プラント設計とは?仕事内容、年収やメリット、デメリットについて解説!

プラント設計とは、工場や石油コンビナートなどの原料から製品を精製する施設や電力などを生み出すため施設、廃棄物処理場や下水処理施設などインフラの施設といった様々な機械設備を配した規模の大きな建造物の設計業務を行う仕事のことです。

プラント設計は主にプラントエンジニアの専門会社に属して、設計部門で働いています。
今回はプラント設計の仕事内容やメリットおよびデメリット、また職種ごとの年収の違いなどを解説します。

プラント設計とは


はじめにプラント設計の仕事内容について解説します。

仕事内容

プラント設計はプラント建造計画を行う上で初めに行われる、設計業務を行います。
発注者との打ち合わせを行い、プラントの用途や見込んでいる生産量などをヒアリングし、必要な生産能力に見合う仕様や性能を決めていきます。

設計業務には基本設計と詳細設計に分かれており、基本設計でおおまかなイメージを作り、詳細設計でより詳細部までを設計し、実際に建設が出来るレベルまで落とし込みます。

基本設計

基本設計とは発注者の要望を基にプラントの生産能力や作業効率性などを考慮しながら、パース図や大まかな平面図、立面図などを作成し、全体のイメージを具現化するための設計計画です。

それらを基にして、撹拌槽やボイラーなどの設備機器の配置計画を作成します。
また、基本設計では敷地内の道路計画、作業員の動線計画、その他原材料や製品の搬入、搬出経路の計画など、様々な観点から多角的に設計を行います。

これらの検討をしっかり行うことでプラント稼働後の生産効率向上に繋がるため、基本設計はとても重要です。

詳細設計

基本設計でおおまかな計画が決まれば、その基本設計図を基にして、実際に建設が行えるレベルの設計を行っていきます。

これを詳細設計といい、建築材料や建物強度の検討や、電気配線、給排水の配管はどのように通すのかなど基本設計よりも更に詳細部まで検討します。

建築設計、土木設計、電気や機械設備の設計の他、プラントであれば計装機の設計なども必要となり、それぞれ専門分野の関係者と協力しながら進めていきます。

詳細設計は実施設計とも呼ばれ、着工以降はこの設計を基に工事が進められるので、第三者が見ても不明点がない状態にまで仕上げられます。

求められるスキル


プラント計画にはなくてはならないプラント設計ですが、プラント設計を目指す場合にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

専門知識

プラント設計には高度な専門性が必要です。
プラントには特に「理学」「工学」における様々な要素を含んでおり、建築、土木の他に電気系、制御系、システム系、化学系など多くの専門知識が必要となります。

また、プラント建造物はほとんどが規模の大きいものばかりなので、設計を行うには「一級建築士」の資格が必須です。

現在プラント設計として活躍している人の多くは理工学系の大学院卒業者です。

コミュニケーション力

プラント設計は多くの関係者の協力で成り立ちます。
円滑に打ち合わせや協議を進めていくためにもコミュニケーション力は重要です。
プラント計画は規模も大きく、関わる人は相当数になります。
また初対面の人との打ち合わせなども常にあり、すぐに有意義な話し合いをするためにも、コミュニケーション力が必要不可欠となります。

全体を俯瞰して捉える視点

プラントを設計する際は、プラントが稼働している状況を俯瞰してイメージする視点が必要です。
原材料の搬入と製品の搬出をしながら作業員の動線を確保できるのかなど、作業性と生産性のバランスを見つつ設計を行わなければなりません。

また設計時には非常に多くのタスクが同時進行している中、全体の進捗を俯瞰して捉えなければ納期までに間に合うことが出来るのかを把握することが出来ません。

全体を見通せる視点を持つことは重要です。

プラント設計の年収


プラント設計は専門性が高いことからも希少性が高い職種です。
年収面はどのようになっているのでしょうか。

平均年収

プラント設計全体の平均年収は約700万円程です。
日本の平均年収が436万円であることからも、プラント設計の年収は高めであることがわかります。

年齢別の年収は以下の通りです。

年齢 平均年収
20代 450万〜700万円
30代 550万〜850万円
40代 600万〜900万円
50代 620万〜1100万円

高い専門知識を要求されることなどから、人材の希少性ゆえの年収といえます。

他業種との比較

続いてプラント関連の業種別での年収比較です。

プラントエンジニアの仕事の中でもプラント設計は最も高い年収で、次いで600万円の施工管理、その次に作業員としての計装士の順でした。

施工管理も計装士も技術と知識が必要な仕事ではありますが、やはり設計の給与水準は高いことがわかります。

プラント設計のメリット

年収が高い

プラント設計のメリットは先ほども解説しましたが、年収が高いことが挙げられるでしょう。
比較的年収が低めの20代であっても約500万円ほどです。
1,000万円を超える人も少なくなく、プラント設計を目指すメリットのひとつといえます。

