施工管理からの転職とは?役立つスキルやおすすめの転職先、事例も含めて詳しく解説!

施工管理の仕事を経験した後、転職を考える方もおられます。
施工管理から転職する場合、どのような転職先が考えられるでしょうか。。
施工管理の仕事内容や身に付くスキルに加え、おすすめの転職先など詳しく解説しています。

施工管理とは


施工管理とは、建設現場において重要な役割を持つ、4つの要素を管理する建設現場の管理職です。

建設現場はさまざまな専門分野のスペシャリストが、それぞれ技術を集結して完成します。
そのスペシャリストである職人に、指示を出し指揮をするのが施工管理です。

仕事内容

施工管理の具体的な仕事内容は、「4大管理項目」と呼ばれる4つの管理を行うことです。

工程管理
工程管理とは、建設工事のスケジュール管理のことです。
作業人員の確保や重機の手配、資材の調達や必要な届出書類提出などがあります。

安全管理
安全管理とは、建設作業にあたる作業員の安全を守る事や、現場周辺の近隣住民などの安全確保などです。

危険作業保護区画を行ったり、高所からの墜落防止手すりを設置します。

品質管理
品質管理とは建設工事に使用する資材の寸法や品質が、仕様書通りの規格を満たしているか管理するという業務です。

また工事の仕上がりが図面通りの仕上がりとなっているか、工事品質の管理も重要な業務となります。

原価管理
原価管理とは、工事が予算計画に沿って進んでいるか管理することです。
適正な原価と経費を管理し、工程通りに建設工事を完成するために重要な業務となります。

平均年収

施工管理の平均年収は約440万円であり、一般的な平均年収に比べて高めです。
取得している資格やキャリアで年収は高くなります。
企業規模や工事規模などによって差はありますが、大手企業では1,000万円以上の年収を獲得することも可能です。

施工管理で身に付くスキルとは

施工管理の仕事により、身に付くスキルについて解説します。
施工管理の仕事に必要な能力であるとともに、身について磨かれていくスキルであるとも言えるでしょう。

コミュニケーション力

施工管理の仕事では、さまざまな技術者やメーカー、事業主や施主との交渉や打合せをします。
そのため、柔軟な交渉力と決断力が求められます。
それに対応するには、多方面の主張や都合を考えながら、現場を柔軟に指揮するコミュニケーション力が必要です。

施工管理の仕事によって、磨かれるスキルの代表的な能力といえるでしょう。

リーダーシップ

施工管理は現場を指揮する管理者です。
そのため、あらゆるシーンにおいてリーダーシップが求められます。
現場によっては、数百人以上の規模となる作業員をまとめ上げる必要があります。
現場では作業員の意見と、事業主や施主の要望がすれ違うこともあります。
そんな時には、施工管理がリーダーシップを発揮し現場をまとめることで、技術を集結することができ、建設物は完成するのです。

責任感

施工管理にとって、非常に大切なスキルのひとつが責任感です。
現場を工事期限以内に、適切な施工によって安全に完成させるには、責任感が欠かせません。
施工管理の仕事をすることで、多くの困難にぶつかることもあるかと思いますが、その困難を乗り越えることで責任感は養われます。

臨機応変な対応力

現場では、事業主や施主から急なプラン変更の要望を出されることもあります。
作業員の工程の段取りが大幅に変更になることもあり、当然ですが反発が出ることもあります。
それぞれの主張や要望に、折り合いをつけられる解決策を考えるのも施工管理の仕事です。
また、急な資材搬入の遅れや悪天候による工事の遅延など、思いがけないトラブルが発生することもあります。

そこで臨機応変に施工計画を練り直し、柔軟に対応するスキルが身につきます。

コスト管理能力

施工管理の仕事では現場にかかるコストを抑え、企業の利益を確保する使命があります。
仕事である以上、利益の確保は必ず必要な業務です。
しかしコストをカットすることに集中すると、現場の進捗が悪くなるばかりか、建物の仕上がりが悪くなることもあります。

必要なコストと、不要なコストを正確に把握し、利益を出す必要があり、施工管理の仕事によってそのバランス感覚は磨かれます。

施工管理が転職を考える理由とは

施工管理の仕事から転職を検討する人は、どのような理由で転職を考えるのか、特に多く聞かれる理由をご紹介します。

休みが取りにくい

施工管理は現場の進捗によって、休日を返上して仕事をするケースも少なくありません。
そのため、家族や友人との時間を取りにくい生活になりがちです。
現場の進捗がスムーズであれば、時間的な余裕もできるため休日出勤することはありませんが、現場の進捗が遅延している場合、休みが取りにくいこともあります。

