土木施工管理はやめとけ?キツイ理由ややりがい、転職成功例など詳しく解説!

土木施工管理はやめとけ、といった話を聞くこともあるのではないでしょうか。
なぜ施工管理の仕事はやめとけと言われるのでしょう。
土木施工管理がきついと言われる理由とはどのようなところなのか、一方でやりがいやメリットはどのようなところなのかについて解説します。

土木施工管理とは

仕事内容

土木施工管理技士は道路や橋、トンネルや河川などの土木工事における施工計画を作成し、現場では作業工程の管理や、安全や工事品質、コストを管理する仕事です。

作業用地の確保や役所の手続き、届け出書類の作成や処理、周辺住民への工事説明など、幅広い業務を行います。

土木工事施工管理が手掛ける工事は、以下のような公共工事と民間工事が対象となります。

・道路工事:舗装工事、橋梁工事、トンネル工事、擁壁工事、施設の建築工事など
・鉄道工事:鉄道工事、駅舎工事、橋梁工事、トンネル工事、擁壁工事など
・河川工事:堤防工事、ダム工事、水門工事、水路工事など
・海岸工事:防潮堤工事、防潮門工事、護岸工事、など
・宅地開発工事:切土・盛土工事、上下水道工事、擁壁工事など
・災害復旧工事:破損した公共建設物の修繕など

他の施工管理との違い

土木施工管理の大きな特徴は、道路や橋梁などのインフラを建設することです。
人が生活するために必要で、生活を便利にするためのものを建設することが特徴です。
その他の施工管理技術者は、主に建物を建設する建築工事や建設工事に係る施工管理であるのに対し、土木施工管理は河川や港湾、道路や橋梁など公共性が高いインフラ工事を手掛けています。

土木施工管理がきついと言われる5つの理由

長時間労働・残業が多い

施工管理の仕事は手掛ける業務の幅が広く、一人当たりの業務量が膨大な量になるため、残業が多く長時間労働になります。

さらに、日々現場では事業主や施主の要望による仕様変更が発生したり、資材の納期変更による工程の変更が発生します。

そのため、工事のスケジュール変更や人員の配置変更、コストの管理や図面の変更など、多くのイレギュラーな業務が発生します。

通常業務が膨大にある上に、更に日々のイレギュラー業務が発生することもあり、労働時間が長時間になります。

休日出勤が多い

土木施工管理は公共工事とともに、民間工事も手掛けているため休日が取りにくく、週休2日は取れない業界です。

建設業界ではまだまだ休みが少なく、特に施工管理の仕事では業務量の多さから休みが少ないのが当たり前とされています。

厚生労働省によると、令和2年の建設業の年間休日数は平均107.6日です。
全産業の平均年間休日が116日であることから見ると、建設業の休日数は少ないといえます。

また、1ヶ月のうち4週連続して週休が1日であることが多く、年間労働時間が336時間を超えることも考えると、他産業と比較して1ヶ月多く働いている換算になります。

更に年次有給休暇の取得率も、建設業では44.9%となり、全産業が56.3%であることと比較して、やはり少ない休日数であることがうかがえます。

参考|厚生労働省:令和2年就労条件総合調査
参考|政府統計総合窓口:就労条件総合調査

業務内容が多く給料に見合わない

施工管理の平均年収は、他業種に比べて年収ベースが高く年収が良いとされています。
しかし、施工管理の業務量は非常に膨大で、残業時間が長く長時間労働となります。更に業務内容としては覚えなければならないことが多く、一人当たりの業務が非常に多いです。

労働時間で給料を割ると、時間あたりの単価としては割に合わないと感じるでしょう。

肉体労働が多く危険も多い

施工管理としての仕事は、現場での管理業務があり、建設現場での指示や資材の搬入や廃材の搬出などの体力仕事もあります。

技術職である職人や作業員のような作業でなくとも、肉体労働といえる体力の必要な業務が多く含まれています。

また、工事現場には多くの危険が潜んでいます。うっかり油断していると、命を落とす災害につながる可能性もあります。

自身が怪我や災害に遭うだけでなく、周りの人を災害に被災させる可能性もあります。
そうした危険性や肉体的な疲労が伴う環境での業務であることを考えると、施工管理の仕事の辛さが伺えると思います。

