スラブとは?意味や役割、種類を解説!

「スラブ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
建物の丈夫さや遮音性に関係する大事な部材です。

今回は、スラブの意味や役割、各種類のメリットやデメリットを解説していきます。
スラブへの知識を深めることで、今後の引っ越しや物件選びにも役立つかもしれません。

スラブとは?


スラブとは、鉄筋コンクリートで作られた構造床のことです。

元々は「平板」「石板」を意味する言葉で、基本的には平らな板のような形をしています。
コンクリートでつくられているものを「コンクリートスラブ」、床を指す時には「床スラブ」、屋根を指す時には「屋根スラブ」と言います。

スラブは一般的にコンクリート製で、強度を保つために鉄筋が格子状に埋め込まれています。
木造に比べて騒音や歪みに強いと言われており、その特性からマンションや公共の施設ではスラブが多用されています。

構造耐力上主要な部分の床版は8cm以上と建築基準法では定められていますが、マンションなどの集合住宅では上下階への遮音性を高める為、20cm以上の厚さが標準とされています。

スラブが持つ特徴


スラブには主に以下のような特徴があります。

・高い遮音性
木造や鋼製の床に比べ、RC造のスラブは遮音性が高いという特徴があります。

・振動や変形が少ない
スラブは固い部材のため、変形が大きくても数mm程度で振動も起きにくい特徴があります。
スラブの厚みは遮音性に大きく影響し、スラブ厚が大きいほど遮音性が高くなります。

一方で、スラブの自重が大きくなるので柱や梁、壁に作用する地震力が増えます。
スラブ厚を大きくするだけで、柱や梁、壁の大きさが影響するのです。

スラブの厚さ

遮音性に影響するスラブの厚さはどの程度が一般的なのでしょうか。
スラブ厚は、建築基準法により下限値の規定があります。

・80mm以上かつ、短辺方向における有効梁間長さの40分の1以上とすること

一般的な厚みは以下のようになり、遮音性や耐久性の観点から、現在では最低150mm程度が普通です。

標準 150mm
分譲マンションや優良住宅 180~250mm程度

スラブ厚は、遮音性や住みやすさに関わる大切な要素です。
分譲マンションの場合、資料に記載されていたり、不動産経由で知ることが出来ますので事前に確認しておくと良いでしょう。

スラブの種類一覧


スラブの中にも様々な種類のスラブがあります。ここではスラブの種類を解説します。

コンクリート床スラブ

コンクリート床スラブには「土間コンクリートスラブ」と「構造スラブ」が存在します。

・土間コンクリートスラブ

上からの荷重が、地盤に流れて行くという考え方で設計されたコンクリート床スラブです。
よってスラブ自身では荷重を支える必要がないので、コンクリートスラブに配筋する鉄筋は、コンクリートの収縮を抑える程度の軽微な鉄筋で十分です。
ただし地盤の影響を受けやすく、地盤が低下するとコンクリートが荷重を受けきれず、ひび割れなど破損する可能性があります。地盤沈下が起こらないよう地盤の締め固めが必要です。

・構造スラブ

上からの荷重を地盤に流すのではなく、床スラブ自身で耐えるように設計されたコンクリート床スラブです。
スラブ自身で荷重を支える必要があるため、構造スラブに配筋する鉄筋は荷重に見合った土間コンクリートより強固な鉄筋が入ります。
土間コンクリートと違い、構造スラブは地盤が低下しても比較的影響を受けにくいと言われています。

二重スラブ

スラブの下にもう1つスラブを設け、2重構造になっているスラブを指します。

二重にすることでスラブとスラブの間にスペースが出来ます。
このスペースを配管ピット(配管を通す空間)や消火水槽に利用し、配管を露出せずに済むという役割もあります。

フラットスラブ

梁が無いスラブを指します。柱でのみ建物を支持します。

梁が無い為、天井を高くできたり、開放的な空間にできるなどのメリットがあります。
一方で、構造形式が難解であったり構造的に多くの問題が残るデメリットもあります。
梁が無く柱のみで支えられているため地震時などに力の伝達が難しく、衝撃が柱とスラブの接触する狭い1点に集中し、柱がスラブを突き抜ける「パンチング破壊」が起こる可能性があります。

片持ちスラブ

片側だけが壁に支持されているスラブです。

エントランスなどで、先端に柱を設けると入口の邪魔になる場合の雨除けや窓の外の庇(ひさし)に使われます。
片側だけ支持されている形状のため一般的には支持が弱く、建築構造上注意が必要とされるスラブです。

まとめ


スラブが持つ特徴や種類を解説してきました。
種類によってそれぞれ特徴がある為、建物に応じた厚みやスラブの種類を選んでいく必要があります。
また、各スラブにはデメリットもある為、どの建物に何のスラブが使われているか事前に把握しておくと良いでしょう。

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