大規模な案件に関われる

プラント設計の多くは一般的な建設工事の設計と比べても、かなり規模が大きい計画であることが多く、完成時の達成感も非常に大きなものになります。

大規模な建造物のため、プラントは通常一度建てられれば何十年も残ることになり、簡単に取り壊されることがありません。

そのため、設計した功績が後世にまで残る可能性も高いです。

海外で活躍することができる

プラント建設の需要は東南アジアやアフリカなどの新興国での需要が年々高まっており、海外で活躍する機会も少なくありません。

建築業界で海外で活躍できる仕事とは現状限られているため、活躍の場を海外まで伸ばせることは、海外での生活に興味がある人や、海外の市場を感じたい人にとっては大きなメリットです。

プラント設計のデメリット

国内市場は成熟している

先ほど新興国での需要が高まっていると説明しましたが、反対に日本国内での需要はそれほど高くありません。

日本のプラント需要は高度経済成長の時代をピークに現在は飽和状態です。
現状、プラント設計の市場は既存施設の修繕計画などがメインとなっており、新設の計画などはほとんど無く、成熟しているといえます。

激務である場合が多い

プラント設計は常に納期との戦いになりやすい仕事です。
設計が遅れることで、そのあとの工程にも影響が出てしまい、信用を失ってしまうことがあります。
また突然の納期短縮依頼を受けることもあり、場合によっては夜遅くまでの残業が続くこともあり、激務になりやすいといえます。

ひとつの案件だけであればそれほど納期に追われることはありませんが、多くの設計者はいくつかの案件を掛け持ちしており、納期が重なることでまたたく間に激務になることがあります。

海外赴任の可能性がある

海外赴任についてはメリットの項でも解説しましたが、人によってはデメリットに感じることもあるでしょう。

家族と離れての生活や文化の違う環境での生活にストレスを感じる人も少なくなく、そういった人にとっては大きなデメリットのひとつといえます。

プラント設計での転職・成功事例

最後にプラント設計に関する転職事例や成功事例を紹介します。

プラント設計に転職→経験を積んだことにより念願の海外赴任を実現!

私は小さな頃から海外で仕事をすることに興味を持っていましたが、前職での仕事では海外赴任の可能性はほぼありませんでした。

その後、海外赴任ありと書かれたプラント設計の求人を見つけたことがきっかけで、現在の会社に転職をしました。

入社後はプラント設計の経験もありませんでしたので、海外赴任はなく国内で5年ほど経験を積みました。

そのうち東南アジアでの下水処理施設の建設計画を受注したことで人選があり、立候補をしたところ、了承を得たため、3年間の海外赴任を実現することができました。

文化の違う国の現場は、日本とは違っておりとても良い刺激になりました。

転職エージェントに相談したことで→ホワイト企業に転職!

前職のプラントエンジニアの会社では、一人当たりの担当現場が多く、常時納期に追われ心身ともに疲弊していました。

週6勤務でたまの休日は寝ているだけの生活が続いていました。
そこまで考えずに会社を選んだことを後悔し、次こそは希望条件を伝えた上で転職をしようと思い転職エージェントを活用して転職をしました。

私の希望をしっかり聞き取ってもらい、無事理想の会社を見つけることができました。
現在は、全員で一人当たりの抱えている現場を共有して、負担が大きくなっているのは誰かを見てもらいながら仕事ができているので、無理なく働くことができています。

建設業での経験を活かしてプラントに転職→年収大幅アップ!(年収650万→800万円)

前職では建設会社の設計部門で建築士として所属し、主に公共施設の新築や改築に伴う設計業務を行っていました。

8年ほど働いたところで、収入の増加率も下がってきたところで、転職を考えました。
プラント設計は年収が高めであることが分かっていたので、大手のプラントエンジニア会社へ打診をしたところ、ちょうど設計部門の人員を探していたということと自分のこれまでの公共施設の設計業務を経験していることが評価され、転職することができました。

おかげで年収を大幅にアップすることができ、プラント設計の経験も積んでいけるので、大成功の転職でした。

まとめ


今回はプラント設計について解説しました。

現在プラントは海外での需要が高く、国内での需要は飽和状態となっていますが国内のプラントの多くは高度成長期のものが多く、近年では老朽化が目立っており、修繕だけでは対処しきれず、新規建て替えを検討しているものも増えつつあります。

海外だけでなく今後国内での需要も高まれば、プラント設計の注目度も増々高まることが予想されます。

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