上下関係・人間関係が難しい

工事現場には様々な人材が集まります。
年齢も経験も幅広く、近年では海外の出身の方も多く働いています。
そうした幅広い人材を、施工管理は把握しマネジメントする必要があります。
人間関係の構築や上下関係、コミュニケーションが非常に重要になる仕事です。
工事現場の安全性を担保するためにも、工事スケジュールを調整するためにも、人間関係を構築するためのコミュニケーションは必須です。

様々な関係性の人材と、上手にコミュニケーションをとり、マネジメントをすることが求められる仕事であり、関係構築がとても難しい仕事であるといえます。

土木施工管理のやりがい・メリット

未経験でもキャリアアップが可能

土木施工管理は、未経験から始めることが可能です。
施工管理として主任技術者や、監理技術者になるためには資格が必要ですが、未経験から初めてキャリアを積むことができます。

土木施工管理は公共性の高さもあり、復興支援業務を行うこともあるため、施工管理の求人は増加しています。

そのため、未経験者や第二新卒の採用も積極的に行われており、若手をしっかり教育するサポート体制を整備する企業も増えています。

仕事内容がAIに代替されにくい

建設業界においても、AI導入によるDXは促進されています。
ドローン技術によって計測や測量、タブレット操作できる資材運搬技術、トンネルシールド掘削の自動化など、日々進化した技術が導入されています。

しかし、施工管理の仕事については、高度な知識と経験を基として、他者とのコミュニケーションや協議を行う業務ではAIによる代替が不可能とされています。

多くの業務がAIによって代替される中、施工管理の業務はAIによって負担軽減はされるものの、完全な代替はできないといえるでしょう。

IT導入による技術で仕事が効率化

施工管理の仕事においてもAIを導入することで、多くの業務における負担が軽減されるIT技術やICT技術が促進されています。

タブレットやネットワーク技術の進化に伴い、様々な業務の負担が軽減されています。
情報技術の進化によって、図面などの情報がタブレット端末などのモバイル機器で手軽に最新化され、情報が共有できるようになり、遠隔システムによる業務指示が可能になります。

ITやICT技術の活用や、クラウドサービスの導入によって施工管理の業務負担は大幅に改善される傾向になっており、今後もITツールの開発と導入は進められる方針です。

転職のチャンスも多い

土木施工管理の仕事は、インフラに係る公共性の高い仕事です。
そのため仕事の需要は常に高く、施工管理のニーズは常に高い状況にあります。
また、施工管理未経験者の教育体制の整備も進められているため、若手の人材の需要も高く、転職についてもチャンスの多い仕事であるといえます。

さらに、資格を取得することで、転職する際も信頼性や経験値が認められやすくなり、キャリアアップのチャンスを獲得しやすくなります。

土木施工管理に向いている人

建設業界やものづくりが好きな人

建設業界が好きな人や、ものづくりが好きな人は、施工管理の仕事に向いているといえるでしょう。
仕事には辛く苦しいことも伴うこともありますが、根底に「この仕事が好き」という感情があることで、辛いことも乗り越えていくことができる可能性が高いです。

体力に自信がある人・体育会系の人

施工管理の仕事は長時間労働になることがあり、休みが取れないこともあるため、体力的に自信がある人には向いているといえます。

また、コミュニケーションをとる作業員や職人は、いわゆる体育会系的な職人気質な性格の人が多く、先輩後輩といった上下関係を重視したり、大きな声での挨拶を大切にしたりといった風土が色こく残っています。

そのため、体育会系の性格の人は建設業界に適した性格であり、施工管理にも向いています。

やりがいのある仕事がしたい人

建設業の仕事は、一般的に地図に残る仕事と言われます。
建設物や成果物が形を成して、世の中の人に役立つ形で残ります。
建物が完成したり、災害の復興支援をしたり、人の役に立つことを肌で感じられ、社会に役立っていると実感できる喜びがある仕事です。

