近年、冷凍食品や流通の増加の影響でその資格は注目されており、将来的にも需要がある冷凍空調技士。
しかし、聞き馴染みがなく冷凍空調技士がどのような資格なのかご存知でない方が多いと思います。
本記事では、冷凍空調技士の概要や仕事内容、試験概要、試験合格に向けた勉強法、将来性について解説します。
冷凍空調技士とは
冷凍空調技士とは、冷凍空調設備の設計や施工、工事管理などの業務に携わる技術者を認定する資格です。
日本冷凍空調学会が個人会員を対象に認定しており、技術者が最新の技術を学ぶことで設備や機器の不備による損失や事故の発生を防止することを目的にしています。
冷凍・冷蔵の設備や機器の製造・検査・保守点検業務に携わるには欠かせない資格です。
資格保有者は冷凍空調分野に関するスペシャリストに位置付けられることから、冷凍空調業界では高く評価されます。
仕事内容について
冷凍空調技士の仕事は、冷凍・空調設備の設計、製作、施工に従事することです。
具体的な業務は以下の通りです。
- 機器制御仕様設計
- 冷凍サイクルの標準化
- 先行開発
- 送風機・熱交換器の開発
- 検査
- 保安チェック
就職先について
冷凍空調技士の主な就職先は冷凍・冷房機器の製作会社や、食品の冷凍・流通業務をおこなう企業などです。
平均年収は、勤務先によっても違いますが400万円~700万円と高い傾向にあります。
第一種と第二種の資格があり、上級資格の取得や理系大学卒業者の年収は高い傾向にあります。
冷凍空調技士の試験について
冷凍空調試験の受験資格や試験内容、受験料などを解説します。
本資格は更新が必要な資格でもあり、検定試験に合格した者は、合格発表後3年以内に登録手続きを行う必要があります。
登録を行わない場合は、冷凍空調技士の資格が失効してしまうので注意しましょう。
受験資格
第一種、第二種の受験資格は以下の通りです。
階級 | 区分 | 実務経験 |
一種
|
冷凍・冷蔵・空調など低温・高温の実務経験がある人 | 4年以上 |
大学・短大・高専で工学・理学を修了した人 | 2年以上 | |
第二種に合格した人 | 3年以上 | |
工業高校を卒業した人 | 3年以上 | |
冷凍空調学会主催の通信教育を有績で修了 | 2年以上 | |
二種
|
制限なし。※認定には実務経験2年以上が必要(合格後に実務経験証明書の提出が必要)
|
試験内容、受験料
冷凍空調技士の試験は「理論(筆記試験)」と「技術(実技試験)」に分かれており、それぞれ2時間ずつ行われます。
一種と二種があり、一種はマークシートと記述式、二種はマークシート式のみです。
試験内容は以下の通りです。
理論 | 技術 | ||
①冷凍サイクルと圧縮機 | ①冷凍装置の設計計算 | ||
②伝熱および熱交換 | ②冷凍装置の自動制御 | ||
③冷媒・冷凍機油・ブライン | ③冷媒配管・付属機器 | ||
④圧力容器の強度 | ④冷凍装置の運転と保守 | ||
⑤空気調和(Ⅰ) | ⑤保安 | ||
⑥空気調和(Ⅱ) | ⑥空気調和機 |
受験料や関連する費用は以下の通りです。
項目 | 第一種 | 第二種 |
受験料 | 10,000円 | |
技士登録料 | 7,000円 | 5,000円 |
入会金 | 1,500円 | |
年会費 | 9,600円 |
難易度について
第一種、第二種ともに合格基準は満点中、おおよそ60%以上の得点で合格となります。
第一種冷凍空調技士の合格率は約40~45%程度で、第二種冷凍空調技士の合格率は約75~80%程度です。
第一種の合格率は比較的低く難易度が高い資格と言えます。
合格するための勉強方法
資格試験合格を目指している人は、日本冷凍空調学会が発行しているテキストや過去問題集で勉強しましょう。
日本冷凍空調学会のサイトから購入できます。
独学でも合格することは可能ですので、まずはテキストと過去問題集を購入することをおすすめします。
テキストで基礎学習を行い、過去問題集を使いひたすら過去問を解きましょう。
どの資格試験にも通用する王道の勉強方法ですが、過去問で実戦に触れるのが一番効率的な勉強方法です。
独学での合格に自信がないという人には講習会への参加をおすすめします。
日本冷凍空調学会が主催しており、3日間の講習会で試験対策を学べます。
講習会の費用は以下の通りです。
会員 | 25,000円 |
非会員 | 30,000円 |
冷凍空調技士の将来性
冷凍空調技士は近年、冷凍食品や流通の増加の影響でその資格は注目されており、将来的にも需要の見込めます。
また、業務用エアコン工事にはこの資格が必要になるなど、保有していないと出来ない仕事もあります。
さらに、この資格は冷凍空調工事保安管理者と冷凍機器溶接士の認定要件になっており、第一種冷媒フロン類取扱技術者や、冷凍装置検査員・冷凍特別装置検査員を取得するための資格要件の一つにもなっています。
そのため幅広い年齢層で目指すことができ、将来性がある資格です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
あまり馴染みのない「冷凍空調技士」の資格について解説してきました。
冷凍空調業界では大変重宝される資格であり、この資格がないと出来ない工事もあります。
そのため平均年収も高めに設定されているなど、取得するメリットがある資格です。
ぜひ冷凍空調技士の資格を取得し、冷凍空調業界での活躍を目指してみてください。
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