施工管理の離職率は高いのか?データでみる実態と離職率の低い会社への転職事例なども詳しく解説!

施工管理はきつい仕事のため、慢性的に人手が不足している職種です。
本記事では、施工管理の離職率が高くなる理由について解説します。
また離職率の低い会社の探し方や、転職事例についてお伝えします。

施工管理の離職率

施工管理の離職率について解説します。
施工管理の通年での離職率については、他の産業に比べて低いと言われていますがそれでも1割程度の人が離職しています。

施工管理の離職率

新規入職者の離職率について高校卒業後3年以内では、半数近い数が離職しているという結果となっています。

一方で大学卒業後の3年以内の離職率は、全産業とほぼ変わらない結果となっています。
これは大学卒業後の入職者は、建設業で必要な知識を学生の間にある程度履修している経験が大きく影響していると考えられます。

また学歴によって年収が異なり、高校卒業者と大学卒業者での年収には差があります。
また資格試験の受験資格においても大学卒業者は優遇されるため、大学卒業者の方が離職率が低くなります。

1級施工管理技士の離職率

1級施工管理技士の離職率は、通年で約5%と言われています。
1級施工管理技士であれば年収も高く会社からの信頼もあるため、離職することが少なくなる傾向があると言えます。

2級施工管理技士の離職率

2級施工管理技士の離職率については、通年で10%と言われています。
飲食・サービス業の30%の離職率などに比べ施工管理の離職率は高くはありません。
しかし入職者が少ない中で、離職してしまうことによって人手不足が解消されません。

2級の離職率が他産業に比べて低い理由は、資格を取得することでこれまでの実績や経験が認められるからです。

自身の仕事が信頼されることで、離職率が低下しています。

施工管理の離職率が高くなる理由

施工管理は建設業において、非常に重要な仕事で専門性の高い仕事ですが、離職してしまう理由についてどのようなものがあるか解説します。

・残業時間が長い

施工管理の仕事は現場での管理業務に加えて、図面や申請書類などのデスクワークも非常に多く定時で退社できないことがほとんどです。

ほぼ毎日残業があると言っても良いほど、膨大な仕事量があります。
働き方改革を進めているとはいえ、業務量が減るわけではありません。
業務の効率化が図られ、業務改善されなければ長時間の残業は避けられません。
毎日夜遅くまで残業する日々となると、疲弊し仕事に対して嫌悪感を抱くようになりやがて退職を決意することになります。

・休日が少ない

建設業の中でも施工管理の仕事は休日を返上して業務をすることが多い職業です。
そのため休日は少なくなりがちであるにも関わらず、人手不足によって振替休日が取れません。

多くの建設現場では土日の作業現場の閉所を行っていますが、現場が終わってからの書類作成や図面作成などのタスクが多く施工管理は出勤していることが多くあります。

施工管理の休日について詳しく知りたい方はこちら
施工管理や現場監督の休日は少ない?理由や実態、改善方法について紹介!

・家族や友人との時間が合わない

残業時間が長く休日も少ないため、家族や友人との時間が合わずライフワークバランスが崩れるということがストレスになることが多くあります。

また、家族との時間が取れず、子供の育児にも参加できずすれ違いになり家庭で孤立するというケースもあります。

また友人との時間が合わないため、新たな出会いもなく職場の仲間と仕事の話をする程度しかコミュニケーションがないという事もあります。

そうしたストレスから離職につながることも多くなります。

・人間関係の構築が難しい

どんな業界でも会社でも人間関係の問題はつきものですが、建設業界ではさまざまな職人やメーカーや上司などとの関係を構築しなければならず非常に煩雑です。

また発注元や施主などから無理な要求をされることも多く、それを職人や会社に伝えることによって板挟みになり精神的に苦しい思いをするという場面もあります。

そうした人間関係のストレスも離職を決意させる原因の1つになっています。

施工管理の人間関係について詳しく知りたい方はこちら
施工管理で人間関係は重要!要注意な人や日頃から心がけておくことなどを具体的にご紹介!

・体力的に厳しい

施工管理は職人と違って実際の作業をしないため、体力に自信がなくてもできると考えることがあるようですが全く違います。

夏の暑さも、冬の寒さも現場で仕事をしているのとなんら変わらない環境となります。
また現場での管理業務の後のデスクワークもあるため、体力的にも厳しい仕事であることがあまり知られていません。

・給与が仕事に対して見合っていない

施工管理の年収は、日本での平均年収に比べて比較的高い収入となっていますが、長い残業時間と休日の少なさを考慮すると見合っていないと感じるという側面があります。

また実務経験を積んで資格を取得して実績が認められてから、年収が上がっていくというケースが多く、入職後すぐに年収が高いというわけではないため耐えられずに辞めてしまうということが多いです。

施工管理の年収について詳しく知りたい方はこちら
施工管理の年収は?年代や地域、工種や役職ごとに徹底解説!

・評価制度に不満がある

実績の評価制度が会社によって曖昧です。
特に新入社員や若手社員は雑用ばかりさせられる事が多い中で、実績がないと評価されると嫌がらせを受けていると感じることにも繋がります。

どんな仕事を誰の指示で行っているのか、正当な業務の評価をされないことが離職率を高くする要因です。

・個人の仕事量が多い

建設業の中でも、施工管理は個人で受け持つ仕事量が非常に多いです。
ひとつのタスクがボリュームがあり、継続的なことも多く作業量が多いため残業も多くなります。
また休日を返上しないと追いつかないこともしばしばです。

施工管理の1日のスケジュールについて詳しくはこちら
現場監督(施工管理)に夜勤はあるのか?1日のスケジュールや理由について解説!