友人や家族に、自分の仕事を成果物の形で伝えることが可能であり、大きなやりがいを感じられる仕事です。

土木施工管理の将来性とは

DXの推進によって技術革新が発展している

建設業界全体にいえることですが、IT・ICT技術の導入推進やAI技術の活用推進が進められ、技術革新の恩恵によって労働負担の軽減が図られています。

土木施工管理をはじめ建設業界では、先端技術を活用して労働者の負担を軽減することを強く進めています。

このような動きは今後も推進されるため、ますます負担は軽減され業務は効率化されるでしょう。

働き方改革が強く勧められている

土木施工管理をはじめとした建設業界では、全国の現場における週休2日制度の導入や、残業時間の軽減化など、働き方改革を強く推進しています。

先端技術の導入をはじめとした業務効率の改善によって、労働者一人当たりの生産性を向上し効率化させる動きが進められているのです。

国の推進する働き方改革を、建設業界全体で後押しする動きが強くあるため、今後の建設業界の働き方は更に改善すると考えられます。

土木業界の需要は今後も高い水準が予想される

建設業の中でも土木業界は公共性が高いため、災害復興やインフラ工事など将来的な需要は高い水準で推移すると考えられます。

また、施工管理の人材不足は建設業界全体で深刻な状況であり、国家資格である施工管理技士資格の受験資格の見直しなども進められています。

建設業界は高齢化が進んでいる背景があるため、若手の施工管理は特に今後非常に重宝される人材であるといえます。

ブラックな企業に入ってしまったら

経験を積み仕事を覚える

切り替えが早く、マネジメントに興味がある人にとっては、あれもこれも仕事を押し付けられるブラックな企業は「仕事を任される」仕事環境であるともいえます。

時間をかけて人材教育をする方針の企業では、ひとつの仕事を任されるまで長い時間がかかりますが、ブラック企業であれば仕事を押し付けられる反面、いち早く仕事を覚える事につながるというメリットにもなるのです。

いい意味で人より早く経験を積むことができますし、仕事を覚えるのも早いでしょう。
環境を利用して早く仕事を覚えて、経験を積みキャリアアップすることも可能です。

国家資格を取る

土木施工管理技士の国家資格には、一定の学歴と実務経験が必要です。
国家資格を取得することで、これまでの経験と実績を証明する事になり、一定の技術と知識を有していると証明できます。

転職をする際にも、資格を取得しているかどうかで選択肢が大幅に変わります。
仕事をしながら資格を取得するのは大変ですが、資格を取得できる頃には仕事と勉強の両立できるほどの時間管理術が身についていることでしょう。

ホワイトな企業に転職する

国家資格となる土木施工管理技士資格を取得できれば、転職を検討しましょう。
資格によって経験が証明され、技術的にも信頼される人材となります。
また、施工管理技士の資格を持った人材は、建設業界ではどの企業でも重宝される事となりますので、希望に沿った転職が叶いやすくなります。

土木施工管理の転職・収入アップ事例

事例1|資格を取得して昇進し収入アップ:年収550万円→630万円

ゼネコンで働くEさん。
マンション建設の土木工事を担当し、施工管理の業務に携わりました。
1級の施工管理技士資格に挑戦し、取得したことで会社内での信頼を獲得し、昇進する事になりました。

昇進に伴って年収も大幅にアップし、ますます向上心が沸いたと話しておられました。

事例2|転職エージェントを利用して転職:年収480万円→670万円

土木建設業に勤務するFさんは、日々の長時間労働と休日出勤で転職を検討していました。
しかし、毎日長時間残業しているため、転職活動をすることもままなりませんでした。
そこで転職エージェントに相談する事にしました。転職エージェントを利用することで、働きながらの転職活動ができるようになり、これまでの経験と実績が評価され、ホワイトな企業への転職に成功しました。

事例3|関連資格を取得、経験を活かし転職:年収560万円→700万円

ゼネコンに勤務するOさんは、土木施工管理技士として業務を任されていました。
Oさんはキャリアアップしたいと以前から転職を検討しており、施工管理技士の他にも関連する資格を取得していました。

これまで大きな規模の現場を担当していた経験があり、資格と経験が認められたことで、大手マリコンへの転職に成功しました。

年収は大幅にアップし、非常に満足しているとのことでした。

まとめ


施工管理の仕事は体力も必要であり、IT技術の導入が進められているとはいえ、まだまだ長時間労働となりやすい仕事です。

また、建設業界全体にいえることですが、上下関係や人間関係の構築が難しいといえる業界です。
それでも建設業や土木工事、ものづくりが好きである人にとっては、後世に残るやりがいのある誇りある仕事といえるでしょう。

やりたいと感じて、他にないやりがいを求めるならば、土木施工管理の仕事に挑戦することも検討してみてはいかがでしょうか。

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