国家試験である電気工事施工管理技士は、2級でも需要のある資格です。
電気工事は照明、光ケーブル、架線やそれに関する機器類と様々。
そうした電気工作物に関する設計や施工管理などの仕事を踏まえた上で、転職の際に有利になる点や転職事例を紹介します。
2級電気工事施工管理技士の仕事内容とは
電気工事施工管理技士は、電気設備工事に関する設計を行い、施工時には工程・安全・品質・原価管理を務める施工管理を担います。
それぞれの仕事にどういった内容があるか紹介します。
設備工事
電気工事施工管理技士は、公共の施設や官公庁、民間の建物の内外における電気設備工事、各発電所・変電所といった専門的な建物における新設や増設、改修に関わる設備工事を行います。
工事は設計から施工までは1年近くかかる場合もあり、老朽化した発電所の修繕や建て替えといった需要が高いです。
電気通信工事
架空・地中光ケーブルなどの設計から施工、そしてメンテナンスなどの通信工事があります。
携帯電話基地やネットの通信網に関わる5Gの普及のための工事といった各種無線通信設備の据付工事は需要があります。
一般電気工事
一般電気工事にはオフィス・工場などの建物における照明のLED化工事、消防設備(誘導等)の設置工事、それらに伴う配電盤・電灯・電力機器の据付配線工事などがあります。
建物の数だけ各種電気工事があり、定期的なメンテナンスも必要とするのが特徴です。
2級電気工事施工管理技士の受験資格について
建設業振興基金が実施する電気工事施工管理技士の試験についての内容、合格率や難易度を説明した上で、取得までの流れも紹介します。
試験内容
電気工事施工管理技士の試験は、第一次検定の時間は2時間30分です。
試験内容は電気工学、施工管理法、法規に関する問題が出題されるため、適切な選択肢を選んで回答する必要があります。
第二次検定は2時間で全5問の問題を記述式で回答する必要があります。
令和3年度の問題では、経験した電気工事について問われたり、風力発電についての施工上の留意点を回答するよう求められたりしました。
過去の試験問題が「一般財団法人建設業振興基金」の試験研修本部のサイトで確認できるため、見てみると良いでしょう。
合格率と難易度
2級電気工事施工管理技士の第一次検定は、令和3年度の試験において40問中24問以上正解で合格でした。
第二次検定は記述式の回答が求められるため、実際に問題集を解いて学ぶ必要性が高く、難易度はやや高いと言えるでしょう。
合格率は毎年56~63%で推移しています。
取得までの流れ
2級電気工事施工管理技士の資格を取得するにあたり、受験資格は年齢のみとなります。
試験実施年度において満17歳以上なら受験可能で、第一次検定と第二次試験の受検手数料はそれぞれ6,600円です。
第一次検定に合格した後、第二次検定に合格することで資格の取得ができます。
また、第二次検定から受験可能な該当者は下図の通りです。
引用)2級 電気工事施工管理技術検定(第一次検定のみ)のご案内 | 建築・電気工事施工管理技術検定 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部
https://www.fcip-shiken.jp/den2/1h.html
2級電気工事施工管理技士を取得するメリット
給与アップ
2級電気工事施工管理技士を取得することで、資格手当が月に数千円得られるようになったり、会社からの評価が上がって昇給が見込めます。
また、仕事の幅を広げることができ、やりがいにもつながることで業務に対するモチベーションになるのもメリットだと言えるでしょう。
転職に有利
2級電気工事施工管理技士を取得すると、主任技術者や専任技術者になれたりするため転職にも有利になる傾向があります。
資格があることで転職候補先から信頼されるのもメリットだと言えるでしょう。
また、設計職に転職する際にはJWCAD・AutoCADといったソフトが使えると有利になる場合が多いです。
資格取得への意欲が高まる
2級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、1級電気工事施工管理技士へのステップアップが見込めます。
また、関連する資格として電気主任技術者などがあり、難しい試験へチャレンジするためのモチベーションにもなります。
2級施工管理技士だけでなく、難易度の高い資格を取得することで独立も可能です。
2級電気工事施工管理技士での転職事例
2級施工管理技士の資格は転職にも役立ちます。
設計や施工管理といった転職事例を3つ紹介します。
Aさん ビル内の設備管理
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決まった建物と設備のみを管理する仕事から、電気工事施工管理技士の資格を活かして幅広く業務ができる仕事に転職しました。
転職先ではディベロッパーとして賃貸ビルや自社保有ビルなどの設備に関する工事管理や保全業務を行います。
建物にはエアコンや床暖房、ダクトや配線、幹線・電灯・コンセント・弱電設備等があるため、電気工事施工管理技士は長期的な修繕計画を立てたり、緊急時の対応業務が求められます。
社内の部署によっては設備の導入のためのプレゼンや研究開発といった業務もあり、会社内で数年に1回のジョブローテーションによりそうした業務に移る可能性もあります。
仕事にもよりますが、年収は400~500万円ほどです。
Bさん 再生可能エネルギー事業
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SDGsによる脱炭素が求められる中、太陽光発電設置工事の需要の高まりから特別高圧受電設備設置工事の職に転職しました。
数万か所に及ぶ太陽光発電施工を担う会社に務めることで、太陽光発電のメンテナンスや、施工実績に基づいた設計や施工に関わることができます。
また、再生可能エネルギーに関する新規開発も担うチャンスにもつながり、キャリアアップも見込める業務を務め、年収は550万円です。
Cさん 鉄道電気工事
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道路に関わる電気設備管理の業務から、鉄道に関わる業務に勤めたいと思い転職しました。
転職先の鉄道会社では、電車に対応した変電設備工事を新設したり、電車の往来する線路に関する電気設備工事のメンテナンスなどを行います。
電気設備には機器類や支えるための基礎、接地線、架線や電力ケーブル、各種制御盤などの設備が必要になり、接続に不備が無いかなどを定期的に確認する必要があるため幅広い知識が求められます。
電気工事士の資格を活かすことができ、年収は600万円です。
まとめ
毎年数千人が受験している2級電気工事施工管理技士の試験ですが、令和3年度は21歳未満の受験が半数を占めました。
また、学生の受験も多いことから社会人でも学習時間をしっかり設けて挑めば難しくはない試験だと言えます。
転職事例からもわかるように、電気工事施工管理技士は今後も需要がある資格です。
また、他の資格へ挑戦するためのモチベーションになったり、給与アップが見込めることからおすすめの資格であると言えるでしょう。
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