また施工管理の人手不足と、業務効率の改善が適切でないと業務量の多さは個人にそのままのしかかってくるため精神的にも悲鳴を上げる状況となります。

こうした膨大な業務に追い立てられる毎日は、退職を決意する要因となり離職率の高さにつながります。

施工管理の離職率の低い会社とは

施工管理の離職率が低い会社とは、どんな会社なのか解説します。

・福利厚生が整っている

福利厚生が頼りない会社であれば、将来性に不安を覚え転職を考える原因となります。
労働環境や福利厚生の整備が整っている企業であれば、社員は安心して働く事ができます。
そうした社員の不安を取り除き、安心感のある環境を整えることで離職率は下げる事ができます。

・社員の年齢層が幅広い

建設業界においても高齢化は進んでいます。
施工管理は人手不足な上に高齢化しているため、女性や若年層にとっての労働環境が整備されにくい傾向があります。

社員の年齢層が幅広く、女性や外国人の採用などによって幅広い人材にとって安心して労働できる環境となれば離職率は下がります。

・勤務時間が正しく管理されている

みなし残業制度の企業では現在もサービス残業が当たり前の環境となっています。
そうした労働環境が改善され、適切な残業と業務量となることで退職者はなくなります。
勤務時間と残業時間の管理、休日出勤の管理や時間外労働の賃金の支払いがしっかり管理されることは、労働者だけでなく企業を守るための施策と言えます

・完全週休二日制が実施されている

日本建設業連合会では全国の建設作業現場において、完全週休二日制の導入を強く推進するために土日閉所を進めています。

現場を閉所することによって、半ば強制的に休日の取得を徹底させるものです。
施工管理の仕事はデスクワークも多いため、現場が閉所していても会社でのデスクワークを強要している企業であれば離職率は高まるでしょう。

しかしこうした労働環境を整備している企業であれば、離職率は下がり人手不足も解消されることになります。

・若手社員の意見が反映される環境がある

施工管理という仕事は、実務経験の必要な職種である背景から年齢層の高い職場となりがちです。
そのため若手社員にとっては働きにくい環境であっても声をあげにくい事があります。

若手の意見を取り入れる環境を整えることは、企業の将来性を形成する重要なポイントとなり、離職率の低下にもつながります。

・ICT技術の導入で業務効率化されている

先端技術の導入にはコストが必要になります。
また高齢の技術者には手作業よりわかりにくい事や扱いが難しかったりと、メリットばかりではありません。

しかし業務効率化のためには機械的な作業は機械に任せて、人間にしかできない作業に集中することで労働時間の短縮が期待できます。

導入コストや扱いに慣れるまでの、一時的なパフォーマンス低下などデメリットもありますが長期的なメリットを考えることで労働環境が改善され、離職率も下がることになります。

離職率の低い会社の探し方は?

離職率の低い会社を探すには、どのようにすれば良いのか解説します。

・就職四季報を確認する

就職四季報は新卒者の就職活動で活用される企業情報本です。
記載されている情報には企業の離職率も記載されており、優良・中堅企業版では大手以外の企業の離職率も記載されています。

・有価証券報告書を調べる

有価証券報告書には、従業員数・平均年齢・平均勤続年数といった情報が記載されています。
上場企業に限定されてしまいますが、インターネットで手軽にリサーチできるため身近な方法です。

・建設現場や事務所を見に行く

建設現場や企業の事務所など、実際の環境を確認しておくことも非常に効果的です。
実際の様子を確認しておくことで、イメージとの誤差を補正できます。
求人募集の情報だけではイメージできない事や、情報にはない状況なども確認する事ができます。

転職事例

・Aさん:工務店(年収380万円)→ゼネコン(年収550万円)

工務店で施工管理として勤務していました。
年収も低くサービス残業も多かったため、新入社員が入ってもすぐに辞めてしまう会社でした。私もこのままでは辛いと考えたため、転職を決意しました。
エージェントサービスに登録しゼネコンへ転職する事ができました。
転職先の企業は福利厚生も手厚く、労働環境も驚くほど良く残業時間も以前よりかなり減りました。
おかげで今はストレスなく仕事ができています。

・Bさん:土木施工管理(年収450万円)→マリコン(年収700万円)

私は土木工事を請け負う工事店で土木施工管理として働いていました。
天候によって作業が左右されるため、作業のスケジュールが遅延し休日返上で業務する事が当たり前の企業でした。時間外労働もかなりの時間していましたが全てサービス残業でした。
体調が悪くなる事も多かったため、転職をすることにしました。
転職サポートのサービスに登録し、お陰様でマリコンに転職する事ができました。
年収もかなり良くなり、休みもしっかり貰えており満足しています。

まとめ

施工管理の仕事は残業が多く休みが少ない仕事ですが、働き方改革や技術革新によって労働環境は徐々に改善しています。

しかしブラック企業のような働き方の企業があるのも実情です。
筆者も離職率の高い企業から、労働環境が整っている企業へ転職しました。
働き続けることが辛く苦しいと感じる場合は、離職率の低い環境の整っている企業に転職するというのも選択肢として検討してみてください。

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