施工管理の仕事では、決まった休みが取りにくいことに加え、有給休暇を取得するのもデスクワークに比べて難しい傾向があります。

仕事の負担が多く労働時間が長い

施工管理の仕事は、とにかく業務量が多いため仕事の負担が大きく、労働時間が長くなりがちです。
日中は現場で安全管理や工程管理を行い、現場終業後に事務所などでコスト管理や図面の見直しや修正、進捗チェックや資材管理など、業務のボリュームがとにかく多いのです。

ひとり当たりの仕事量が非常に多い事と、現場が終わってからの業務も多いため、一日の勤務時間が非常に長くなります。

仕事量に比べて給料が安い

前述の通り、施工管理の仕事はボリュームが多く、業務時間が長い特徴があります。
しかし、給与については「みなし残業」「固定残業」といった給与体系によって、時間外労働が安価になる傾向があります。

そのため、時間あたりの給与を換算した場合、非常に安価に感じることも多いでしょう。

出張が多く危険が伴う

施工管理の就業場所は建設現場です。
そのため、プロジェクトごとに勤務地が変わります。
全国展開している企業に勤めている場合、転勤エリアは日本全国に渡ります。
また、グローバル展開している企業であれば、海外転勤や海外への長期出張も考えられます。
また、建設現場には危険が多く潜んでおり、常に緊張感を持って業務にあたる必要があります。
些細なミスで命を落とすような、重大な事故になるケースもあるからです。

施工管理の経験を活かせるおすすめの転職先10選

ゼネコン

総合建設業であるゼネコンでは、施工管理のキャリアを十分に生かすことができる転職先であるといえます。

下請建設事業者や設備事業者などで、施工管理として勤めていた場合、ゼネコンは上流課程にあたるため、経験やキャリアを発揮しやすいでしょう。

また、施工管理としての経験や実績があれば、転職の際に採用されやすい傾向があります。

設計事務所

施工管理の仕事では、設計図面の通りに工事が進められているかをチェックします。
そのため設計業務自体は未経験であったとしても、設計図面の理解度は深い傾向があります。
設計事務所では、設計図面の知識が深いことで、施工管理で養った経験を活かすことができます。
また、施工管理の仕事では、CAD図面を修正したりチェックしたりする業務があるため、CADオペレーターとして活躍することも可能です。

さらに、建築士などの上位資格を所有していれば、キャリアアップや年収アップも見込めるでしょう。

不動産

施工管理の仕事は、建物を造る仕事であることに対し、不動産業の仕事は完成した建物を販売する仕事です。

不動産の仕事では、物件を仲介する際に、建物を造っていた経験を活かして、正確な情報をお客様に提供することができるでしょう。

建設現場で得た知識や、施工管理として交渉や調整してきた交渉力は、不動産の仕事でも非常に役に立ちます。

デベロッパー

デベロッパーとは、住宅地やリゾート地などの土地開発を行う仕事です。
デベロッパーは、施工管理の上流課程にあたる業界になりますので、施工管理の経験や知識を活かすことができます。

施工管理として鍛えたコミュニケーション能力が、発揮されやすい業界でしょう。
デベロッパーの求人は、非公開求人であることが多く、大手不動産会社の求人ではエージェントからしか応募できないことも多くあります。

TECH企業

TECH企業とは、建設業界や不動産業界に対し、テクノロジーによるサービスを提供している業界になります。

VRや無人建設などが代表的なサービスです。
また、施工管理向けのアプリケーションや、建設現場向けのコミュニケーションツールなどのITソフトウェアなどを展開しています。

施工管理の経験によって、現場のニーズを把握しているため、即戦力として活躍できる可能性があります。

ハウスメーカー

一般戸建て住宅を主軸とした販売を行っている、住宅販売メーカーがハウスメーカーです。
施工管理の経験者であれば、戸建て住宅に関する知識や経験が豊富であるため、ノウハウを活かして活躍することができるでしょう。

ハウスメーカーの多くは独自規格を導入しています。
自由建築ではなく規格通りの建築となることが多いため覚えることが少なく、即戦力として活躍しやすい環境となるでしょう。

都市再生機構

独立法人都市再生機構では、地方都市や大都市における市街地の整備や、賃貸住宅の供給などの業務を行っています。

建設の知識や、施工管理としてのコミュニケーション能力が活かされる環境です。
都市再生機構の業務は、民間企業との連携が必要であり、施工管理で養われた交渉力や管理能力を発揮しやすい仕事です。

