/dentsu-1

出題内容

1級電気通信工事施工管理技術検定の第一次検定の出題形式は四肢択一式(マークシート方式)です。

出題数90問のうち、必須で解答する問題が7問、選択して解く問題が53問の合計60問を解答する必要があります。

電気通信工学、電気通信設備、法規の選択問題が2時間30分、土木や建築の関連分野や施工管理法の選択問題と、応用能力を問う必須問題を2時間で解答していく形式となります。

第二次検定は、記述式の問題が6問あって施工管理に関わる内容や法規に関する電気通信設備の問題が出題されます。

合格基準・難易度

第一次検定の合格基準は60問中36問の正解、つまり正答率60%となっています。
第二次検定も正答率60%以上で合格です。
ここ3年の合格率は30~50%であり、1級電気通信施工管理技士は「1ヶ月ほどの勉強期間があれば合格できた」という声もあります。

2級電気通信施工管理技士の試験とは

2級電気通信工事施工管理技術検定は、第一次検定は年に2回、第二次検定は年に1回開催されます。

試験概要や受験資格、合格基準について紹介します。

試験概要

令和4年度の2級電気通信工事施工管理技術検定の試験日と合格発表は次の通りです。

第一次検定の前期の試験日:令和4年6月5日(日)
合格発表日:令和4年7月5日(火)(申込受付期間は令和4年3月2日~令和4年3月16日)

第一次検定の後期の試験日:令和4年11月20日(日)
合格発表日:令和5年1月20日(金)(申込受付期間は令和4年7月12日~令和4年7月26日)

第二次検定の試験日:令和4年11月20日(日)
合格発表日:令和5年3月1日(水)(申込受付期間は令和4年7月12日~令和4年7月26日)

■受験手数料
第一次検定が6,500円、第二次検定が6,500円、両方を同日に受ける場合は13,000円です。

受験資格

建設業法施行令第27条の5第1項等において2級電気通信工事施工管理技術検定の受験資格は次のように定められています。

第一次検定は、その年度の末日における年齢が17歳以上であれば誰でも受験可能です。
第二次検定は、学歴や指定学科の卒業者かどうかによって1年~8年の実務経験年数が必要になり、詳細な受験資格については下図の通りです。

引用)2級電気通信工事施工管理技術検定 | 一般財団法人全国建設研修センター https://www.jctc.jp/exam/dentsu-2

出題内容

第一次検定は、通信工学や情報工学などを含む電気通信工学、ネットワーク設備や情報設備といった専門的な問題から建設業法などの法規の問題、関連分野や施工管理法などが出題されます。

選択問題と必須問題が65問あるうち、四肢択一式(マークシート方式)で40問解答する必要があります。

第二次検定は、施工経験の記述や品質管理、電気通信設備の記述式問題が6問出題されます。

合格基準・難易度

第一次検定の合格基準は40問中24問正解(正答率60%)で、第二次検定は5問中で60%正解で合格です。

合格率は33%~42%ほどで、1級ほど難しくは無いですが試験対策をしておかないと合格は厳しい試験であると言えます。

試験対策・勉強法


電気通信施工管理技士は独学でも取得可能と言われており、通信講座などもあります。
そうした内容を踏まえて、電気通信施工管理技士の試験対策や勉強法を紹介しますので参考にしてみてください。

過去問題に慣れる

試験対策として、過去問題の傾向や出題形式に慣れることが大切だということが挙げられます。

特に電気通信施工管理技士の試験は選択問題があるため、自分はどの分野を答える方が得意なのかを把握しておかなければなりません。

また、解答を埋めていくにあたり、「解答欄をズラして答えてしまった」という失敗例もありますので、解答の方法にも慣れておきましょう。

問題を繰り返し解く

電気通信施工管理技士の過去問題を解いていき、わからなかった問題は解説を読んで理解を深めましょう。

1年分の過去問題をまずは解けるようにして、予想問題などもあれば3回ほど繰り返し解くことで理解が深まります。

何度も解けなかった問題は付箋を貼っておき、自分がどんな分野が苦手なのかを把握していくのもおすすめです。

苦手分野を克服したい場合は図解の多い参考書やネットで調べて理解を深めておくのも良いでしょう。

通信講座を利用する

参考書を読んだり、問題を解いたりするにあたってモチベーションが上がらずに勉強時間を確保できないという人は通信講座を利用するのもおすすめです。

決まった時間に通信講座を利用すると決めて勉強時間を確保でき、対策問題なども用意してくれるため効率的に勉強できる可能性があるのもメリットの一つでしょう。

資格取得のメリット

電気通信施工管理技士の資格を取得するメリットを3つ紹介します。

仕事の需要がある

1990年代を中心にインターネットが普及し始め、今では8割以上がスマートフォンを持っていることから電気通信工事の必要性が増加しました。

また、2020年は5Gというモバイルネットワークが広がりを見せており、今後もモバイルネットワークの進化が続くことから需要は高まるばかりです。

そのため、電気通信施工管理技士の役目は今後も増えることから、仕事の需要があると言えるでしょう。

監理技術者を目指せる

電気通信施工管理技士に合格し、実務経験を5年以上積むことで監理技術者になることができます。

監理技術者は下請契約の請負代金総額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の工事に必要な存在であるため、大きな施工現場に特に需要があります。

