土木設計とは? 仕事の内容や必要資格、年収アップの方法など詳しくご紹介!

土木設計の仕事内容やキャリアアップのためにはどうすべきか、関連する資格を通して紹介していきます。

まずは建築設計との違いや、土木設計におけるメリットやデメリットを説明していきましょう。

土木設計とは

建設工事における土木設計と建築設計の違いについて紹介するにあたり、まずは仕事内容を具体的に紹介します。

仕事内容

橋梁、道路、トンネル、鉄道といった生活する際に利用する構造物や、ダムや河川、湾岸といった水辺の工事に関する設計を行うのが土木設計です。

橋梁を新設する際の概略設計から、道路の切り回しを変えていく詳細設計まで幅広い設計に携わるのが特徴です。

土木設計における勤務先には、建設会社、コンサルティング会社から、官公庁や各種研究機関の土木部門、インフラの会社なら電力、ガス、鉄道、道路と多岐にわたります。

そうした幅広い分野に渡っていることから、働く場所も主要都市から全国まで様々。
海外でも活躍している人もいるのが特徴です。

建築設計との違い

建築設計が対象とするのは戸建てやマンション、商業施設やビルといったいわゆる建築物を指します。

土木工事で整えられた土地の上に建築物が建つことが多いです。
一方、土木設計はインフラと呼ばれる橋梁、道路、鉄道といった人の生活に関わる構造物の設計を担います。

他にも施工期間の違いとして、小さな建築物が施工されるのは数週間から数か月単位となる一方で、橋梁の新設は年単位での施工期間が必要になることが挙げられます。

土木設計に関わる資格

土木設計に関わる資格の概要や仕事内容について紹介しますので、取得を目指す上での参考にしてみてください。

土木施工管理技士(1級・2級)

一般財団法人全国建設研修センターが実施する試験であり、国家資格の一つです。
土木に関する工事において施工管理を務める者なら取得すべき資格であり、土木設計者にとっても図面作成時において有用な知識が得られる試験内容になっています。

土木施工管理の資格について詳しくはこちら
土木施工管理技士とは?1級と2級の違いや気になる年収、難易度についても解説!

技術士(建設部門)

公益社団法人日本技術士会が実施し、文部科学省が認定する国家資格です。
専門的応用能力を必要とする計画、研究、設計、分析、試験、評価などを担う分野で活躍することができます。

技術士は21の技術部門に分かれており、その一つに建設部門があります。
登録者数は平成23年度で3万人ほどです。

建設に特化した知識を持つ者として証明できる資格です。

技術士の資格について詳しくはこちら
技術士・技術士補とは?仕事内容や種類、年収や取得について解説!

技術士(総合技術監理部門)

2001年度に新設された文部科学省が認定する国家資格で、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理を分析・評価して監理業務するための資格です。

業務全体を視野に入れた監理業務を行うために必要な知識を持っているものとして証明ができます。

技術士の資格について詳しくはこちら
技術士・技術士補とは?仕事内容や種類、年収や取得について解説!

技術士補

技術士の第一次試験に合格する、または指定された教育課程を終了すると技術士補になれます。
難関と言われる技術士の資格取得を目指すにあたって、まずは技術士補になってから第二次試験に挑む人も少なくありません。

技術士補の資格について詳しくはこちら
技術士・技術士補とは?仕事内容や種類、年収や取得について解説!

RCCM

建設コンサルタンツ協会が認定する民間資格であり、建設事業の計画・調査・立案に関する助言を主に行う仕事です。

建設コンサルタント等の業務で10年以上の実務経験がある人が受験可能です。
建設コンサルなどの業務をこなせる優秀な技術者を活用して、建設コンサルタントの技術力の向上を図ることを目的として創設された資格です。

RCCMの資格について詳しくはこちら
RCCMとは?難易度や仕事内容、メリット・デメリットも併せて紹介!

測量士

国土地理院が認定する国家資格であり、測量業者は地質調査業者を担うこともあります。
土木設計においては調査段階から関わり、測量で調査されたデータを元に土木設計を進めます。

土木構造物の対象となる土地の広さや高低差などを調査し、土地と道路の境界を明確にするといった業務があります。

測量士の資格について詳しくはこちら
測量士・測量士補とは?その違いや試験内容、年収などについて解説!

建築積算士

公益社団法人日本建築積算協会が実施する試験であり、建築物の工事費における数量算出・工事費算定などを行う専門家を目指すための資格です。

「建築数量積算基準」などを元に的確な工事費を算定するのが主な業務です。

コンクリート診断士

公益社団法人日本コンクリート工学会が2001年に創設した試験で、2021年に約14,000名が資格を登録しています。

コンクリートを診断・維持管理するための幅広い知識を持った技術者を養成し、インフラの維持を目的としています。

橋梁などのコンクリート構造物の劣化状況や、修復の必要性があるかを診断するのが主な業務で、コンクリート主任技士以上に難しい試験をクリアする必要があります。

コンクリート診断士の資格について詳しくはこちら
コンクリート診断士とは?年収や受験資格、合格率まで解説!

