電気主任技術者の難易度は? 合格率や取得するメリットも解説!

電気設備の保守監督業務には欠かせない資格の電気主任技術者ですが、資格の合格難易度が高いことはご存じでしょうか。
この資格を取得することによって、電気のスペシャリストであることを証明できる資格です。

電気主任技術者の資格には第一種から第三種までありますが、それぞれの難易度について解説しています。

電気主任技術者について


電気主任技術者は、電気主任技術者試験の略で「電験」と呼ばれています。
資格には第一種から第三種までの3種類あり、それぞれ扱える電気工作物の規模が異なります。

電気主任技術者は電気事業法に基づく国家資格で、事業用電気設備の保安監督業務を行う事ができる資格です。
電気設備を設置する施設では、必ず電気主任技術者を置かなくてはなりません。

発電所や変電所、オフィスビルや複合施設などさまざまな施設において電気設備は多く使われています。
電気設備とは、受電した電気を施設に合った電圧に変換する変電設備の事を指します。
受変電設備は電気主任技術者の監督のもとで、安全に維持運用されるよう保守点検されなければなりません。
その保守業務ができるのは、電気主任技術者の資格の保持者となります。

事業者によっては電気主任技術者を自社雇用せずに、外部委託によって電気設備を運用する事業者もあり、電気主任技術者の資格者は独立することも可能です。

第一種電気主任技術者

業務内容

全ての事業用電気工作物の保安監督ができる資格です。

主に発電所などの超高圧電力を扱う電気設備の保安業務になります。
扱う電圧に制限がないため、大規模電力を扱う施設での設備の保安に係る点検や保守などの業務を行います。

合格率

平均合格率は5%前後で推移しています。直近の令和3年度では6%となっています。
この合格率からも狭き門である事がわかります。

第二種電気主任技術者

業務内容

電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の保安監督ができる資格です。

主に変電所などの特別高圧電気設備を扱う施設での保安業務になります。

電圧17万ボルト未満の施設とは、大規模な製鉄所や変電所などの大きな規模の電気を扱う施設が該当します。
そのような施設での電気設備の保安監督や維持運用する業務です。

合格率

平均合格率は10%未満で推移しています。
第一種に比べて合格率はやや低くなるものの高い難易度となります。第一種と同様かなりの難易度である事がわかります。

第三種電気主任技術者

業務内容

電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5,000キロワット以上の発電所を除く)の事業用電気工作物の保安監督ができる資格です。

主にオフィスビルやマンションなどの高圧電気設備の保安業務をします。

公共施設やオフィスビルなど、普段の生活に関わる建物での電気設備については、第三種でカバーできる事が多く需要の高い資格です。

合格率

平均合格率は10%前後となります。ただし試験の科目合格率については30%前後となります。
3年以内に4科目合格すれば合格となりますので、科目合格を積み重ねて時間をかけて取得することも可能な資格です。

電気主任技術者の資格での転職した声


電気主任技術者の資格を取得することで、転職に成功した事例をご紹介します。

・電気設備の施工管理から電気主任技術者へ

    電気設備施工会社で施工管理として、高圧や特別高圧の電気設備に係る電気工事の施工管理として働いていました。
    このまま施工管理として働く事に不満はなかったのですが、自分自身のスキルアップのために電験を取得しました。

    しかし施工管理の実際の業務では、電験の資格を生かすような場面は特にありませんでした。

    そこで資格を生かした働き方で、年齢を重ねても働ける仕事である保守業務の仕事に転職を考えるようになりました。

    転職エージェントにも登録し、転職活動をすると電気主任技術者の資格がある事によって応募する企業も選択の幅が広がりました。
    変電所での保守業務を扱う企業に転職する事ができ、現在は資格をとって良かったと満足しています。

電験三種を取得するメリット

・需要が高い国家資格

第三種電気主任技術者の資格で扱える電気設備は、電圧5万ボルト未満の電気設備となりますが、この区分に相当する建物は私たちの生活に密接に関係しています。
マンションやオフィスビル、複合施設や工場など私たちが普段目にする建物はほぼカバーできる範囲のものです。

その為、幅広いニーズに応える事ができる需要の高い資格となります。

・転職に有利になる

電気工事士などの資格に比べ、電気のプロフェッショナルであるという付加価値の高い資格である電気主任技術者資格は、市場価値も高く転職市場でもニーズが高いです。

そのため、転職に際しても非常に有利な資格であると言えます。

・技術者としての信頼向上

電気主任技術者の資格は、電気の深い専門知識を修めた証となる資格です。その為会社からも信頼度が高くなります。
キャリアアップを考えることも可能になりますし、さらに上位資格である第二種電気主任技術者の資格取得も考える事ができます。

こうした深い知識と技術を持った人材は、企業からの信頼も厚く会社での立場も高くなる可能性もあります。

まとめ


電気主任技術者の資格は、電気工事士など他の電気に関する資格に比べて難易度の高い資格です。

一方で市場価値は非常に高い資格であり、下位資格であるはずの第三種電気主任技術者であってもその価値は非常に高いです。
また、電気工事施工管理技士や電気工事士と比べても上位の資格となるため、社会的信頼も厚く転職にも非常に有利な資格です。
さらにキャリアを積めば、電気設備の保守業務は独立することも可能です。

まずは第三種電気主任技術者の資格取得から目指し、3年以内に4科目合格して試験を突破するという長期的な計画を持って取り組む事で取得の可能性も高くなります。
またこれまで年一回だった試験も、2022年からは年に2回実施される事になり受験機会が増加する事になりました。

この背景には電気保安業務人材の不足が挙げられます。

ビルやマンションや施設などの大型化が進み、受変電設備の需要が増加している現代社会において保守業務は安全な運用をするために不可欠な役割を果たします。
難易度は高いですが、挑戦する価値の高い資格ではないでしょうか。

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