私たちの生活には必要不可欠な建物には、基礎と呼ばれるコンクリートの部分があります。
このコンクリートを打設する作業について、手順や計画書、資格について解説します。
雨天時にはどうすれば良いのかといった現場レベルでの内容も紹介します。
コンクリート打設とは
コンクリート打設とは、建物の基礎となるコンクリートを型枠に流し込む作業のことを指します。
固まる前の生コンクリートを流し込むので、正確に素早く作業することが求められ、天候にも左右される作業です。
建物の基礎の部分は耐震性や耐久性に関わり、コンクリート打設で施工ミスをしてしまうと耐久年数等に大きく影響してしまいます。
本記事で内容を把握し、要点を抑えて作業することを心がけましょう。
コンクリート打設の5つの流れ
コンクリート打設の作業は大きく分けて5つあり、以下が作業工程になります。
- 計画
- 生コン生成
- 型枠流し込み
- 締め固め
- 仕上げ
計画
コンクリート打設をする際は、計画が必要になります。
打設工法や手順を作業員内で共有をするために打ち合わせを行います。
打設計画の詳細内容は後ほど紹介します。
作業内容や工法以外の共有以外にも、作業場所に第三者が立ち入らないようにカラーコーンやバリケードで区域を設置します。
作業場所の確保や作業内容の共有をすることで安全に作業を行うことができます。
生コンクリート流し込み
型枠(ベニヤ板で作った枠)の組み立てが終わった段階で、生コンクリートの流し込みを行います。
生コンクリートは季節や気温で水分量が変わってしまい、強度に影響してしまうので分量を調節しながら配合します。
生コンクリートはすぐ固まってしまうので、素早く正確に全体に流し込むことが大切です。
作業時間の目安は1時間半以内で行いましょう。
締め固め
締め固めは生コンクリートを流し込むと同時に行う作業で、バイブレーター等の機械で振動を与えて隅々まで生コンクリートを行き渡らせます。
この作業を行わないとコンクリート内に空気が含まれてしまい、強度が下がってしまいます。
生コンクリートはすぐ固まってしまうので、流し込み作業と連携して作業を迅速に行うことが重要です。
仕上げ
コンクリートの流し込みが終わると、表面をコテ等でならす仕上げ作業を行います。
表面の凹凸を無くすという目的と、基礎部分を水平にするという目的があります。
表面に凹凸部分があったり水平ではないと、施工時に微妙なズレが生じることも予想されるので、仕上げ部分まで正確に行うことが大切です。
養生
仕上げまで終了すると施工部分に養生をかけます。
コンクリートの種類や気温によりますが、養生期間は5日程度になります。
養生をする目的としては、生コンクリートが完全に固まるまでに雨風等に晒されないようにするためです。
生コンクリートは湿度にかなり影響を受けるため、乾燥している場所では養生マットに水分を含ませて保湿する場合もあります。
コンクリートの打設計画
コンクリート打設計画は項目が多く存在しますが、大きく分けて以下の4つです。
- 施工時情報
- コンクリート仕様
- スケジュール
- 養生方法
施工時情報
施工時の情報についても細かく分類されます。
打設に関しては、方法や数量・箇所や平均の打ち込み速度について記載します。
数量については垂直方向と水平方向それぞれを明記し、それに伴ったポンプ車の台数や想定される時間も計画します。
仕上げ面積も記載し、左官業者の手配等ができるように共有します。
施工時情報に基づいて業者の手配や材料の発注を決めていくので、綿密に計画をすることで発注ミスを防ぐことに繋がります。
コンクリート仕様
コンクリートの仕様も細かく定められており、種類や品質チェックの項目なども記載します。
設計図を基に種類を決め、空気量などのチェック項目を設けて施工ができる準備を万全に行いましょう。
スケジュール
スケジュールは、発注から打設までの全体の工期及び、作業日の細かい時間になります。
生コンクリートはすぐ固まってしまうので、当日のスケジュールを事前に組んで置くことが非常に重要です。
余裕を持った人員配置なども設定して作業が行える準備を整えましょう。
養生方法
計画の中には養生方法も記載することが重要です。
どのくらいの面積をシートで覆う必要があるのかを算出し、シートの手配を行います。
散水養生をする場合には、その場所に給水が取れる箇所があるかの確認をする必要もあります。
コンクリート打設の雨での中止基準
コンクリート打設時に雨が降った時の中止基準は、以下の2つの場合になります。
コンクリート流し込み時
コンクリート流し込みの最中に雨が降ってきた場合は、作業を中断もしくは中止をする必要があります。
理由としてはコンクリートの水分量に影響が出てきてしまうためです。
小雨程度であれば問題はありませんが、本降りになった場合は品質の低下に繋がってしまうので、作業中断を判断します。
基本的にはコンクリート流し込みの前には散水をして水を撒いてからコンクリート流し込みので、流し込みの前に雨が降った場合は問題ありません。
仕上げ時
コンクリート仕上げ時に雨が降った場合も中断が必要になります。
理由としては、表面に雨粒の跡がついてしまい、綺麗に仕上げることができなくなってしまうためです。
流し込みと仕上げは一連の作業で行う必要があるので、流し込みを行う際に天候に注意して作業を行うか判断する必要があります。
仕上げ後に何時間か経っている場合は、水がコンクリートに染み込むことはないので、雨が降ってきたとしても問題はありません。
コンクリート打設の主要資格は2つ
コンクリート打設に必要な主要資格は以下の2つです。
- 土木施工管理技士
- コンクリート技士
土木施工管理技士
土木施工管理技士は1級と2級が存在し、取得することで土木工事の主任技術者や監理技術者になることができます。
試験内容にはコンクリートの配合や打設、運搬方法等があり、コンクリートに関わる施工管理を熟知していないと取得することができない資格になります。
難易度がかなり高く、保有者数も少ないため建設業界では重宝される存在とされています。
土木施工管理技士について詳しくはこちら
→土木工事の主要資格10つ!メリットや難易度を徹底解説!
コンクリート技士
コンクリート技士は、コンクリートの製造や配合、管理・試験を行う能力があるとみなされる資格です。
コンクリート打設と直接施工面で関わるわけではありませんが、コンクリートの製造や配合、試験をする際には必要になります。
コンクリートに関わる資格の中で1番メジャーな資格になりますので、保有者数も多くなっています。
まとめ
本記事ではコンクリート打設の工事の流れや計画書、そして雨天時の対応について紹介しました。
作業内容は細かく分かれており、注意点も作業ごとに抑えて安全に作業することを心がけましょう。
この記事を読んで少しでも建設業の方の一助になれば幸いです。
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