建設会社の営業職

施工管理からの転職として、営業職への転職という選択肢もあるでしょう。
建設会社の営業であれば、施工管理として培ってきたこれまでの知識や、経験が大いに役に立つことになります。

営業職はお客様との交渉や、要望に対する判断力が求められ、コストや利益の管理能力が必要です。

施工管理の経験者であれば、そのスキルは養われているため活躍が期待できるでしょう。

公務員

施工管理の経験を活かして、公務員として転職することも可能です。
自治体では公共事業を管理する職員として、建設工事の経験者を求めていることがあります。
そのため、土木業界や建設業界で施工管理としての実績が認められれば、40代以降でも転職が可能な場合もあります。

転職を成功させるポイントとは

施工管理からの転職を成功させるために、どのようなことに重点をおくことがポイントになるか解説します。

キャリアを明確にする

施工管理として、これまでに培った経験や実績を、明確にアピールすることが必要です。
どのような現場で、どのようなプロジェクトを経験し、発生した問題をどのように改善したのかといったポイントをアピールすることが重要となります。

また、今後はどのようなキャリアを積みたいのか、将来はどうなりたいのか、そのために何をするのかという目標とプランを明確にすることがポイントです。

転職先で必要な資格を取得する

転職先では、これまでの施工管理としての経験や資格と異なり、必要となるキャリアや資格を取得しなければなりません。

多くの場合では、建設関連の資格であることが多く、取得していなくても採用されることもありますが、今後取得する意思があるかどうかも大きなポイントとなります。

業界に詳しい転職エージェントを活用する

転職をスムーズに進めるには、転職エージェントの利用がおすすめです。
しかし、転職エージェントにも得意分野があります。
そのため、転職しようと考えている業界に強みを持っているエージェントを利用することが重要です。

転職エージェントにも、IT業界に強い・建設業界に強い・製造業に強いなど、得意としている業界がありますので、エージェント選びも大きなポイントとなります。

施工管理の転職・収入アップ事例


施工管理から転職し、キャリアアップによって年収がアップした事例をご紹介します。

事例1|大手デベロッパーへ転職(年収520万円→600万円)

施工管理として働いているKさんは、キャリアアップを考えていました。
以前より不動産業界には興味があったこともあり、デベロッパーへの転職を検討していました。
しかし求人数が少ないこともあり、なかなか自身の力だけでは難しいと感じました。
そこで転職エージェントに相談したところ、エージェントには非公開求人があることを知りました。
エージェントと相談を重ねながら転職活動を続けたところ、施工管理としてのスキルと経験を買われ、大手デベロッパーへの転職が決まりました。

これまでのキャリアが認められ、年収も大幅にアップし非常に喜んでおられました。

事例2|地方公務員に転職(年収480万円→580万円)

土木施工管理として働くOさんは、公共事業での工事に携わることが多く、公務員になりたいと考えていました。

施工管理の仕事は労働時間も長く、家族との時間もあまり取れないため、まだ小さな子どもの寝顔しか見られないことが悩みでした。

転職エージェントに相談していたところ、地方公務員の公共事業職員を紹介されました。
Oさんはこれまでの実績が評価され、採用されることになります。
施工管理から公務員に転職し、年収もアップし家族と過ごす時間が増えたと、とても満足そうに話しておられました。

事例3|建設会社営業職に転職(年収560万円→760万円)

マンション建設会社の施工管理として働くMさんは、人と話すことが好きで、営業職に転職したいと考えていました。

担当しているプロジェクトが完成するタイミングで、転職をする決断をします。
転職エージェントに相談したところ、これまでの施工管理としての経験と実績から、大手建設会社から営業職として採用されることになりました。

施工管理時代に培ったコミュニケーション能力と、交渉能力を活かし営業成績も好調であったこともあり、年収が大幅にアップし大満足とのことです。

まとめ

施工管理の仕事を経験することで、幅広い業界で活躍できるスキルが磨かれます。
施工管理はやりがいのある仕事である一方、労働時間が長く仕事量の多い大変な仕事でもあります。

そのため、施工管理の仕事によって磨かれるスキルや経験は、さまざまな業界で評価されるものが多くなります。

キャリアアップやスキルアップを考えておられる方は、施工管理の経験を生かした転職やキャリア形成を検討してみるのはいかがでしょうか。

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