また、会社から評価されることが多く、資格手当として月に1万円以上支給することから給与アップのためにも狙いたい資格だと言えるでしょう。

転職に有利

電気通信施工管理技士の資格を持っていることで、電気通信工事に対する理解度や経験があるとみなされることから転職活動の際にも有利になります。

また、求人を出す企業も電気通信施工管理技士の資格が必須であると提示する場合があり、そうした企業への転職を有利に進めることができるでしょう。

他の電気系資格との違い


一般財団法人建設業振興基金が試験を運営している「電気工事施工管理技士」と、一般財団法人電気技術者試験センターが試験を運営している「電気工事士」、「電気通信主任技術者」の資格と、電気通信施工管理技士の違いについて紹介します。

電気工事施工管理技士との違い

電気通信施工管理技士と電気工事施工管理技士の違いは、取り扱う対象が主に挙げられます。
電気工事施工管理技士の資格を持っていると、照明設備、変電設備、発電設備、送配電線工事といった施工に関わることができます。

電気工事に関わる施工スケジュールや現場の工程管理などを担い、メンテナンスも請け負うことがあります。

また、1級電気工事施工管理技士は2級よりも扱える業務の幅が広いのも特徴で、大規模な現場で働きたい人は1級がおすすめです。

電気通信工事施工管理技士はインターネット(LANやWi-Fi関係など)関係の配線工事、電気工事施工管理技士は機器類などに必要な配線工事を扱うのが違いとして挙げられます。

電気工事士との違い

電気工事士は建築物における発電設備、受変電設備、配送電設備、構内電気設備等の電気工事を手掛ける際に必要な資格です。

一方で電気通信施工管理技士は有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備の設置工事を扱います。

また、電気工事士は第一種と第二種にわかれており、第一種は最大電力500キロワット未満、第二種は600ボルト以下の受電設備の工事に従事可能です。

電気主任技術者との違い

電気通信主任技術者は「電気主任」とも呼ばれ、発電所や変電所、オフィスビルなどの電気設備の保安監督を担います。

電気通信主任技術の第一種はすべての事業用電気工作物を取り扱い可能で、第二種は電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物、第三種は電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物の取り扱いができます。

電気通信施工管理技士とは対象となる電気工作物や、仕事内容が違うと言えるでしょう。

電気通信施工管理技士の転職事例


電気通信施工管理技士の資格取得によりキャリアチェンジに成功した事例や、キャリアアップした事例を紹介します。

Aさん 施工管理から専門工事業者へ

建築に関する施工管理を務めていましたが、電気通信工事の専門的な仕事に興味を持って専門工事業者に転職しました。

元々、電気通信施工管理技士の分野に興味があったので、資格取得をキッカケに職を変えたという経緯があります。

放送機械設備工事やTV電波障害防除設備工事などができる転職先で、さらにデータ通信設備やネットワーク関係の設備も扱えるようキャリアアップしていきたいです。

Bさん 施工管理からメーカーへ

電気通信施工管理技士の資格を取得して、地下ケーブルや架空電線を扱うメーカーに転職しました。
電気通信線路設備工事や放送機械設置工事、空中線設備工事といった工事を対象とし、これまでの施工管理の経験を活かして必要な商品の提供に努めています。

専門的な知識を活かして、これからも電気通信工事業界で活躍をしていきたいと思います。

Cさん 工事業者から施工管理職へ

電気工事士の資格を持っていたので電気通信施工管理技士を取得して、工事業者から施工管理側の仕事に転職しました。

工事をするにあたり、自身で手を動かして電気通信設備を作っていくのも良かったのですが、一人では対応できない大きな現場で働いてみたいと思って電気通信施工管理技士の資格を取得しました。

工事業者がどういった手順で施工を進めるのかの知見があるため、施工管理やスケジュールの確認がスムーズにできるのが良かったです。

キャリアチェンジが上手くいったので、今後は役職に付けるよう経験を積んでいきたいです。

まとめ


電気通信施工管理技士の資格試験や他資格との違いを紹介し、具体的な仕事内容についても説明しました。

意外にも身近な業務が多いことから、電気工事よりも興味を惹いた人はいるかもしれません。
3年ほどの歴史がある電気通信施工管理技士の資格ですが、試しに2級にチャレンジしてみて知見を深めていくのもおすすめです。

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