コンクリート技士/コンクリート主任技士

公益社団法人日本コンクリート工学会が1970年に創設した試験で、2021年に約59,100名が資格を登録しています。

コンクリートの製造から施工に携わる技術者の資格を認定し、技術の向上を図ることを目的としています。

コンクリートに対する信頼性を高め、建設産業の発展に貢献することも背景としてあります。
「コンクリート技士」はコンクリートの製造や施工を対象に、配(調)合設計、試験、検査、管理、設計などをするにあたって、技術的な能力があると認められた者です。

「コンクリート主任技士」は、コンクリート技士の能力に加えて研究や指導などをする能力がある技術者です。

土木設計で働くメリット

土木設計の仕事において、将来性などを踏まえて具体的なメリットを三つ紹介します。

需要がある

土木設計の仕事先は、インフラに関わる設計事務所から大本となる官公庁、施工会社と様々です。

そうした中で土木構造物の新設も毎年一定数あり、既設のメンテナンスや補修工事といった設計業務などは増加の一途をたどっています。

そのため、土木設計で働くメリットとして需要があることがあげられるでしょう。

達成感がある

土木構造物において橋梁や道路の設計に携わるにあたり、施工が終わった際の達成感があるのもメリットだと言えるでしょう。

図面でしか見てこなかった橋梁ができあがったのを間近に見ると感動したり、高速道路や高架工事といった難しい設計を終えた時には達成感を感じます。

専門的な知識を得ることでやりがいにつながる

土木設計に関する専門的な知識を深めていけるというメリットがあります。
例えば土木構造物構造物に欠かせない素材がコンクリートですが、専門的なコンクリートの知識があると業務に役立てることができます。

劣化状況や修復の必要性を考えるにあたってコンクリートの耐用年数を考慮したり、設計時の検討などが可能になるためです。

そうした知識を得ること自体がモチベーションにつながり、コンクリート技士や診断士といった資格取得を目指すきっかけになります。

土木設計で働くデメリット

土木設計の仕事をするにあたり、どういったことが大変なのかを踏まえてデメリットを三つ紹介します。

忙しい時期は残業が増える

繁忙期には業務が終わらず、残業や休日出勤が重なるのがデメリットとして挙げられます。
特に公共工事や法人向けの工事において決算前の3月に工事を終わらせることが多いため、忙しくなりやすいです。

年度末の繁忙期の他にも、工事が始まる前の最終調整などには多忙を極めます。

設計以外の仕事も忙しい

土木設計において関係会社とのやり取りが多いと、設計業務に集中ができない場合もあります。
施工現場からの質問に答えたり、協力会社や建設コンサルタントに連絡を取ったりと、メールや電話業務なども少なくありません。

また、担当する土木設計が複数重なるとやり取りや会議も増えてしまうため、設計以外の業務に忙しさを感じるのもデメリットとして挙げられます。

立体的なイメージが持てない

土木設計では2次元図面を主に扱うため、3次元化した際のイメージが持ちにくいという技術的なデメリットもあります。

施工管理を務めていれば、橋梁や支障が立体的にイメージできたり、道路の勾配の大切さを間近で感じることができます。

2次元CADによる設計だけを担う場合だとそうした土木構造物の立体的なイメージがつかず、苦労することもあります。

土木設計での年収を上げるには

土木設計を務めるにあたり、年収やキャリアアップをするにはどうすれば良いか4つ紹介します。

長く努めて信頼を得る

土木設計に勤め始めたばかりだと、設計の進め方や気を付けるポイントなどが分からないためスケジュール通りに仕事ができないこともあります。

しかし、業務の数をこなしたり、長年勤めることでそうした悩みが徐々に解消されていくだけでなく、会社や上司から信頼されるようになります。

そうした評価を受けることで昇給・昇進ができるため、年収アップにつながります。

資格を取得する

土木設計に関する資格を取得することで月に1万円やそれ以上の資格手当を狙うことも可能です。
会社によって資格手当の額は異なりますが、コンクリート技士・主任技士の資格は数千円から1万円、1級施工管理技士は1万円以上、といった資格手当を用意している場合があります。

そのため、年収の底上げのために色々な資格を取得していくのも良いでしょう。

他のソフトも使えるようになる

土木設計者が扱うソフトの多くは2次元CADですが、3次元CADも扱えることで業務の幅が広がります。

例えば、橋梁の形状を検討するための協議用のモデルを作成したり、道路と周辺地形を作成して景観検討をするためのパースを作成したりできます。設計以外の業務を可能にすることで会社からの評価が高まり、昇給のチャンスにつながります。

また、設計図面における鉄筋や部材などの数量表の確認のためにExcelの技能を高めたり、協議用のプレゼン資料を作成するためにPowerPointを使いこなしたりといった方法も設計以外の業務を担えるキッカケに繋がりやすいです。

キャリアチェンジを視野に入れる

土木設計を務め続けるのではなく、建設コンサルタント会社や測量会社、施工管理といった転職・キャリアチェンジも視野に入れると良いでしょう。

設計だけをするよりも視野が広がり、多くのことをこなせることで昇給につながったり、給与の高い会社に転職することも可能です。

例えば建設コンサルタントに転職して土木工事に対する問題・課題を洗い出して解決策を検討するといった業務に携わることができます。

土木設計の知見を活かせるキャリアップも狙えるのでおすすめです。

まとめ

土木設計におけるやりがいや、大変だと思うことなどを紹介し、キャリアアップのための資格取得などについてもご説明しました。

この記事をきっかけに土木設計を担う一人になったり、キャリアチェンジやキャリアアップのヒントになれば幸いです。

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